一眼レフで手ブレの少ない動画を撮影しようと思ったらやっぱりジンバルが必要なんですが、どうしても重くって普段使いには向かないんですよね。大きいし。

2021.01.27
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そこで少しでも軽くて手ブレ軽減になりそうなSONYのシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を購入し早速使ってみたのですが結論から言うと手ブレ軽減に関してはほぼ影響しませんでした。
右手でカメラのグリップ、左手で縦方向にハンドルをグリップ出来ることで左右上下2軸でホールド感が増し、少しは手振れが軽減するのを期待していたのですが少々残念です。
とはいえ、取り回しやすさやグリップで操作出来るのは非常に使い勝手がよく良い商品だと思いましたので僕なりにレビューしてみたいと思います。
Contents
α7c(本体手振れ補正)+ GP-VPT2BT撮影動画
さっそくGP-VPT2BTを使って撮影した動画をご覧頂きたいと思います。使用機材と設定は以下の通りです。
・カメラ:SONY α7c
・設定:ボディ内手ブレ補正:ON(オート)
・レンズ:FE35mmF1.8(レンズ手ぶれ補正なし)
・GP-VPT2BT使用(両手でしっかりグリップ)
α7c 本体内手ブレ補正のみで撮影した動画
撮影にあたっては両手でグリップを持ち出来るだけ揺らさないよう意識しましたがやはり結構手ブレしています。撮影中は結構安定している気がしていたのですが•••
ボディ内手ブレ補正機能も思ったほど機能しないですね。シャッターを切る際には充分でも、動画のように常時揺れているようなシーンではあまり意味がありません。
ただ「GP-VPT2BT」はそもそもジンバルのような用途の機材ではないため仕方ないと思います。少し機器レビューからは脱線しますが、SONYの「Catalyst Browse」という無料ソフトウェアで後処理出来ます※ので紹介しておきます。
※尚、ソフトウェアによる事後手ブレ補正は「ジャイロ情報を記録している」カメラに限ります。
「Catalyst Browse」で手ブレの後処理を行った動画
全く同じ動画を後から補正したものですが見違えるほどスムーズになりました。
後補正なので物理的に手振れを抑えている訳ではなく、中心部分をクロップして調整しているためどうしても画角は狭くなりますがちゃんと見れる映像になっているかと思います。
最後に左右で元データとの比較動画を掲載しますので、補正レベルやクロップされた画角を確認ください。
後補正処理のビフォーアフター比較動画
8秒あたりから同じ時系列の動画を左右で比較しているので分かりやすいかと思います(「Catalyst Browse」の使い方についてはまた別の記事で紹介します)。
左側が元の画角、右側がCatalyst Browseで補正後の画角です
以上、画角だけ妥協出来れば後処理も可能と分かったところで、GP-VPT2BT自体の操作性やレビューに移って行きたいと思います。
GP-VPT2BTを使ってみて良かった点
・軽量&コンパクトで持ち運びしやすい
・グリップ側でカメラ操作が可能
・握りやすく片手での操作に不安がない
・操作がワンタッチでとてもユーザーフレンドリー
SONY シューティンググリップ「GP-VPT2BT」¥12,900
軽量&コンパクトで持ち運びしやすい
高さ173mm重さ215gと軽量&コンパクト。最軽量の3軸ジンバルでも約1kgですから個人的にはかなり軽く感じました。
α7c + FE35mmF1.8と組み合わせでちょうど1kgとなりますが、グリップの持ちやすさや重量バランスの良さからかほぼ重さは感じません。
サイズもW49.5xH173xD42 mmとポケットサイズで何かと荷物を少なくしたい僕にぴったりです。α7cとの組み合わせたサイズ感はこんな感じです。
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Bluetooth接続でケーブルが不要な点も付け外しが楽で取り回しやすさに繋がっていますね。
グリップ側でカメラ操作が可能
僕は動画での自撮りはしないので両手でカメラとグリップを掴むことが出来、正直グリップ側でのボタン操作の必要性はほぼ感じていないのですが
SONYのカメラを使ってVlogなどを撮影される方には必須だと感じます。雲台部分のボタン一つでカメラの回転が可能で、レンズとボタンを同じ方向で使えるのはよく考えられていると感じます。
シャッターボタンはちゃんと「半押し」が可能ですので、Bluetoothのリモートシャッターとしての用途が果たせるのもとても良いです。
握りやすく片手での操作に不安がない
グリップの長さが短く両手で縦に持つことは出来ませんが、持ちやすい形状のおかげで片手でもしっかりホールド可能です。
通常カメラは両手で扱うため、このグリップを使うことでボタン操作も含め完全に片手が開くというのは子供を連れている際はとても重宝しそうです(左手は繋いだまま撮影可能)。
サイドボタンで上下の角度を変えローポジジョンで撮る際もカメラ単体で撮影するよりはるかに安定します。手を伸ばして撮影するようなシーンでも活用出来るためバリアングルモニターのカメラとの相性はピッタリです。
操作がワンタッチでとてもユーザーフレンドリー
先程の「雲台の回転」や「上下角の変更」もそれぞれ対応したボタン一つで操作が可能です。またカメラとの取り外しも雲台下のダイヤルを親指でくるくる回転させるだけでOK。
グリップ部分を展開してミニ三脚にもなりますし、こういうユーザーフレンドリーな設計がSONYらしい商品だと感じました。品薄になるほど販売される理由も頷けます。
ほぼ全てのボタンが親指1つで操作が可能な位置に配置されています
GP-VPT2BTの残念だった点
・手ブレ軽減への効果は薄い
・価格の割に質感がいまいち
手ブレ軽減への効果は薄い
これは前述の通り手ブレ軽減効果についてメーカーではそもそも謳っていないため、批判するポイントでは全くないのですが、ホールド性が向上することで少しくらいはマシになるかというとほぼ意味はないです。
やはり3軸ジンバルで物理的に対応するか、アプリでの事後補正は必須ですね。
価格の割に質感がいまいち
決してチープという訳ではないのですが、実売価格でも10,000円を超える商品にしては高級感は薄く感じます。
金属の使用やボタン電池からバッテリーに変更することによる重量増を嫌ってのことだとは思いますが、全身プラスチックなので質感はいまいちです。
まとめ
シューティンググリップ「GP-VPT2BT」の商品レビューと、手ブレ補正(処理)とでテーマが2つになってしまい、少し読みにくい記事だったかも知れませんがいかがだったでしょうか。
GP-VPT2BT自体は色々なサイトで紹介されている通りVlog用の機材としては非常にお勧めできる商品ですが手ブレ軽減には繋がらないというレビューでした。
ただ紹介した以外にもリモート会議用の「WEBカメラ」や「手元動画撮影」時の卓上三脚としての活用も出来そうですので、Vlog以外の用途の方でも役に立つ便利な機材だと感じました。
僕も他の機材とうまく使い分けながら今後も活用していこうと思います。
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