旅行やアクティビティなど、なにかと外に出る機会が増える夏。
僕も友人たちと出かけては、その日の思い出を動画に残すことが多いんですが、いつも悩まされるのが音声収録。周りの騒音で声が全く拾えていなかったり、逆にテンションが上がりすぎて、盛大に音割れしてしまったり……
実は以前レビューした『DJI Mic 3』を買ったのも、まさにそんな理由でした。
実際、高性能なノイズキャンセリング機能や32bitフロート録音のおかげで、音まわりの失敗は以前よりかなり減ったと思います。
今回紹介するのは、そんなMic 3の良いところをギュッと凝縮して、購入しやすい価格に落とし込んだワイヤレスマイク『DJI Mic Mini 2S』。

Mic Miniシリーズとして初めて、トランスミッター単体での内部収録に対応した最新モデルです。
というわけでこの記事では、実際の使用感やリアルな音質について、手元にあるDJI Mic MiniやDJI Mic 3とも比較しながらレビューしていきます。
DJI Mic Mini 2S の立ち位置とスペック

まずはMic Mini 2Sがどんな立ち位置のマイクなのか、簡単に整理しておきます。
2026年8月4日に発売されたこのモデル、名前だけ見ると「Mic Mini 2のマイナーチェンジ?」って思いがちなんですが、実態はちょっと違います。
実はこの”S”、Second(セカンド)ではなくて、Storage(ストレージ)の略。
その名の通り、内部収録用のストレージを新たに搭載したのが最大の特徴なんです。

これまで内部収録や32bitフロート録音といえば、プロ向けのMic 3だけの特権でした。それが、あの極小のMic Miniシリーズでも使えるようになった。これって、地味にすごいアップデートですよね。
スペック(Mic Mini 2・Mic 3との比較)
まずは、Mic Mini 2S・Mic Mini 2・Mic 3を3つを並べて、主要スペックを比べてみました。
| Mic Mini 2S | Mic Mini 2 | Mic 3 | |
|---|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() | |
| マイク本体サイズ | 約28.6×28×13.5 mm | 約28.6×28×13.5 mm | 約28.8×28.3×16.4 mm |
| マイク本体重量 | 約12 g | 約11 g | 約12.5 g |
| ノイズキャンセリング | 2段階AI-NC | 2段階ANC | 2段階ANC |
| 内部収録 | 24-bit:28.0時間 32-bit:22.0時間 | 24-bit(S):57.3時間 24-bit(D):28.6時間 32-bit(S):43.0時間 32-bit(D):21.5時間 | |
| タイムコード | |||
| Bluetooth | Bluetooth 6.0 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.4 |
| マイク接続数 | 最大4台 | 最大2台 | 最大4台 (最大8台のレシーバーと同期可能) |
| 最大駆動時間 | マイク本体:11時間 レシーバー:10時間 充電ケース:40時間 | マイク本体:11.5時間 レシーバー:10.5時間 充電ケース:48時間 | マイク本体:8時間 レシーバー:10時間 充電ケース:28時間 |
| 税込価格 (2TX+1RX+充電ケース) | ¥27,720 | ¥14,520 | ¥43,890 |
| Check | Check | Check |
こうして並べてみると、Mini 2Sはまさに「いいとこ取り」。

デュアルファイル内部収録には非対応だし、収録時間もMic 3には及びませんが、それでも32-bitフロート対応で1.5万円以上安いというなら、選ぶ価値は十分にあると思います。
カナちひ4ch収録には、Mic Miniシリーズのトランスミッターが合計4台必要な上、接続はパソコンかホットシュー経由に限られるので、そこは要注意です。
デザインと操作系
こちらがトランスミッター(マイク本体)。指で摘めるほど小さいマイク本体は、白基調の半透明デザインで清潔感があります。

付属のマグネット式フロントカバー(全10色)は、どれも夏らしい爽やかな色合い。
服に合わせて色を変えるのも楽しいんですが、複数人で使うときに「青い方が僕、オレンジが相方」って見分けがつくのがすごく実用的。これ、編集のときにめちゃくちゃ助かるんですよね。

操作系は、正面から見て右側面に電源ボタンとペアリングボタン。LEDライトの色で、接続状態やノイキャンのON/OFFひと目でわかります。
内部収録中は左側面のLEDが赤く点灯するので、「あ、録れてなかった…」というお決まりのミスも防げます。


服への装着は、マグネットかクリップで。磁力がかなり強いので、厚手の服でも難なく装着可能。


屋外収録では必須のモフモフ(ウインドスクリーン)も、しっかり付属していました。

レシーバーは、ディスプレイのないシンプルな作り。ただ今回は4ch対応ということで、ステータスランプもしっかり4つ用意されています。
操作系は、電源ボタン、ペアリングボタン、ゲイン調整ダイヤル。音量は、-12 / -6 / 0 / +6 / +12の5段階に調整可能です。

外部接続は、USB Type-C、3.5mmステレオミニ端子、6ピンの拡張端子の3つ。
スマートフォンやPCに接続する際は、その拡張端子に付属のUSBアダプターを装着する仕様になっています。


充電ケースはMic Miniよりひとまわり大きめ。

モフモフを着けたトランスミッター2台とレシーバー1台、ケーブルや使え用のマグネットまでまとめて収納できます(さらに別売りのモバイルレシーバーも一緒に収納可)。

携帯用ポーチも付属。程よいクッション性と、充電ケースとフロントカバーがまとめて放り込めるサイズ感で、持ち歩き用にぴったりです。

パッケージと付属品は以下のとおり。


- トランスミッター×2台
- レシーバー×1台
- 専用マグネット×2個
- 専用マグネットクリップ×2個
- ウィンドスクリーン×2個
- フロントカバー(白+黒)×2個
- スマートフォンアダプター×1個
- 3.5 mm TRSケーブル
- USB-C to C充電ケーブル
- 充電ケース
- キャリーポーチ
- 専用フロントカバーセット
DJI Mic Mini 2S レビュー

ここからは、実際に外へ持ち出して使ってみたリアルな感想をレビューしていきます。
クリアで聞き取りやすい音声
まずは、肝心の音質から。普段使っている上位モデルのDJI Mic 3と比べても、ほぼ遜色ありません。とにかく声がクリアに、まっすぐ抜けていく印象。
ここは言葉であれこれ説明するより、実際に聴いてもらった方が早いので、実際の収録音声を用意しました。手元にあるMic 3、Mic Miniとの比較も含め、まずはこちらをご覧ください。
いずれも完全に雑音をカットするというより、あくまで声を際立てる方向のノイキャンですが、これ、上位機種のMic 3より自然じゃないですか?
AIノイズキャンセリングという名前の通り、アルゴリズムがしっかり刷新されているんでしょうね。世代が新しい分、より進化している気がします。

Mic Miniも価格や発売時期を考えれば全然悪くないんですが、今選ぶならやっぱりMini 2Sかな、というのが率直な感想です。

シーンを選ばない収録方法
僕の場合、ジンバルとミラーレスカメラで気合を入れて撮る日もあれば、家族旅行で気軽にスマホで撮る日もある。時にはデスクでキーボードの打鍵音を収録したり。
環境に合わせて収録方法を柔軟に変えられる懐の深さも、このマイクの大きな魅力です。

内部収録
とにかく音を録り逃したくない、失敗できない撮影の時に。デバイス側の収録と二重に録っておけば、ダイナミックレンジの広い音を確実に確保できます。単体ですぐに使える手軽さも◎。

レシーバー経由
映像作品としてしっかり作り込みたい時に。劣化の少ない音声を映像とぴったり重ねて収録できるので編集もスムーズ。複数マイクの一括取り込みにも対応しています。カメラに限らず、USB-Cが使えるスマホにも接続可。

Bluetooth接続
レシーバーすら要らない、一番身軽なBluetooth接続。多少の音質劣化はありますが、実際に使っていて遅延はほとんど気にならず、スマホでサッと撮りたい時には重宝します。

OsmoAudio
Osmo Pocket 4PやOsmo Action 6などDJI製カメラと、レシーバーなしで直接繋がる方式。音質劣化なくシームレスに繋がるのは単純に便利だなと思います。
その他、スマホなどで使いやすいコンパクトな「DJI Micシリーズ モバイルレシーバー」や、Sony αシリーズのホットシューに直接接続できる「DJI Micシリーズ カメラアダプター」など、別売りアクセサリーも豊富。
必要に応じて買い足していけば、自分の環境にぴったりの収録環境が整えられそうですよね。
コンパクトで可愛らしい外観
このマイク、とにかく小さくて軽い。トランスミッターは約12gで、ちょうどAirTagくらいの重さです。
マグネットで服につけても襟がダレないし、つけていること自体を忘れてしまうレベル。

面白いのが、本体側にもマグネットが仕込まれていること。単体で金属に貼り付けられるので、こんな風にモニターの下にペタッと固定して、キーボードの打鍵音を収録するなんて使い方もできてしまいます。
このサイズ感と装着の自由度があってこそできる、ちょっとした裏技です。

あと、やっぱりこのマグネット式フロントカバー、いいですね。カメラアクセサリーって無骨なものが多いだけに、このポップな見た目だけで自然とテンションが上がります。

ちなみに、Mini 2のカバーとは互換性がないみたいです。
個人的には、Mini 2用のマットなカラーも使ってみたかったので、そこは少し残念。グロス(光沢)仕上げだと、どうしても指紋や傷が気になるんですよね。
カナちひ付属の着せ替えカバーは全10色。白と黒だけ2個ずつ付いてくるので、統一感を出したい時はどちらかを選ぶ形になります。
\ 内部収録が不要なら「Mini 2」もおすすめ! /
詳細設定は、DJI Mimoアプリから
DJI Mic Mini 2Sの設定変更は原則、DJI Mimoアプリを使います。できることは、ざっとこんな感じ。
- ノイズキャンセリングの強度切り替え(ベーシック/強)
- ボイストーンプリセットの選択(レギュラー/リッチ/ブライト)
- トランスミッターゲインの調整(−12dB〜+12dB)
- オーディオチャンネルの切り替え(モノラル/ステレオ/4チャンネルステレオ)
- セーフティトラックのオンオフ
- 32-bitフロート録音のオンオフ
- トランスミッター自動録画、低電力自動録画、ループ撮影の設定
- クリッピング制御などの適応ゲイン制御
- ローカットのオンオフ
- カメラ電源とレシーバー電源の連動オンオフ
- 内部収録ファイルの確認・パスワード保護
- 振動フィードバックやマイクLEDのオンオフ
※アプリの仕様は2026年8月12日現在
正直、これだけ揃っていれば機能的には十分すぎるくらいです。
項目数だけ見ると複雑そうに感じるかもしれませんが、実際に触ってみるとUIがかなり分かりやすく整理されていて、迷うことはほとんどありませんでした。



設定項目ひとつひとつにちゃんと解説も入っているので、初めて使う人でも直感的に操作できると思います。

DJI Mic Mini 2S 気になった点

もちろん、いいことばかりではありません。使っていて「ここはちょっと」と思った点も率直に書いておきます。
レシーバーの機能は限定的
DJI Mic Mini 2Sはレシーバーもコンパクトで、スマホでも使いやすいサイズ感ですが、さすがに機能は限定的。
Mic 3のように「レシーバーのタッチ画面で大半の設定が完結」という訳にもいかず、例えばノイキャンの強度を変えたいだけでも、バッテリー残量をチラッと見たいだけでも、毎回スマホを取り出してアプリを開く必要があります。
ここは正直ちょっと面倒くさいかも。

アプリ自体が使いやすくできているのが救いですが、レシーバーとアプリをBluetoothで接続するためには一度電源を切る必要があるので、カメラで使っている場合は設定のたびに一度収録を止める羽目になります。
まあ、ノイキャンや内部収録のオンオフ、音量調整くらいはレシーバーでもできるんですが、撮影に集中したい時ほど、この一手間はやっぱり気になるポイントでした。

防塵・防滴仕様ではない
ここは以前から気になっていたんですが、今作も防水機能には非対応です。
RODEの「Wireless Micro」やSONYの「ECM-W3」など競合にはいくつか防塵・防滴を謳うワイヤレスマイクも存在するし、DJI自身も、Osmo Action 6やOsmo 360といったアクション系カメラはしっかり防水性能を備えているので、技術的にできないことはないはず。

もちろん、汗や小雨程度で壊れることはまずないと思いますが、屋外での撮影も想定されるアイテムだけに、もう少し安心感があってもよかった気がします。
フォーマルな場面で使いにくい
ホワイト基調のスケルトン仕様のトランスミッターや、色鮮やかなフロントカバー自体は気に入ってるんですが、とにかく見た目がポップで、カジュアルになりすぎるきらいはあります。
ブラックのカバーに変えれば多少は落ち着きますが、レシーバー側のデザインまでは変えられないので、フォーマルなインタビュー撮影なんかだとちょっと悪目立ちしそう。

普段使いには最高なんですが、TPOに合わせて使い分けるくらいの感覚でいた方がよさそうです。
\ スタジオ品質のコンデンサーマイクもおすすめ! /

FAQ|その他の気になるポイント
本編では書ききれなかった、気になる点をFAQでまとめておきます(2026年8月12日現在)。
- iPhoneでも4チャンネルステレオは使える?
-
現状は非対応のようです。アプリの説明では「4チャンネルステレオはパソコンとホットシューのみサポート」となっていて、スマートフォンは含まれていません。iPhoneで使う場合は、モノラルかステレオ(TX1がL、TX2がR)までの対応になります。
- 3.5mmケーブルでも4ch収録できる?
-
できません。3.5mmのアナログケーブルはL/Rの2ch分しか信号を送れない仕様なので、4ch分を独立して取り出すには、パソコン接続かホットシュー経由の接続が必要。SONYカメラの場合は、別売りのDJI Micシリーズ カメラアダプターで対応可能です。
- 内部収録はカメラの録画開始・停止と連動可能?
-
DJI製カメラとOsmoAudioで直結している場合は可能です。その他の場合は、アプリの「トランスミッター自動録画」をオンにすることで、カメラと連動させたレシーバーの電源に合わせて内部収録することは可能ですが、録画開始・停止との連動はできません。
- 内部収録したデータはどうやって取り出す?
-
トランスミッター本体にはSDカードのような抜き差しできる記録媒体はなく、内蔵ストレージにデータが直接記録される仕組みです。取り出す時は、充電ケースをパソコンやスマホにUSB-C接続することで、最大34MB/sの速度でファイル転送ができます。
※トランスミッター単体購入の場合は、付属の専用ケーブルを使用 - DJI Mic Mini 2とMini 2Sの違いは?
-
(公式スペックによると)一番の違いは、トランスミッター単体での内部収録に対応したことです。32-bitフロート録音もできるようになり、電波が万が一切れても音声が手元に残る安心感が加わりました。あわせて、レシーバーに繋げるトランスミッターも2台から4台に増えて、複数人での収録がしやすくなっています。ノイズキャンセリングもAI処理に刷新され、精度が上がっているのも嬉しいポイントです。
まとめ

今回は『DJI Mic Mini 2S』について、手元にあるDJI Mic MiniとDJI Mic 3との比較も交えながらレビューしてみました。
ぶっちゃけ、Mic 3を持っている人が買い替える理由はほとんどないと思いますが、MiniやMini 2からなら、内部収録と32bitフロート録音だけでも、十分にその価値を見出せるはず。AIノイズキャンセリングに関しては、上位モデルへの下剋上として嬉しい発見もありました。
もちろん、相変わらず防塵・防滴に対応していない点や、細かい設定がアプリ経由に限られる点など、「惜しいな」と思う部分もありますが、それを差し引いても、この価格でここまでできるなら十分満足できる完成度。

所有しているMini 2S・Mic 3・Mic Miniの3台を踏まえて、僕なりにまとめると。
- とにかく身軽に、日常のちょっとした記録も残したい人にはMini 2S。
- プロ機材として長時間の内部収録やタイムコードまで求めるならMic 3。
- 価格を最優先するなら、内部収録なしのMic Miniもまだまだ現役。
友人やパートナーとの旅行の思い出動画や、ちょっとした作品撮りの品質をアップしたい人にはぴったりのワイヤレスマイク。
僕自身もこれから当分このMini 2Sをメインのマイクとして持ち歩くことになりそうです。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。





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