2022年11月4日に発売を開始した第3世代「Apple TV 4K」、実際どう進化したのか気になっているひとも多いのではないでしょうか。
これまでどちらかと言えば地味な印象だった「Apple TV 4K」ですが、プレスリリースで同時に発表された新型iPad(無印)の「A14 Bionic」を超える最新チップ「A15 Bionic」の搭載で一躍話題になりました。(iPadより賢いSTBってすごい!)
最新プロセッサに加え、メモリやストレージも順当に進化して値下げもされた2022モデル(第3世代)は実際かなりコスパのいい商品になっています!
この記事ではそんな新型「Apple TV 4K」について旧モデルから何が進化したのか、買い替えるメリットがあるのかなどいろいろまとめてみたいと思います。
- Apple TV 4K新旧スペック比較
- 新型Apple TV 4Kの進化点
- 新型2モデルの違いと選び方
- 旧モデルから買い替えるべきか
新型「Apple TV 4K」の5つの進化
- 基本性能(スペック)強化
- サイズとデザインを刷新
- リモコン端子がUSB-Cに
- Wi-Fiモデルを追加
- 価格が安くなった
新旧モデルのスペック比較
まずは2022年モデル(現行)と、2021年モデル(旧型)の仕様について比較表でご覧ください。
世代 | 第3世代(2022) | 第2世代(2021) | |||
---|---|---|---|---|---|
外観 | |||||
発売年月 | 2022年11月 | 2021年5月 | |||
モデル | Wi-Fi + Ethernetモデル | Wi-Fiモデル | 64GBモデル | 32GBモデル | |
リモコン | Siri Remote(第3世代) | Siri Remote(第2世代) | |||
プロセッサ | A15 Bionic | A12 Bionic | |||
メモリ(RAM) | 4GB(非公式) | 3GB(非公式) | |||
ストレージ | 128GB | 64GB | 64GB | 32GB | |
Web接続 | 無線 | Wi‑Fi 6(802.11ax) 2×2 MIMO対応 | Wi‑Fi 6(802.11ax) 2×2 MIMO対応 | ||
有線 | ギガビットEthernet Thread対応 | ー | ギガビットEthernet | ||
サイズ | 31 x 93 x 93mm | 35 x 98 x 98mm | |||
重量 | 214g | 208g | 425g | ||
参考価格 | ¥23,800 | ¥19,800 | ¥25,800 | ¥21,800 |
今回のモデルチェンジで強化されたポイントを赤字で表記していますが、ご覧の通りほぼ全ての項目で順当に進化しています。
特に性能面のプロセッサ、メモリ、ストレージがそれぞれ大幅に強化され、操作性や機能性がさらに向上しています。(むしろオーバースペック気味)
それでは進化したポイントを5つに分類して順番に解説していきます。
基本性能(スペック)強化
以前のモデルでも、他メーカーのSTB機器*と比較してハイスペックだったのですが、2022年モデルでは更に性能が強化されています。
※STB(セットトップボックス):ディスプレイに接続して配信動画コンテンツを表示する機器
特にマシンの頭脳であるプロセッサは最新のiPhone14にも採用されている「A15 Bionic」を搭載しており、旧モデルの「A12 Bionic」と比較してCPUで最大50%、GPUで最大30%高速化されています。
新しいApple TV 4Kの核にあるA15 Bionicは、このデバイスをよりパワフルにし、エネルギー効率を向上させます。CPUパフォーマンスが前世代と比較して最大50パーセント高速になり、さらにすばやい反応、より高速なナビゲーション、一段ときびきびとしたUIアニメーションを実現します。GPUパフォーマンスは、前世代と比較して最大30パーセント高速になり、ゲームプレイがさらにスムーズになります。
apple.com
また、非公式ですがメモリ(RAM)が3GB→4GBに増強され、ストレージも最大64GBから最大128GB(Wi-Fi+Ethernetモデル)に倍増されました。
これらの違いを操作性や動画ストリーミングで体感するのは難しいですが、「Apple Arcade」でゲームをする際には大きな恩恵をもたらすはずです。
いずれもゲームコンテンツの利用を意識した強化ですが、ストレージを気にすることなくより多くのアプリをダウンロードできるようになったのは嬉しいポイントです。
ちなみに「Apple TV 4K」でのゲームプレイにも以下のコントローラーが使えますよ!
サイズとデザインを刷新
2つ並べてみないとわかりにくいですが、旧モデルと比較して本体サイズがひと回り小さくなっています。
また本体天面に刻印されたApple TVのロゴも簡略化されよりミニマルな印象に。
ダウンサイジングに伴い底面に配置されていた冷却ファンが撤廃されていますが、高効率のA15プロセッサの恩恵か今のところ特に排熱が気になることはありません。
据え置きの「Apple TV 4K」にコンパクトさを求める必要はあまりないかも知れませんが、煩雑になりがちなテレビまわりを少しでもスッキリさせる意味で小さいに越したことはないですよね。
リモコン端子がUSB-Cに
「Siri Remote(リモコン)」は見た目・機能性共に旧モデルとの違いはありませんが、充電ポートがLightningからUSB Type-Cに変更されました。
Apple製品においてiPhone以外の充電ポートがType-Cに統一されつつある中で、汎用性を考えると歓迎できる変更点だと思います。
Wi-Fiモデルが追加
今回からLANポートが搭載されていないWi-Fi専用モデルがラインナップされました。
Wi-Fiモデルを選ぶべきか、Wi-Fi+Ethernetモデルを選ぶべきかは後述しますが、通信環境に問題がなく映像コンテンツの視聴がメインという場合は価格が安いWi-Fiモデルという選択肢が増えた点は良いですね。
価格が安くなった
スペックが向上しサイズは小さく正統に進化した「Apple TV 4K」ですが、価格は以前のモデルより最大で6,000円ほど安く設定されています。(有線LANポートが不要であれば)
最新のiPhone14と同じA15チップ採用&昨今の円安の中で、このプライスダウンはAppleらしからぬ(?)嬉しい改善です。
今回のモデルチェンジと価格政策からAppleの本気を感じます。いよいよ真面目にSTB機器市場を取りに来ているのかも?
ちなみに「Apple TV 4K」と他のSTB機器との比較は、以下の記事で紹介していますので興味があればご覧ください。
Wi-FiとEthernetモデルのどちらを選ぶべきか
ここからは新型「Apple TV 4K」のWi-FiモデルとWi-Fi+Ethernetモデルの違いと、どちらを選ぶべきかについてまとめていきます。
Wi-FiモデルとEthernetモデルの違い
詳細は前述のスペック比較をご覧頂きくとして、ザックリ両者の違いをまとめると以下の4点です。
- ギガビットEthernetの対応有無
- ストレージ容量の違い
- 本体重量
- 価格
特に自宅の通信環境によっては、Ethernetでの接続が必須となる場合もありますので注意したいポイントです。
ストレージ容量については「Apple Arcade」のゲーム1本が約1〜3GBと考えると64GBでも充分な気もしますが、複数アカウントで沢山のゲームやアプリで遊びたいひとには128GBを推奨します。
どちらを選ぶべきか
まず意識すべきは、やはりギガビットEthernet(有線LAN)が必要かどうかです。
一般的にWi-Fiルーターは同時接続数に制限があり、接続するデバイスの数が多いほど通信速度が落ちていきますので、以下を参考に選んでみると良いかも知れません。
- インターネット回線速度が遅い
- Wi-Fiルーター設置場所から距離がある
- Wi-Fiルーターが古い / 性能が低い
- Wi-Fiに接続しているデバイスが多く重い通信をしがち
- インターネット回線速度が早い
- Wi-Fiに接続しているデバイスが少ない
- 物理的に有線LANが使えない / 届かない
- 旧モデルからの買い替え(Wi-Fi確認済み)
4K動画ストリーミングに必要な速度(25Mbps)を現環境で捻出できそうでれば「Wi-Fiモデル」、自信がない場合は念の為「Wi-Fi+Ethernetモデル」を選択しておいた方が無難です。
もしどうしても判断がつかない場合は、+4,000円は保険代とだと思って、容量にも余裕のある「Wi-Fi+Ethernetモデル」の選択をおすすめします。備えあれば憂いなし。
裏技的にはApple公式ストアの無料返品期間を利用して試すという手もありますが、返品には諸条件はありますのでよく確認してから行うようにしてください。
旧モデルから買い替えるメリット
最後に、現在2021年モデルを使っているひとが買い替える価値についてですが、個人的にはあまりメリットはないと感じます。
理由としては「基本的にできること自体は変わっていない」から。
あくまで個人の見解ですが、「Apple TV 4K」は2021年モデルで既に完成されている印象なので今後大きなイノベーションがない限り、前モデルからの買い替えるメリットは少ないと思います。
逆に第1世代(2017年発売)を使用しているなら、価格も下がった今新型に買い替えてもいいかも知れませんね。(特にSiri Remoteは第2世代から使い勝手が格段に向上しましたし)
まとめ
さて、今回は「Apple TV 4K」の2022年モデルと2021年モデルの比較を中心にまとめてみました。
- 基本性能が向上した
- 本体サイズが小さくなった
- リモコン端子がUSB-Cになった
- Wi-Fiモデルが追加された
- 価格が下がった
旧型モデルよりスペックが上がって値段の下がった新型モデルは、贔屓目なしにかなりおすすめです!一度手にしたらこの良さは必ずわかって貰えるはず。
VODや音楽配信・ゲームプレイなどマルチに楽しめる「Apple TV 4K」は、他のどのSTBとも違う魅力の詰まった製品です。
もし以前から気になっていたという方は今回の第3世代で「Apple TV 4K」デビューして、快適な映画&ゲームライフを楽しんでください。
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