自転車での夜間走行には以下の通りフロントライトの点灯が義務付けられていますが、自分や周りの歩行者の身を守るためにも適切な明るさを確保できるライト選びはとても大切です。
道路交通法 第52条2項より
車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
しかし一言に自転車用ライトと言っても値段や性能もピンキリでどれを選んでいいのかちょっと迷いますよね。

この記事では自転車用のライトを選ぶ上で意識したいポイントと、僕のおすすめ「OLIGHT(オーライト)RNシリーズ」についてスペックや使用感をまとめてみたいと思います。
自転車用ライト選びのポイント
自転車のライトはベルや反射板などと同様に道路交通法で装着が義務付けられていますが、安全性を考えると「付いていればいい」というものでもありません。
まずは自転車用ライトを選ぶ上で知っておきたい基本的なポイントをまとめてみます。
自転車用ライト選びのポイント
⚫︎ 走行する場所にあった明るさを選ぶ
⚫︎ 日常使いなら充電タイプが便利
⚫︎ 防水性はIPX4以上がお勧め
⚫︎ 固定方法や対応可能なハンドル径は必ず確認
走行する場所にあった明るさを選ぶ
まず道路交通法で定められた軽車両の前照灯(フロントライト)の明るさは「夜間に前方10メートルの障害物を確認できる」とされています。
「それなら出来るだけ明るいものを選べばいい」と考えがちですが過度に明るいライトは対向車の目を眩ませてしまい、かえって危険な場合もあるので走行場所や状況を考えて最適な明るさを選ぶことが大切です。
走行場所に適した光量(ルーメン)の目安
⚫︎ 街灯の多い市街地や住宅地 ・・・ 100〜200lm程度
⚫︎ 街灯の少ない郊外 ・・・ 400lm以上
⚫︎ 30km以上でのナイトライド ・・・ 600〜800lm以上
⚫︎ 真っ暗な山間部など ・・・ 1,200lm以上
上記の通り400lm以上のライトであれば日常使用には充分と言えますが、長距離を走行する自転車の場合は、明るさの切り替えが可能なライトを選んでおくとより安心です。
日常使いなら充電タイプが便利
自転車用ライトには電池式、バッテリーカートリッジ交換式などいくつか種類がありますが、現在の主流はコスパもいいバッテリー内蔵式のライトです。
基本的にバッテリー容量と本体サイズ(重量)は比例するため、夜間走行が多い人やまめに充電するのが面倒な人は4〜5時間以上の使用が可能なものを、少しでも軽量にしたい場合はバッテリー容量の少ないものを選びましょう。
ちなみに電池タイプはライト自体の価格が比較的安価で、バッテリーが切れてもコンビニなどで手軽に調達可能な点が利点です。
防水性能はIPX4以上がお勧め
自転車用のライトは急な天候変化に備えて、ある程度の防水性が欲しいです。
日常使用であれば全方向からの水飛沫を防げるIPX4以上(下記防水等級を参照)のものを選んでおくと雨天時も安心です。
防水等級 | 保護レベル |
IPX1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない |
IPX2 | 垂直より左右15°以内からの降雨よって有害な影響を受けない |
IPX3 | 垂直より左右60°以内からの降雨よって有害な影響を受けない |
IPX4 | 全方向からの飛沫によっても有害な影響を受けない |
IPX5 | 全方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IPX6 | 全方向からの強い水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IPX7 | 水面下15cm〜1mに30分間没しても浸水しない |
IPX8 | 水面下での使用が可能 |
固定方法や対応可能なハンドル径は必ず確認
自転車への固定方法は専用の取付具を使用するものや、Garminなど汎用性の高いマウントを流用できるものなど様々ですが、特に自宅で充電が必要なバッテリー内蔵式の場合は脱着が容易なものを選ぶと後々も便利です。
またハンドル系の細い子供用の自転車やロードバイクのドロップハンドルなど、ハンドル径や形状によっては取付できない製品もありますので購入時は必ず確認しましょう。
「OLIGHT RNシリーズ」のお勧めポイント
以上を踏まえ、今回おすすめする「OLIGHT(オーライト)RNシリーズ」の特徴を紹介したいと思います。
製造元のOLIGHT(オーライト)社は懐中電灯やミリタリーライトで有名な中国企業ですが、LEDに米国製Cree社製の最高級品を採用するなど品質の高さにも定評があります。
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OLIGHT RNシリーズのお勧めポイント
⚫︎ 豊富なラインナップで最適な商品が選べる
⚫︎ 充分な光量と適切な照射角
⚫︎ GARMINマウントで脱着がかんたん
⚫︎ 防水性能が高くどんな雨の日も安心
⚫︎ USB Type-C対応でモバイルバッテリーとしても使える
⚫︎ 高強度アルミ合金で軽量で剛性の高いボディ
⚫︎ GoPro用ブラケット付属で自転車以外への装着も可能
⚫︎ 25mm-35mmの幅広い径のハンドルに対応
⚫︎ 防眩シェードで対向車にも配慮
豊富なラインナップで最適な商品が選べる
RNシリーズには出力毎に複数のランナップがあり、用途や予算に合わせ最適な商品を選ぶことができます。
RN800以上のモデルに採用されている逆充電機能は、簡易なモバイルバッテリーとしての活用も可能いざという時にも役立ちそうです。
RN400 | RN800 | RN1200 | RN1500 | RN3500 | |
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最大出力(lm) | 400 | 800 | 1200 | 1500 | 3,500 |
電池容量(mAh) | 900 | 4,000 | 4,000 | 5,000 | 5,200 |
最大使用時間 | 7h | 9h | 7h | 12.5h | 75h |
最長照射距離 | 89m | 137m | 146m | 164m | 350m |
充電ケーブル | USB-C | USB-C | USB-C | USB-C | Micro USB |
防水規格 | IPX7 | IPX6 | IPX7 | IPX7 | IPX5 |
重さ(g) | 85 | 172 | 160 | 172 | 110 |
寸法(mm) | 72×31×31 | 107×31×31 | 107×31×31 | 107×31×31 | 60×43.5×41.5 |
照射角度 | 25° | 25° | 25° | 25° | 30°&20° |
防眩機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
逆充電可能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
出力モード | 点灯モード×3 点滅モード×2 | 点灯モード×3 点滅モード×2 | 点灯モード×3 点滅モード×2 | 点灯モード×3 点滅モード×2 | 点灯モード×4 点滅モード×1 |
価格(税込)* | ¥2,995 | ¥4,686 | ¥5,456 | ¥6,226 | ¥15,536 |
*2021年11月27日現在のAmazon価格 |
充分な光量と適切な照射角
最も軽量&コンパクトなRN400でも最大400lmと通常用途なら充分な光量、RN3500に至っては3,500lmというバイクのヘッドライト並みの凄まじい光量です。
モデル毎に3段階(1:2:4)の点灯の明るさ調整と、2段階の点滅で、ローケーションにあった切り替えも可能です。
モード別光量(lm)と使用時間(RN400) | |||||
モード | LOW | MID | HIGH | FLASH1 | FLASH2 |
光量(lm) | 100 | 200 | 400 | 0-200 | 0-200 |
使用時間(h) | 06:30 | 03:10 | 01:40 | 07:00 | 05:30 |
モード別光量(lm)と使用時間(RN800) | |||||
モード | LOW | MID | HIGH | FLASH1 | FLASH2 |
光量(lm) | 200 | 400 | 800 | 0-400 | 0-700 |
使用時間(h) | 08:00 | 04:00 | 02:00 | 09:00 | 07:00 |
モード別光量(lm)と使用時間(RN1200) | |||||
モード | LOW | MID | HIGH | FLASH1 | FLASH2 |
光量(lm) | 300 | 600 | 1200 | 0-600 | 0-900 |
使用時間(h) | 06:30 | 03:00 | 01:30 | 07:00 | 05:00 |
また高照度ライトにありがちな「中心部分だけ明るく外周部分が暗い」なんてこともなく照射角度25°に均一に配光され、安定した非常に見やすい明るさで視野を確保してくれます。
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GARMINマウントで脱着がかんたん
RNシリーズにはサイクルコンピューターなどに広く採用されるGARMIN(ガーミン)型のマウントを採用しており、45°捻るだけで片手で簡単に脱着が可能です。
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マウント自体がハンドルにしっかり固定されていれば、グラつくこともなく当然段差で角度が変わるようなこともありません。
以前記事にしたXOSSのサイコンと付け替えて使用したり、別売りのマウントを準備して「ライト+GoPro」なんて使い方も可能です。

2021.05.14
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防水性能が高くどんな雨の日も安心
RNシリーズは全モデルIPX5(全方向からの直接噴流に対応)以上の防水性能で自転車で走れる環境下であればいかなる状況でも使用が可能です。
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実際にRN400を水に浸けてみましたがもちろん問題ありませんでした。(ただしさすがに水中ライトとしては使用できませんので悪しからず!)
USB Type-C対応でモバイルバッテリーとしても使える
RNシリーズはリチウムイオン充電池を内蔵し、USB Type-C端子での充電が可能です。(ケーブルも付属しています)
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また使用中の電池残量は電源ボタンのインジケーターで確認することができるので、突然バッテリー切れて使えなくなるようなことはなさそうです。
電池残量インジケーターの見方
⚫︎ 緑色に点灯時 ・・・ およそ100%〜20%
⚫︎ 赤色に点灯時 ・・・ およそ20%〜10%
⚫︎ 赤色に点滅時 ・・・ およそ10%未満
また、RN800以上のモデルはモバイルバッテリーとしても活用可能です。RN800の場合、バッテリー容量は4,000mAhですのでiPhone13を1回満充電できる計算です。
いざという時の緊急予備電源としてUSB Type-Cケーブルもサドルバックなどに準備しておくと安心ですね!
高強度アルミ合金で軽量で剛性の高いボディ
RNシリーズはCree社製のLEDモジュールの品質も然り、ボディには高強度アルミニウム合金素材を採用し1mの高さからの落下に耐える耐衝撃性をうたっています。
実際には落としみた訳ではありませんが、手に取った感じからもいかにも剛性の高さを感じます。
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コンパクトなRN400であれば質量も85gと軽量でロードバイクにもピッタリです。(僕もロードバイクで使っています)
GoPro用ブラケット付属で自転車以外への装着も可能
GoPro用のマウントブラケットが付属しているので、ヘルメットなどへの装着も可能です。
ハードな山道を走るマウンテンバイクや夜間のスノースポーツなど活用シーンは限られそうですがGoProユーザーであれば、何かしらで活躍しそう?
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25mm-35mmの幅広い径のハンドルに対応
自転車へのマウントの取り付けは付属するベルトで行います。
付属する4本の長さの違うシリコンベルトと3mmの六角で調整することで直径25mm〜35mm(実寸)のハンドルバーに対応可能。
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シリコンベルトの強度が不明なため締めすぎると切れそうな点は少しマイナスですが、しっかり取り付けてしまえばグラつくことはありません。
防眩シェードで対向車にも配慮
対向車の眩惑対策にレンズ上部に防眩シェードが採用されています。
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商品の口コミではあまり効果がないとのコメントもありますが、実際に照らしてみると照射範囲の下側へ伸びる光線が上側へは広がらずちゃんと対策されていることがわかります。(下の画像を参照)
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ただし、逆さに装着する場合は機能しませんので、レックマウントを使ってサイコンの下に取り付けるような際は注意が必要です。
「OLIGHT RNシリーズ」の残念な点
基本的にはとてもいい商品ですが2つほど残念な点がありましたので紹介します。
⚫︎ ストラップバンドの調整がやや難しい
⚫︎ 点滅パターンがいまいち
ストラップバンドの調整がやや難しい
マウントは付属の六角レンチで締め付けて固定するのですが、シリコンバンドが伸びるので締め具合が分かりにくいです。(緩いと段差でライトの角度が変わるし、締めすぎるとバンドが切れそう・・・)
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またライトの角度は縦方向はマウントの角度で調整可能ですが、横方向への角度変更はできません。何からの理由で横向きに装着したい場合は注意しましょう。
点滅パターンがいまいち
まず自転車は「夜間はライトを点灯」が原則ですが、明るい市街地や充分に視界を確保できる明るさの場合は、点滅させてバッテリーを節約したいこともあると思います。
RNシリーズの点滅パターンは規則的に1秒間に2回点滅するオーソドックスなパターンと、記者会見のフラッシュのように不規則に高速で点滅する2種類のパターン準備されていますが、後者はユーザー側にも対向者にも眩しいだけで正直使い所が分かりません・・・
オーソドックスなパターンのみでいいので点滅速度が変えられると、明るさや状況によって使い分けできてよかったかも。
まとめ
さて、基本的な自転車用ライトの選び方とお勧めの「OLIGHT(オーライト)RNシリーズ」についてまとめてみました。
バイクなどと違い軽車両扱いの自転車にはまだ日中のライトの点灯は義務付けられてはいませんが「自転車の走行も車道が原則」とされている以上、自分の身を守るためにも出来れば常時点灯が望ましいと思います。
自転車用ライトの役割
⚫︎ 夜間走行時の運転者の視覚確保
⚫︎ 歩行者や他車両への存在の知らせる
保安部品として必須装備だからこそしっかりとした製品を選びたい自転車用ライト選びの参考となれば幸いです。もちろんテールライトも忘れずに!
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