今年はAppleからVision Proが発売されるなど、AR/VR業界がグッと盛り上がってますね。
こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
現実世界と仮想世界を融合するXR(クロスリアリティ)。ほんの数年前までは「未来の技術」という感じでしたが、最近では街中に突如としてアニメキャラが現れたり、商品を購入する前に部屋に置いた時の様子をスマホを使ってARビューで確認できたりと、最近ではかなり身近になってきた印象があります。
今回レビューする『VITURE Pro XR グラス』も同様の技術を採用した最新スマートグラス。
目の前の空間に大画面の映像コンテンツを投影して楽しむエンタメ的要素はもちろん、外出先でも仮想マルチディスプレイを作り出して作業の生産性を上げるというような新しいワークスタイルも実現可能なプロダクトになっています。
この記事ではそんな「VITURE Pro XR グラス」について、実際に使ってみた僕の感想を中心にメリット・デメリットなど詳しく紹介していきます。
細部まで美しい135インチ相当のXRグラス「VITURE Pro」
VITURE Pro XR グラスの概要
「VITURE Pro」の開発を手がけるのは、2021年に米カリフォルニアで誕生したスタートアップ企業「VITURE Inc.」。
昨年リリースした「VITURE One」が、クラウドファンディングサービス「Makuake」でAR/VR/MR分野の歴代No.1となる売上を記録すると、国内外で大きな評判を呼び、一躍スマートグラス界の雄として広く認知されることとなりました。
「ホンマでっかTV」でGACKTさんが自身の愛用グッズとして紹介したことも話題になりました。
そんな「VITURE One」の一般販売から約半年、早くも大幅にグレードアップした性能を提げて登場したのがこの「VITURE Pro」。
特に最大4000ニトと言う輝度(明るさ)は「市場でもっとも明るいVRグラス」との評判に違わず、屋外での視認性が飛躍的に向上してします。
ProとOneのスペック比較
モデル | VITURE Pro | VITURE One |
---|---|---|
商品画像 | ||
カラー | ジェットブラック / マシュマロホワイト | ジェットブラック/ マットインディゴ |
解像度 | フルHD(1920 x 1080) | |
投影サイズ | 135インチ相当(49ppd) | 120インチ相当(55ppd) |
最大輝度 | 4000 nits | 1800 nits |
コントラスト比 | 100000:1 | 50000:1 |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大60Hz |
視野角 | 46° | 43° |
グラス透過率 | 0.5% – 40% | 3% – 40% |
度数調整範囲 | 0.0 D 〜 ▲5.0 D | |
3Dモード | ||
空間オーディオ | ||
装着検出機能 | ||
価格 | ¥74,880 | ¥62,800 |
Check | Check |
その他にも「10%大きくなった画面サイズ」や「99.5%の遮光率を誇る電子調光フィルム」など、さまざまな部分で改良が加えられ「Pro」の名に相応しいリッチで実用性の高いXRグラスに仕上がっています。
「VITURE Pro」に付属されたUSB-Cケーブル1本で接続できるデバイスの多さも魅力のひとつ。国内で見かけるメーカー品を抜き出しただけでも以下の通りかなりの数です。
Apple
iPhone 15 / iPhone 15 Plus / iPhone 15 Pro / iPhone 15 Pro Max
SAMSUNG
Galaxy S24 / Galaxy S24+ / Galaxy S24 Ultra / Galaxy S23 / Galaxy S23+ / Galaxy S23 Ultra / Galaxy S22 / Galaxy S22+ / Galaxy S22 Ultra / Galaxy S21 / Galaxy S21+ / Galaxy S21FE / Galaxy S21 Ultra / Galaxy S20 / Galaxy S20+ / Galaxy S20 FE / Galaxy S20 Ultra / Galaxy S10 / Galaxy S10e / Galaxy S10+ / Galaxy S9 / Galaxy S9+ / Galaxy 8 / Galaxy S8+ / Galaxy Z Fold 5 / Galaxy Z Fold 4 / Galaxy Z Fold 3 / Galaxy Z Fold 2 / Galaxy Fold / Galaxy A90 5G / Galaxy Fold / Galaxy Note 20 / Galaxy Note 20 Ultra / Note 10 / Note 10+ / Note 9 / Note 8
Pixel 8 Pro / Pixel 8 / Pixel 8a
HUAWEI
Mate Xs 2 / Mate 50 / Mate 50 Pro / Mate 40 / Mate 40 Pro / Mate Xs / Mate 30 / Mate 30 Pro / Mate 30 RS / Mate 20 X / Mate 20 / Mate 20 Pro / Mate 20X / P60 / P60 Pro / P50 / P50 Pro / P50 Pocket / P40 / P40 Pro / P30 / P30 Pro / P20 / P20 Pro / Honor Note 10 / Honor View 20
SONY
Xperia 1 / Xperia 5 / Xperia 1 II / Xperia 5 ll / Xperia PRO / Xperia 1 III / Xperia 5 III / Xperia PRO-I / Xperia 1 IV / Xperia 5 IV / Xperia 1 V
SHARP
Aquos R7 / Aquos R6 / Aquos R5G / Aquos zero5G basic / Leica Leitz Phone 2 / Leica Leitz Phone 1
OPPO
R17 PRO / Reno 10x Zoom / Reno 5G / Find X6 Pro / Find X5 / Find X3 / Find X3 Pro / Find X2 / Find X2 Pro / Find N2
記載のないLightning端子のiPhoneやPS5、Nintendo Switchもこちらのアクセサリーで接続可能。
XR(クロスリアリティ)とは
「ところでXRって何だっけ?」という人のために簡単に解説しておくと、XRは現実世界と仮想世界を融合した知覚技術の総称で、以下の映像技術が含まれます。
参考 注目の「XR」とは?VR、AR、MRとの違い|KDDI
最近のデバイスはVRやARを複合的に表現できるものが多いから「技術をXする」という意味でXRを使うことが多いみたい。
ここに「VITURE Pro」を当てはめると、風景を遮断して映像に没頭できる「VR」、目の前の空間に仮想ディスプレイを再現する「AR」、スマホをレーザーポインターのように操って画面を操作する「MR」と、すべての要素を兼ね備えたXR デバイスであることは間違いありません。
VITURE Proの外観と同梱品
デザインにもこだわった「VITURE Pro」は高級感のある専用ハードケースも付属していて、持ち歩きしやすいのが特徴。
「メガネケースにしては厚みがあるなあ」と思ったら、内側で間仕切りされていて上段にケーブルが収納できるようになっていました。
XRグラスを取り出してみると、見た目はごく普通のサングラスと言った感じ。違いは少しフレームが厚いくらい。
形状が異なるので比較しにくいですが、この日身につけていたサングラスと比べるとこんな感じ。
レンズ自体は二重構造になっていて、よく見ると表からでもインナーレンズの存在は確認できます。
とはいえアウターレンズはグラデーションになっていて、上部のメカ部分までは見えない仕組み。
そこに搭載されているのが、このデバイスの核となる高品質の「ソニー製マイクロ有機ELディスプレイ」で、そこから投影用のインナーレンズに映像を映すことで、あたかも空間に投影されたような視聴体験ができるというワケ。
グラスを操作するためのボタンは、左側のつる(テンプル)に2つ配置。
基本操作は小さい方のモードボタンで機能を選択し、大きい方の調整ボタンで
を調整していく仕様。実際に目で見ずとも操作できるよう、大きさの異なるボタンと画面内に表示されるメッセージでアシストしてくれます。レンズ本体の重さは79.4g(公称77g)。手に持つと多少重さは感じますが、装着感が良いことで使用中はほぼそれを感じさせません。
なお、同梱品は以下の通り。
- VITURE Pro XR グラス 本体
- USB-C端子マグネット式ケーブル
- グラス専用ケース
- ノーズパッド(サイズ別4種、交換パーツ2個付)
- グラス拭き巾
- 取扱説明書
- 保証書
VITURE Pro XR グラス レビュー
ここからは僕の実体験をもとに「VITURE Pro」の特徴と使い勝手をレビューしていきます。
使い方はとてもカンタン
どんなに魅力的なアイテムでも準備に時間がかかったり複数のデバイスを経由する必要があると、どうしても面倒に感じてしまいますよね。
その点、「VITURE Pro」は付属のUSB-Cケーブルをスマホに挿すだけですぐに使える手軽さが魅力。
グラス側はマグネットで装着
もちろんUSB-C端子のないデバイスに繋ぐにはそれに合ったアクセサリーを準備する必要はありますが、例えば「VITURE HDMI XR アダプター」をひとつ持っておけば、PS5やXBOXなどHDMI出力の機器にはだいたい対応可能。(設定も不要)
PlayStation5との接続の様子
iPhone13 Proとの接続の様子
ただMacをマルチディスプレイ化したり、iPhoneをノールックで使えるUIの追加など機能を拡張する場合には専用アプリのインストールが必要になります。このあたりは後ほど解説します。
息を呑むほど美しい映像
「VITURE Pro」を使ってみて一番衝撃を受けたのは、やっぱり映像の美しさ。
有機ELによる片眼フルHD(1920x1080p)で空間に浮かび上がる135インチの映像は、そのスペック以上に高精細で臨場感がありただただ感動しました。
135インチと聞くと視界を覆うような超大画面をイメージしますが、後述する視野角の影響もあり感覚的には映画館の中〜後列でスクリーンを見ている感じ。
正直想像していたほどの迫力はありませんが、画面の上下左右に充分な視界を確保できるので室内であれば視聴しながら歩きまわることも可能です。
実際の映像
屋外でも充分な視認性を確保
外出先で「VITURE Pro」を使う際に便利なのが、レンズの透過レベルを瞬時に調整できる「電子調光フィルム」機能。
周囲の明るさで映像が見えにくい場合、通常は物理的にレンズを覆うシェードを装着して光を遮るところですが、このXR グラスはボタンひとつで最大99.5%もの遮光が可能になっています。
この「電子調光フィルム」と4000nitという高輝度を活かして、屋外でも鮮明な映像を楽しめるのが「VITURE Pro」の最大の特徴ですね。
一応、別売りでレンズシェードも販売されてるけど、今のところまったく必要を感じません。
軽度なら視度調整が可能
もうひとつの視覚系の便利機能が「視度調整ダイヤル」。
レンズフレームの上部に配置された左右のダイヤルをぐるぐる回すだけで、それぞれ0.00D〜5.00Dまでの視度調整が可能(遠視や重度の乱視には対応不可)になっています。
視力と度数の計算は複雑でどれくらいの視力があればOKとは言えないのですが、普段-5.00Dのコンタクトを使っている僕は裸眼でもハッキリ見えて結構感動しました。
「調節範囲には収まらないけど裸眼で使いたい」という人は、以下リンク先から矯正レンズ入り専用フレームを作成することも可能です。レンズ+フレームで大体1万円くらい。
SBS形式の3D映像が楽しめる
「VITURE Pro」はSBS(サイドバイサイド)形式の3D動画の視聴にも対応。
SBS形式の3D動画サンプル
「VITURE One ネックバンド」や 前述の対応デバイスに接続すれば、モードボタンを長押しするだけでYouTubeやNetflixなどから手軽に3Dコンテンツを楽しめます。
個人的に驚いたのが、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxのみ撮影できる「空間ビデオ」にも対応しているのだとか。あれって60万円のVision Pro専用機能じゃなかったんだ…
3D映像を自分で撮影して手軽に楽しめるなんて、技術の進歩は本当にすごい。
アプリ連動でさらに実用性がUP
「VITURE Proで本格的にデスクワークをしたい」という時に必要になるのが、専用アプリの「SpaceWalker」。
このアプリを使うことで最大3画面の仮想ディスプレイの設置が可能となり、普段は顔の向きに合わせて追従する映像が、空間固定(3DoF)に変わります。
レイアウト一覧
この機能を正しく動作させるために以下2点の準備が必要なのですが、作業可能なブラウザがGoogle Chromeに限定される点はご注意を。
iPhoneの場合
iPhoneについてもiOS版「SpaceWalker by VITURE」を使うことで、画面そのままのタテ表示から以下のようなヨコ向きの専用UIに切り替わり、視界を広げつつiPhoneをレーザーポインターのように使って操作することが可能になります。
SpaceWalker のホーム画面
これが本当によく出来ていて、XRグラスを装着したままiPhoneをトラックパッドのように使ってスワイプやタップで画面操作ができるほか、文字を入力する際も勝手にiPhoneのキーボードが立ち上がってくれるし、振動によるフィードバックまで至れり尽くせり。
単体でここまで機能の充実したARグラスは他には無いんじゃないかな。
「SpaceWalker by VITURE」の詳しい操作方法はこちらから。
とにかく手軽でどこでも使える
VRゴーグルのように嵩張らずコンパクトに持ち運べる「VITURE Pro」は、場所に囚われずいつでも最高の視聴体験ができます。
飛行機や新幹線など限られたスペースでも大画面で映画を観れるし、自宅のソファで寝転がって心ゆくまで楽しむのもよし。スマホを手に持つ必要がないので、ウトウトして顔面にスマホを落とすような痛ましい事故も起こり得ないのもいいですね。
スピーカーも内蔵されているのでイヤホンなども不要です。
音質に関してはさすがに音楽鑑賞には物足りないけど、立体音響にも対応していて結構臨場感があります。映画鑑賞やゲームプレイには最適かも。
むしろ感心したのが音漏れの少なさ。何かで覆われている訳でもないのに周囲への音の拡散がしっかり抑えられています。
とはいえ多少なりとも音は漏れるし、まわりの音はそのまま耳に入ってくるので、外で使う場合はノイキャンイヤホンはほぼ必須ですね。
VITURE Pro XR グラス の良かったところ
ここからは僕の主観をメインに「ここが良かった!」と感じたポイントを5つ紹介します。
- 細部まで美しいフルHD映像
- 目にも優しく疲れにくい
- 自然な着け心地でストレスを感じない
- 外でもマルチディスプレイ環境が構築できる
- 拡張デバイスも充実
細部まで美しいフルHD映像
「VITURE Pro」で見るフルHD映像は忖度なしで本当にキレイ。空間に浮かんでいる映像とは思えないほど、細部まで美しく再現されています。
いまどきフルHD画質と聞くと「え、解像度低くない?」と感じる人も多いと思いますが、視野1°あたりの画素密度を表すPPDは49と、非公開ながら34〜35ppdと言われている「Apple Vision Pro」よりも上。
実際目で見た映像もかなり滑らかで高精細です。
主なVRゴーグルとの比較
VITURE Pro | Vision Pro | Quest 3 | PICO 4 | |
解像度 | 1920 x 1080 | 3800 x 3000 | 2064 x 2208 | 2160 x 2160 |
視野角 | 46° FOV | 推定 90° FOV | 110° FOV | 105° FOV |
画素密度 | 49 PPD | 推定 34〜35 PPD | 25 PPD | 20.6 PPD |
またVRグラス市場最高輝度という4000ニト※の明るさも映像美に一役買っていて、屋外でもしっかり視認性を確保してくれるのも嬉しい。※実際に目に届く明るさは1000ニト程度
ひと昔前のVRゴーグルとは完全に別物で、本物のモニターがそこにあるかのようにはっきりと見えます。
目にも優しく疲れにくい
しっかりとピントが合い、充分な明るさで再現された映像は目にも優しく、長時間の視聴でもあまりストレスを感じません。
実際に世界的な認証機関SGSから「A+低眼精疲労認定」を取得していて、「VITURE Pro」の売りのひとつにもなっています。
それでも映画1本見終わるとそれなりに疲れは感じるので、公式の推奨連続使用時間は3〜4時間を最長として適度に休憩は挟みましょう。
自然な着け心地でストレスを感じない
重さを頭頂部で支えるヘッドマウントディスプレイと違い、メガネ型のVRグラスは鼻や耳が痛くなるという話をよく耳にします。
「VITURE Pro」は77gと軽量でそもそも負担が少ない上、顔に当たるパーツの素材や形状もよく研究されていて装着時にストレスを感じることがほぼありません。
特に鼻あては中空のふかふか素材で出来ていて鼻筋が痛くならないし、つるも耳の形に沿って緩やかな曲線を描くことで設置面積を増やし、耳への負担が最小限になるよう設計されています。
本体にサイズ違いのノーズパッドが4つと、高さの違う交換パーツが2つ付属しているので、自分に合うものを選んで交換すればさらにフィット感も上がるはずです。
外でもマルチディスプレイが使える
バッグに押し込んで手軽に持ち出せる「VITURE Pro」は、外出時の外付けモニターとしてもかなり優秀。
空いた時間にサッと取り出して、自宅と同じような環境で仕事ができるというのは何気に凄くないですか?しかも実用レベルで。
僕は出張先や新幹線の車内などで仕事をすることも多いのですが、画面の小さいMacBook Pro(14インチ)での作業はどうしても猫背になるし、目が疲れるんですよね。
ここが解決できるだけでもかなりありがたい。
さらに前述の「SpaceWalker」アプリを使えば、最大3つのディスプレイを並べて使うことも可能。
使用感も実際のモニターを並べた時とほぼ変わらず、参考資料を見ながらの作業するような効率の良い処理ができるようになっています。
並べたモニターは現実と同じように上下左右に首を振って画面を確認するのですが、ここで大事になってくるのが前述のIMUキャリブレーション。
画面が少しでも傾いてると水平を保とうと頭もずっと傾いてしまうし、見たい場所をうまく見れないストレスが凄いから。
面倒でも水平維持だけはしっかりやっておくことをオススメします。
拡張デバイスも充実
単体でもUSB-C端子を搭載した多くのデバイスで使用可能な「VITURE Pro」ですが、別売りのアクセサリーと組み合わせることで、PS5やニンテンドースイッチやLightning端子のiPhoneとも連携できます。
アクセサリー一覧|2024年7月28日現在
どれも魅力的だけど、個人的なおすすめをひとつ紹介するなら「VITURE One ネックバンド」。
首にかけて使う拡張デバイスなんですが、これ自体にAndroid OSが入っていてスマホと接続することなく直接「YouTube」や「Prime Video」から映像コンテンツを再生することができるんです。
さらにPlayStationやXBOXのリモートプレイにも対応してるとか、もはや必須デバイスでは?
スイッチと接続できる「VITURE Pro モバイルドック」も気になる!
それぞれ用途が違うので、必要なものだけ買い足していくと無駄がなくて良さそうですね。
VITURE Pro XR グラス の気になったところ
逆に気になったのは以下の4点。どれもデメリットというほどでは無いけどご参考まで。
- 映像の迫力は正直期待を超えない
- カラー調整は4パターンのみ
- 右側のつるが少し熱を持つ
映像の迫力は正直期待を超えない
目の前に広がる135インチ相当の映像は確かに臨場感があるのですが、壁などの対象物までの距離が近いとそれほどのインパクトは感じないかも。
これには視野角が大きく関係していて、メガネ型の「VITURE Pro」と、「Vision Pro」や「Meta Quest」といったヘッドマウントディスプレイとでは視野角が倍ほども違うので、「映像の迫力」という点においてはどうしても後者には及びません。
そもそもコンセプトが違うので優劣では語れないけど、少なくとも家電量販店などで視聴できるヘッドマウントディスプレイの視界をイメージして買うとガッカリしてしまうかも知れないで、その点はご注意を。
カラー調整は4パターンのみ
かなり細かく調整できる明るさや視度に比べて、カラー調整は4段階 (True Color / Vivid / Warm / Cold)と控えめ。
それぞれ異なる雰囲気を味わえてこれはこれで面白いのですが、もっとも色温度が低いColdでもMacBookのディスプレイよりやや暖色寄りで、緑がかって見えるのは少し気になります。
元の色味
目で見た VITURE Pro の色味
これはおそらくですが映像自体というより、投影するインナーレンズの色を拾っている感じがします。
実際の撮影の様子
まあVRグラスでカラーマネジメントが必要な映像編集をする人はいないと思いますし、MacBookを横に並べて比較してみてようやく気付く程度の違いですが、念の為紹介しておきます。
カラースキーム機能自体がつい最近のファームアップデートで導入されたばかりだから、今後色々と調整が入るかもね。
使用中は右側のつるが少し熱を持つ
使用中に右側のつる(テンプル)が少し熱を持つのもちょっと気になる点。
実際に肌に触れる部分でもなく視聴環境に影響はないのですが、特に輝度を上げると指で熱いと感じるほどの発熱があります。
もちろん故障につながるほどの高熱でもなく、直近のアップデートで消費電力削減による発熱対策もされたばかりなので心配はないと思いますが、さらなる改善にも期待したいところ。
まとめ
いつでもどこでもメガネをかけるだけで大画面の空間映像が楽しめる『VITURE Pro XR グラス』。
これ一台あれば普段の動画視聴も何倍も楽しくなること請け合いの本当に素晴らしいアイテムです。
7万5千円という価格は確かに安くはないですが、エンタメ的な用途だけでなく、Mac用の外部ディスプレイ(しかも3枚分)と考えると、コスパ的にもきっと納得できるはず。
それでも実際に試してみて決めたいという人は、「
今回紹介できなかった「VITURE ネックバンド」や「VITURE Pro モバイルドック」も機会があれば、レビューしてみたいと思います。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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