ここ数年、国内でもすっかり市民権を得てきたARグラス。
その流れを作った立役者のひとつが、VITUREであることは間違いありません。
僕自身、初代の「VITURE Pro XRグラス」から始まり、「Luma」シリーズや「Beast」と、新しいモデルが出るたびに試してきて、気がつけばすっかり当たり前にそこにある存在になっています。
そんなVITUREも今年で5周年。
先日、原宿での記念イベントにご招待いただいたんですが、そこで発表されたのが、本作『VITURE Pro 2 XRグラス』です。

その名の通り、原点回帰とも言える一台で、上位モデルのリッチな機能はあえて削ぎ落とし、基本性能と圧倒的な軽さに全振りしたような明確なコンセプト。
価格的にもグッと手に取りやすくなって、これからVITUREに触れる人への入口に相応しいプロダクトになっています。
「ARグラスって結局どれがいいの?」
「自分に合うモデルがわからない……」
そんな人に向けて、今回は過去モデルとも比較しながら、良かった点も、気になった割り切りポイントも、忖度なしの本音でお伝えしていきます。
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VITURE Pro 2 XRグラス 商品概要

まずは、新作「VITURE Pro 2」の立ち位置を少しだけ。
VITUREの現行モデルは、Pro 2を含めてLuma / Luma Ultra / Beastの4ラインナップ(2026年8月中旬時点)。
ざっくり言うと、Luma Ultraがハイエンドの本格AR体験、Beastが大画面・没入重視のエンタメ特化モデル、標準のLumaがそのバランス型というラインナップの中で、Pro 2は「軽さと価格を重視したエントリーユーザー向け」というのが、僕の率直な感想です。


実際、初代Proが登場したときは、VITUREのメイン機というポジションだったんですが、この5年でラインナップが広がった結果、新たな役割を背負って帰ってきたのが、今作のPro 2なんだと思います。
スペック比較(VITURE Pro 2 / Beast)
その辺りを明確に感じれるのが、そのスペックと仕様。VITURE Beastとも比較できるように並べてみました。
| VITURE Pro 2 | VITURE Beast | |
|---|---|---|
![]() | ![]() | |
| 発売日 | 2026年8月20日 | 2026年5月22日 |
| 画面サイズ | 146インチ相当 (4m先換算) | 174インチ相当 (4m先換算) |
| 視野角(FOV) | 50° | 58° |
| 解像度 | 1920×1080 (FHD) | 1920×1200 (WUXGA) |
| 輝度 | 最大1600ニト | 最大1250ニト |
| 電子調光 | ◯ | |
| IPD(瞳孔間距離) | 57-71mm | 58-70mm 62-74mm (2種類から選択) |
| トラッキング | 0DoF / 3DoF※ | 0DoF / 3DoF (今後6DoFにも対応予定) |
| オーディオ | AAC System | HARMAN AudioEFX (空間オーディオ対応) |
| 視度調整 | ◯ (最大 -5.0 D) | − (専用レンズフレーム同梱) |
| 単体での画面設定 | − | ◯ |
| 重量 | 63g | 88g |
| 価格 | ¥49,880 | ¥82,880 |
| Check | Check |
ここから見えてきたのが、エントリー向けとはいえ単なる廉価版ではないということ。
軽さや価格以外にも例えば、本体単体で視度調整ができたり(しかも調整幅は最大-5.0Dと、Luma Ultraの-4.0Dより向上!)、最大輝度がシリーズ最高値の1600ニトにアップデートされていたりと、底上げされた部分もしっかりあります。
カナちひ条件付きですが、3DoFにも対応可能。低価格モデルだからといって無駄に機能が制限されないのは好印象ですよね(ここら辺の仕様はのちほど紹介します)。

外観とデザイン
そんなVITURE Pro 2を箱から取り出して、まず感じたのはフレームの薄さ。
VITUREのARグラスって、近未来的だけどどこか無骨な印象があったんですよね。それが今作では、グッとスマートな見た目に変わっています。

VITURE Beastと並べてみると、一目瞭然。実際、30%近く軽量化されているので当然といえば当然なんですが、こうして見比べるとその違いがよく分かります。

フレーム上部には視度調整ダイヤルを装備。両目それぞれ最大-5.0Dまで補正できるので、軽度の近眼くらいなら、裸眼でも使えます。

映像を投影するハーフミラーには、スタンダードなバードバスタイプを採用。スクエアタイプと比べると若干、反射しやすい特性もありますが、軽量化にも貢献しているはずです。

今回、電子調光機能はなくなった代わりに、物理的な「レンズフード」が付属していました。
正面からの光を抑える電子調光と違って、側面から下方まで広くカバーできるのは物理カバーならではの強み。日中の明るい部屋や屋外でも、映画館のような没入感を味わいたいときには必携のアイテムです。


Luma UltraやBeastと異なり、眉間部分にカメラはありません。

目とレンズの距離を調整するノーズパッドは3種類付属。うち2つはパッドの位置を3段階で微調整できるので、実質7段階の調整が可能になっています。


レンズの角度も3段階で調整可能。ここはVITUREシリーズ共通の仕様みたいですね。

操作系は、左側のテンプル下部にある2つのボタンだけ。短い方で機能を切り替え、長い方で調整するシンプルな仕組みです。

あと、これまで印字されてきた「HARMAN AudioEFX」のロゴは、なくなっていますね。
コストカットの影響だと思いますが、実際に聴き比べてみても、音質の差をそこまで感じないのは嬉しい誤算でした。

映像ケーブルの接続端子は、Beastと同じUSB-C。
初代ProやLuma Ultraのマグネット端子も手軽でいいけど、ベッドなどに寝転がって使っても外れにくいこちらの方が、個人的には好みだったりします。


ケースカラーはブラック。ファブリック仕上げで、なかなか高級感のある佇まいです。

パッケージと付属品は以下のとおり。


- VITURE Pro 2 XRグラス 本体
- レンズフード
- ノーズパッド(3種)
- USB-C to USB-Cケーブル
- グラスケース
- グラスクロス
- 取扱説明書

VITURE Pro 2 XRグラス レビュー

というわけで、ここからはVITURE Pro 2を使ってみた感想をお届けします。使えば使うほど「普通にいいかも……」と感じられる部分が多く、Beastを差し置いて持ち出すことも多くなりました。
軽やかで、快適な装着感
VITURE Pro 2を語る上で外せないのは、やはり軽さとそれによる装着感の向上。
実際に2時間の映画を観てみたんですが、重さを支える鼻や耳の負担が大きく軽減されたことで集中力も切れず、いつしか装着していることを忘れて楽しんでました。

そしてもうひとつ嬉しかったのが、視度調整が-5.0Dまで強化された点です。僕は普段「PWR -5.00」のコンタクトを使っているので、裸眼でもいつもの視力に近い見え方になります。
もちろん、輪郭まではっきり見えるのはちゃんと視力矯正したインナーレンズの方ですが、その分重さも増えるので、やはり本体だけで視力をカバーできるに越したことはありません。

裸眼で使える軽量ARグラス。実際に使ってみると予想以上に快適で、満足度をグッと引き上げてくれます。
カナちひメガネとコンタクトレンズでは、目からレンズまでの距離(頂点間距離)が違うので、多少見え方に違いはありますが、個人的にはかなり嬉しいアップデートでした。
明るく、屋外でも美しい映像
電子調光には非対応ということで、正直「屋外では使いにくそうだな…」と感じていたのですが、まったくの杞憂でした。
まず、レンズ自体の色がほかのモデルより暗めであること。加えて1600ニトという輝度が想像以上に明るいこと、この2つの仕様のおかげで、日中の明るいテラスでも白飛びすることなく、しっかり発色してくれます。

あと、シンプルに映像自体も本当に綺麗。この辺りはスペックでは語りきれない、5年の歴史で積み上げた「UltraClarity 3.0」という光学の細かい調整の恩恵によるものだと思います。
詳細は公式ブログにアップされていたので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。

ちなみにレンズ単体で見えにくい明るさの場合はレンズフードの出番となりますが、外で視界を完全に塞がれるのはやっぱり怖いので、個人的には最終手段かなと。
ちなみにレンズフード自体の重さは12.8gほどでした。

カナちひただ、この濃いレンズ、「ながら使用」やスマホの画面を見るときには少し勝手が変わってくるので、詳しくは後述します。
組み合わせ次第で3DoFにも対応
カメラもプロセッサも積んでいないVITURE Pro 2ですが、IMU(ジャイロ+加速度センサー)はちゃんと搭載されているので、環境が整えば3DoFにも対応可能。
一番手軽なのは、スマホやMac/Windowsにインストールした「SpaceWalker」アプリを使う方法。iPhoneでは仕様上、別途USB-C XR充電アダプター UltraやPro モバイルドックMiniなどが必要になりますが、Android・Mac・Windowsなら、アプリだけでそのままヘッドトラッキングでの視聴ができます。


もう一つは、VITURE Pro ネックバンドという専用コンパニオンデバイスと組み合わせる方法。

実際に試してみましたが、普通にトラッキング精度も高く、空間映像に最適化されたUIで使いやすい。Pro ネックバンド側にカメラがついているので、ハンドジェスチャーもちゃんと使えます。

ただこうなると、上位モデルとの境界線がほぼなくなってしまうんですよね。
スマホのバッテリーを気にせず、スタンドアローンで使えるゲームチェンジャー的なアイテムなので、価格的優位を活かしてこの機会に一緒に揃えてしまうのもありだと思います。
外出先でもSwitch 2を大画面で遊べる
Pro 2の軽さは、映像視聴だけじゃなくゲーム体験でも活きてきます。
今回、Nintendo Switch 2を接続してプレイしてみたんですが、やっぱり本体の7.9インチディスプレイとは没入感がまったく違います。

Switch 2に接続する場合、USB-C経由のパススルーの仕様上、リフレッシュレートは60Hzに制限されるようですが、それでもスプラトゥーンくらいなら遅延は気にならなかったし、それ以上に大画面でのゲームプレイって、シンプルに楽しいんですよね。ゲームの鮮やかな表現に、ソニー製Micro-OLEDディスプレイの発色の良さも効いてきます。

強いて言うなら、Switch 2の接続に必要な「VITURE Pro モバイルドック」が、ちょっと嵩張るのが難点。ただここは今後発売予定の「VITURE モバイルドック Mini」が解決してくれそうです。
Pro モバイルドックよりバッテリー容量は少し控えめ(13,000mAh→10,000mAh)で、ARグラスを2台同時に繋ぐこともできなくなりますが、その分34%小型化・30%軽量化されているのは嬉しいポイント。アダプター部分を取り外して、スマホ用のUSB-Cハブとして使えるのも便利そう。
新作発表会でみた「モバイルドック Mini」の実機


入手できたら、実際の使用感を追記したいと思います。
VITURE Pro 2 XRグラス 気になった点

気になった点も紹介していきます。前提として僕は普段からVITURE Beastや、Luma Ultraを使っているので、その差分として参考にしてください。
ながら作業には不向きなレンズ色
前述のとおり、電子調光機能を搭載していない代わりに、最初から色の濃いレンズを採用しているVITURE Pro 2。
その分、装着したままだと前方がちょっと見えにくいんですよね。周囲からグラス越しの目線も見えないくらいの濃さなので、スマホの画面を操作する時にも、少し上を向いて見下ろす感じでないと見えにくい。

レンズの明るさを変えられないことで、映像と景色の見やすさがトレードオフになってしまうのは、ちょっと気になるポイントでした。
作業用途では割り切りが必要
3DoFについては前述の通りですが、「スマホに繋いでそのまま画面を投影する」という一番手軽な使い方をする場合は、基本的にトラッキングなし(0DoF)が前提。ARグラス単体でサクッと3DoFに切り替えられるBeastのような手軽さは、Pro 2にはありません。
まして、カメラがないので6DoFには対応のしようもなく、細かい文字を読んだり、外部モニターとしてPCでがっつり作業したいという用途では、正直ちょっと物足りなさを感じることも。

とはいえ、MacやWindowsのSpaceWalkerアプリで、3DoFやマルチディスプレイは使えるので、ここはあくまで「本物のディスプレイのように使うには…」という程度。

ただ基本的にPro 2は、映像視聴やゲームなど、正面を見続けるシーンに強いモデルだと捉えておくと購入後のギャップを感じにくいと思います。
カナちひPC作業にもがっつり活用したいなら、6DoFに対応した「Luma Ultra」が最適解だと思います。

価格の捉え方は人によって分かれそう
49,880円という価格は確かにARグラスとしてはかなり導入しやすい部類には入ります。
ただ、同じ低価格帯で競合しそうなXREAL xbx a01+(43,980円)やRayNeo Air 4 Pro(45,980円)と並べてみると、Pro 2はそれでもまだやや高めの価格設定。

もちろん、条件付きとはいえ3DoFにも対応できて、視度調整機能まで内蔵している、周辺アクセサリーも他ブランドより充実している、いうVITUREならではの優位性は確かにあります。
| VITURE Pro 2 | XREAL xbx a01+ | RayNeo Air 4 Pro | |
|---|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() | |
| 重量 | 63g | 62g | 76g |
| 視野角 | 50° | 50° | 46° |
| 輝度 | 1,600ニト | 1,600ニト | 1,200ニト |
| 視度調整 | ◯ (-5.0D) | − (別売レンズ対応) | − (別売レンズ対応) |
| 3DoF | ◯ (条件あり) | ◯ (条件あり) | − |
| 2D→3Dリアルタイム変換 | ◯ (条件あり) | − | ◯ (条件あり) |
| サウンド監修 | − | − | Bang & Olufsen |
| 価格 | 49,880円 | 43,980円 | 45,980円 |
それでも、この価格帯でガチンコの価格競争を仕掛けるなら、思い切って4万円台前半まで踏み込む、という戦略もあったんじゃないかな、というのが個人的な感想です。
カナちひ度調整やトラッキングの拡張性を見る限り、単なる廉価モデルとは言い切れない仕上がり。あとは、この価格差にどこまで納得できるか次第だと思います。
まとめ

今回、実際にVITURE Pro 2 XRグラスを使ってみて感じたのは、コストカットを優先して作られたモデルではなく、初代VITURE Proの系譜をしっかり受け継いだ一台だということでした。
「Pro 2」というナンバリングで発表されたのも、納得の完成度です。
63gという軽さは、実際に使ってみると数字以上のインパクトがあります。2時間の映画を観ても疲れない、視度調整まで本体でできてしまう。この2つだけでも、日常使いのハードルはかなり下がったと感じました。

一方で、トラッキングやレンズの濃さなど、いくつか割り切りポイントもあります。
ただ、Proネックバンドのようなアクセサリーを足せば、上位モデルに迫る体験まで化けるポテンシャルも持っているので、「まずは本体だけで試して、必要なら拡張する」という段階的な選び方ができるのも、Pro 2ならではの魅力かもしれません。
- ARグラスをこれから初めて試してみたい人
- とにかく軽さと装着感を最優先したい人
- 視力矯正が必要で、本体だけで手軽に済ませたい人
- 映画やゲームなど、正面を見続けるコンテンツをメインで楽しみたい人
VITUREの5周年という節目に、メインストリームのナンバリングモデルとして発売されたPro 2。ARグラスの「手軽さ」という原点に立ち返った、これからARグラスを試す人にこそすすめたい一台です。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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