こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
僕にとって一日の大半を過ごすワークチェアは、暮らしの質にも直結する大切なアイテムなんですが、何を重視するかで求める機能も変わってくるし、すべての作業で「これだ!」と思える一脚に出会うのは意外と難しかったりします。
そんな中、今回先行レビューの機会をいただいたのが、このFlexiSpotの新作『C7 Morpher(シーセブン モルファー)』。

FlexiSpotといえば、昇降デスクの印象が強いと思いますが、チェアづくりにも力を入れていて、以前レビューした「C7 Air」など、クオリティの高いモデルも続々と登場しています。
今回のC7 Morpherは、その流れを汲みつつも、新たな進化を遂げたフラッグシップモデル。
FlexiSpot独自の「スライド式腰背サポート」や「前傾チルト機能」、通気性を保ちつつソファのような肌触りのエアリアルメッシュなど、座り心地に徹底的にこだわったエルゴノミクスチェアに仕上がっています。
この記事では、そんなFlexiSpot C7 Morpherの魅力や実際の使用感、気になった点など写真とともに詳しくレビューしていきます。

すでにMakuakeでの先行販売もスタートしているので、少しでもお得に手にいれたい人は今がチャンスですよ!
“変化する”チェア「FlexiSpot C7 Morpher」


FlexiSpot C7 Morpherは、その名の通り”使う人に応じて変化(morph)する”というコンセプトを持つエルゴノミクスチェア。
以前紹介した「C7 Air」や「C2」も、十分な機能性を備えた優れたモデルでしたが、どちらかといえばスマートでミニマルなつくりが印象的でした。
それに対して、このチェアは機能性を徹底的に突き詰めたFlexiSpotのハイエンドモデル。可動域や調整機能、フィット感のすべてが、これまでのシリーズよりもさらに一段階上の完成度として設計されています。


実際の座り心地を端的に表現するなら、まるで「身体の動きを先回りする」かのように、支えて欲しいところを正しくサポートしてくれる感覚。
このあたりの構造については後ほど詳しく紹介するとして、作業時の姿勢保持だけでなく、ちょっとした休憩やリラックスタイムにも自然と寄り添ってくれる安心感は、さすが”医師100名の98%が勧めたいチェア”と評される”だけあります。
スペックと仕様
そんなC7 Morpherのスペックを、ざっくりとまとめてみるとこんな感じ。
C7 Morpher | |
---|---|
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カラーラインナップ | ブラック / グレー |
座面高調整 | 44.5 ~ 53.4 cm (高さ8 cmの調整幅) |
座面奥行調整 | 前後8 cm |
リクライニング角度 | 90 ° ~ 135 ° (スライドバックで最大160 °) |
背もたれ高さ調整 | 5段階(約6 cm) |
ヘッドレスト(3D調整) | 前後7 cm / 角度70 ° / 回転80 ° |
アームレスト(5D調整) | 高さ8 cm / 内側270 ° / 外側360 °回転 |
ランバーサポート | スライド式独立型セパレート (エアクッション構造) |
前傾チルト | 0 ° ~ 10 ° |
フットレスト | 引き出し式 |
耐荷重 | 136kg |
サイズ | 幅70 × 奥行71.5 × 高さ108~141.5cm |
重量 | 約26.6kg |
保証期間 | 5年 |
可動域 | ![]() ![]() |
エルゴノミクスチェアって、見た目だけだとどれも似ているように感じますが、このC7 Morpherは”とにかくよく動く”んです。
デスクチェアの可動域ってそのまま、座ったときのフィット感や姿勢改善につながるので、姿勢をこまめに変えながら作業したい方はこのあたりもよくチェックおくと良いかも。


個人的に「これいいね!」と感じたのが、背もたれと腰部分がスライドする独立構造と、それによる前傾チルト機能。
さすがに座面までは前傾しませんが、猫背気味な人や、”正しい姿勢で座る”ということを意識したいに人には結構重宝される機能だと思います。


座面や背もたれはやや大きめな作りですが、座面の高さやアームレストの幅など体格に合わせた調整幅が広く、小柄な人でも使いやすい設計になっているのも安心ですよね。



幅広い体格や身長をカバーできるのも、デスクチェアにとっては重要なポイントです。


外観とデザイン
機能性はもちろん、”佇まい”の美しさもFlexiSpot C7 Morpherの魅力のひとつ。
樹脂パーツのマットな質感と、アルミ合金の落ち着いた光沢が絶妙に調和していて、無骨になりすぎず、それでいてしっかりとした存在感があります。












多くの可動パーツを備えているわりに、全体のデザインは驚くほどすっきり。
実際にデスクにセットしてみても、雰囲気を壊すことなく、むしろ空間を引き締めてくれるような印象すらあります。


背面も抜かりなくデザインされていて、ランバーサポートまわりの造形や控えめなロゴも結構好み。主張しすぎず、でもちゃんと個性が感じられる良いアクセントだと思います。


座面と背面に張られたメッシュ素材は、やや起毛がかっていて、肌に触れると少ししっとりとした感触。とはいえ、柔らさで沈み込むというような感じはありません。


ちょっと珍しいのが、キャスターまわりに配置されたフットステップ。
最初はいまいち用途のイメージがつかなかったんですが、なるほど、いつのまにか無意識のうちにかかとを預けている自分がいて「なるほどね!」と思わず頷いてしまいました(特に小柄な人にはいいかも!)。




フットレストはメッシュではなく、やわらかな合皮クッションを採用。
夏場はやや暑いかなとも思いますが、肌に張りつくような不快感はないので、これはこれでありだと思います。


ちょっと写真では分かりにくい部分ですが、ネジやパーツの継ぎ目なども目立たないように丁寧に処理されています。
「神は細部に宿る」といいますが、こういう気配りからも設計者のこだわりを感じて思わず嬉しくなりました。



「高級チェアはこうあってほしい」という期待に、ちゃんと応えてくれる完成度!
チェアの組み立てについて
半組み立て状態で届くC7 Morpherは、使い始める前にちょっとした組み立て作業が発生します。




とはいえ、パーツはほぼユニット化されていて工具もすべて同梱されているので、DIYが苦手な人でもそう構える必要はないと思います。
説明書もイラストメインでわかりやすく、手順どおりに進めていけばゆっくりやっても30分程度で組み上がるはず。


ただし、部品のひとつひとつが結構重たいので、腕力に自信がない人は2人以上でやったほうが安心。
僕はひとりで組み立てましたが、以下の工程は正直結構きつかったです。
- 背もたれと座面の接続:どちらも重量があり、支えながらネジを締めるのが大変
- 脚パーツとの連結:シリンダーの位置が見えず、完成間近の本体を差し込むのが困難
逆にいうとそれ以外の作業は何ら問題なく、ひとりでも充分作業できると思います。
具体的な組み立て方法については、FlexiSpotの公式YouTubeチャンネルでわかりやすく解説されているので、こちらをご覧ください。
C7 Morpherの座り心地は?実際に使って感じたこと


ということで、ここからはFlexiSpot C7 Morpherの構造的な部分と実際に使ってみた感想をまとめて紹介します。
ちなみに僕のスペック(体格)は、173cm、68kg のTHE 日本人体型なので、それを前提にご覧ください。
ゆったりとした座面と自然なフィット感
C7 Morpherは、座面や背もたれがやや広めに設計されていて、全体的にやや大きめのサイズ感。


とはいえ、座面の高さは44.5cmまで下げられ、アームレストもかなり内側に寄せられるなど、小柄な女性にもしっかりフィットする設計になっています。
座面の高さ調整




身長別・おすすめの座面高(目安)
身長 | 座面高の目安 |
---|---|
150cm | 約40〜42cm |
160cm | 約42〜45cm |
170cm | 約44〜47cm |
180cm | 約46〜49cm |
座面の前後位置も8cmほどスライド可能で、「座面奥に深く座った状態で、膝裏と座面の間に指2本ほどの余裕を空ける」という理想的な姿勢も取りやすいです。
座面の奥行き調整


座面の調整レバーの位置が座面右手側のすぐ下にあり、体を無理にひねることなく扱えるのも好印象。
以前の C7 Air では、もう少し下の方まで手を伸ばす必要があったんですが、しっかり改善されていますね。


座面のメッシュの張りも強すぎず、どこかウレタンのような柔らかさがあって、通気性とクッション性がうまく両立している感じがしました。


背もたれとランバー機構が優秀
C7 Morpherの腰背まわりは、ただ「倒れる・起きる」だけではなく、さまざまな調整機構が連携することで、“立体的なサポート感”を生み出しています。
背もたれの高さ・角度調整
背もたれは5段階(約6cm)の上下調整に対応。体格に合わせて肩の支点を合わせることで、背中全体がより自然にフィットするよう設計。高身長でも肩にヘッドレストが当たって痛い、なんてことは無さそうです。
背もたれの高さ調整




さらに独自の「スライドバック」機構により、腰を中心に背面全体を約10°前後にスイングさせることが可能。
これは“前傾チルト”としての役割も果たしていて、多少前かがみの姿勢でも腰や背中を支えてくれます。
スライドバック機能




ランバーサポートは柔軟に追従
ランバーサポートは背もたれと連動して高さが変化する仕様。
前後の位置は固定されていますが、内蔵されたエアクッションにより”張り感”を自分好みに調整可能。中の空気を加圧・減圧することで、若干ですが前後位置に変化が生じます。
エアランバーサポート




空気圧が面にある2つのボタンで操作。大きなボタンはポンプのような役割を持っていてプッシュするたびに空気が入り、下にある小さな小ボタンを押すとプスーっと空気が抜けていきます。
構造的に風船のようなものなので、時間が経つと自然に空気が抜けていくのは惜しいところですが、座ったままでもプシュプシュ調整できるので、それほどストレスは感じません。


ダイヤルで反発力の調整も可
さらにランバーサポートには、エアとは別に物理的な“反発力”を調整できるダイヤルも用意されています。
位置の固定はできず、あくまで腰の押し戻し感をコントロールするだけの機能ですが。取り外せないランバーサポートを「しっかり腰を支えて欲しい」「ランバーサポートは苦手」両方に対応させるための割と重要な部分だと思います。
ランバーサポートの反発力調整




ただし、この調整ダイヤルが背もたれの裏側の奥まった位置にあって、座ったままの操作はちょっと大変。
頻繁に使うものではないけど、わずかなスペースに指を差し込んで何度も回さないといけないのは正直ちょっとストレスなので、ここはロックする・しないだけのレバーでもよかった気がします。


リクライニングでくつろぎモードにも
リクライニングは90°〜135°の範囲で、無段階に調整可能。
反発力は4段階に調整でき、最小にすると体重の軽い女性や子どもでもスムーズに倒すことができます。
リクライニング


もちろん好きな角度で固定しておけるロック機構も搭載。作業姿勢と休憩姿勢をレバーで手早く変更できるのも使いやすいポイントです。


背もたれのサイズ感もあって、リクライニング時にも背中全体を包み込むような安心感がありますね。
ちなみに前述のスライドバックを使って、腰から上だけを倒すような”部分的なリクライニング”も可能。
仰け反るような姿勢になるので、頻繁に使うことはないと思いますが、ちょっと伸びをしたときなどに腰をグッと前に出せるのは、結構気持ちいいです。
蒸れにくく、自在に動くヘッドレスト
ヘッドレストのサイズも大きめで、頭をしっかり預けられる安心感があります。
肌に触れる部分にはメッシュが使われているので、長時間の使用でも蒸れにくく、夏場でも快適に使えるのは嬉しいところ。


工具なしで前後・上下・角度を自由に動かせるので、欲しい位置にすぐに動かせるのも便利。
ヘッドレストの可動域






ヘッドレストのないチェアも多いんですが、実は頭をちゃんと預けることができるかどうかで肩や首の疲れ方がまるで変わってくるんですよね(成人男性の頭の重さは4~6kgもありますから!)。
そういう意味で頭の形にしっかり沿う形状のこのヘッドレストは、長時間作業をするほどありがたみを感じられる部分だと思います。



肌触りが良くて、リクライニング時に横を向いても耳が痛くならないのも地味に嬉しい。
あらゆる姿勢にフィットする5Dアームレスト
アームレストは「高さ・前後・左右・回転(2軸)」に対応する5D構造。
見た目こそシンプルですが、調整幅・可動方向ともにとても自由度が高く、欲しい位置にピタリと配置できる優れたアームレストです。
自在に動くアームレスト




高さは1cm刻みで8段階に調整でき、デスクの高さと合わせれば、マウスやキーボードを操作する時の手首への負担軽減にも効果的。




また、左右のアーム間の距離を調整できる回転軸も備えており、肩幅や腕の長さに応じたフィット感が得られるのも◎。


この恩恵を一番感じたのがリクライニング時。アームを内側に寄せ一番手前に下げると、以下のようにまるで背もたれと一体化したような自然な位置に腕を配置できるんです。


肘当て部分にはクッションの入ったレザータッチ素材が使われていて、硬すぎず沈み込みすぎない、ちょうどいい質感になっています。
\ ちなみに僕が使っているデスクはこちら! /


剛性や安定性にも一切の不安なし
長時間座り続ける作業環境において、意外と重要なのがチェアの剛性。重厚感がありすぎると身体の自然な動きを妨げるし、剛性が低いと軋んだり安定感が損なわれるなど集中力を欠く原因にもなります。
その点、C7 Morpherは各可動部が非常にしっかりと作られており、リクライニングを最大まで倒してもガタつきや軋み音は一切なし。
可動する部分ほど造りの甘さが出やすいものですが、そのあたりの不安もまったく感じません。


いわゆるビルドクオリティという部分ですが、こういった見えないところのつくり込みがしっかりしているのは、本当にありがたいですね。
FlexiSpot C7 Morpher の気になったところ


高機能かつ非常に完成度の高いC7 Morpherですが、使っていく中でいくつか気になる点もありました。
どれも構造的な問題ではないのですが、毎日使うことを考えると”やや惜しい”と感じるポイントなので参考にしてください。
メッシュが埃を拾いやすい
C7 Morpherのメッシュは、ふんわりとしたソフトな手触りで座り心地も良いのですが、繊維の柔らかさゆえに埃を拾いやすいのは少し気になるところ。


もちろん、ガムテープやコロコロで掃除すれば簡単に綺麗になるんですが、逆に細かい繊維がくっついてきて、あまりやり過ぎると今度はせっかくの質感が失われそう…


ブラックはどうしてもゴミや埃が目立ちやすいので、気になる方はグレーのモデルを選んだ方が、精神衛生上幸せになれるかも知れません。
座面の前傾には非対応
背もたれの前傾機能(スライドバック機構)は確かにありがたいのですが、座面そのものは前傾チルトに非対応。
アーロンチェアやシルフィーのように「チェア全体を前傾するタイプ」をイメージしていると、期待と異なるかもしれません。


倍以上も価格帯が違う製品を持ってきて同列に比較するのは意地悪…と感じるかも知れませんが、工作や書き物がメインの人だとこの違いは直接作業性に影響するので、きちんと把握しておいて欲しいポイントです。



構造や機構をちゃんと理解して選ぶことで、チェア選びの失敗は大きく軽減できるはずです。
ジャケットハンガーなどのオプションはなし
モノによっては、ジャケットハンガーやバッグを引っ掛けるためのフックなどのオプションが用意されているチェアもありますが、C7 Morpherは非対応。


今後別売オプションとして展開される可能性もゼロではないものの、背面の構造を考えると期待薄だと思います。
必須かと問われえればそうでもない機能ですが、ちょっとした荷物の一時保管には意外と便利だったりするので、「フックくらいは用意してくれてもよかったかな」という気はしますね。
まとめ


チェア選びって、スペックも見た目も似たものが多くて、正直悩みますよね。
そんな中でFlexiSpot C7 Morpherは、機能性・快適性・調整の幅、どれをとっても非常に高いレベルでまとまっている印象を受けました。
多機能チェアにありがちな”扱いにくさ”も感じにくく、直感的に扱える作りになっているのもこのチェアの大きな魅力。



長時間のデスクワークする人ほど、この違いを実感できるはずです。
- 自分の姿勢や体型にしっかりフィットするチェアを探している
- 長時間座る作業が多く、腰や肩の負担をできるだけ減らしたい
- ガジェット感のある機能美と高級感を求めたい
もちろん、価格を度外視して機能を追求すれば、さらに上の選択肢もあるかもしれませんが、「現実的な価格で、自分にしっかり合う椅子がほしい」という人にとって、このC7 Morpherは”選んで後悔しない一脚”だと素直に感じました。
もし今の椅子に不満を感じているなら、一度その感覚を“更新”してみるのも良いかもしれませんね。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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