毎日使うものだからこそ、キーボードはできるだけ手に馴染む使いやすいモノを選びたいところ。
でもひとことにキーボードと言っても種類や価格もさまざまで「なかなかしっくりくるものに出会えない」という人も多いのではないでしょうか。
今回紹介する『Lofree Flow Lite』は、「薄くてコンパクト」「心地よい打鍵感」「値ごろ感」のバランスの良さが特徴で、初めてのロープロファイルキーボードにもぴったりのプロダクト。
僕自身も以前紹介した「Lofree Flow」に出会って以来、コトコトと軽快な打鍵感にすっかりハマってしまったのですが、この商品はそんな「Flow」の魅力はそのままに、なんと半額以下で買えちゃう驚きの新モデルです。
今はクラウドファンディングでしか買えないけど、まもなくAmazonでの取り扱いも始まるみたい!
この記事では、そんな「Lofree Flow Lite」の特徴や使用感について詳しくレビューしていきます。
Lofree Flow Lite の概要
「Lofree Flow Lite」は今夏、米クラウドファンディング「KICKSTARTER」で1.5億円以上もの応援購入を集めた今注目のキーボード。
名称からも分かるとおり、ロープロファイルならではの薄さとタイピングの心地良さで人気を博した「Lofree Flow」の廉価版というポジションのはずですが、実は基本スペックや使い勝手など多くの点で前作を上回る仕様になっていて「いやこれ進化版でしょ!」と思わず唸ってしまうほどの完成度に仕上がっています。
もちろん、筐体の素材変更やサイドライト機能が削られていたりと、ちゃんと(?)ダウングレードされたポイントもあるのですが、それ以上に「2倍に強化された駆動時間」や、「疲れにくいキータッチ」への改良、「キーマップ※対応」など着実な進化を感じます。
※キー変更やマクロを割り当てる機能
それなのに価格は大幅にダウン。「Flow」売れなくなっちゃいそうだけど本当にいいの?
商品スペック
スペックについては「Flow」との比較で紹介します。
モデル | Flow Lite | Flow |
---|---|---|
画像 | ||
カラー | ホワイト / グレー / ピンク | ホワイト / ブラック |
フレームサイズ | 84キー:317 × 138 × 24 mm 100キー:375 × 138 × 24 mm | 84キー:316 x 126 x 25 mm 100キー:373 × 126 × 26 mm |
重量 | 84キー:555g 100キー:665g | 84キー:568g 100キー:738g |
接続方法 | USB-C / Bluetooth 5.4 / 2.4GHz | USB-C / Bluetooth 5.3 |
キー数 | 84 / 100 (ホットスワップ対応) | 84 / 100 (ホットスワップ対応) |
素材 | 本体:ABS キーキャップ:PBT+PC | 本体:アルミニウム キーキャップ:PBT |
使用可能時間 | 84キー:最大80時間 100キー:最大100時間 | 最大80時間 |
バッテリー容量 | 84キー:2,000mAh 100キー:3,000mAh | 2,000mAh |
軸タイプ | リニア | ホワイト:リニア ブラック:タクタイル |
音量調整ダイヤル | ||
傾き調節 | ||
キーマップ対応 | ||
RGBサイドライト | ||
対応OS | Windows / Android / Mac / iOS | Windows / Android / Mac / iOS |
実勢価格 | $69〜 | ¥29,999 |
Check | Check |
機能面以外にもボディデザインが見直され、フレーム素材もアルミからABS樹脂に変更されています。
素材変更による軽量化に加え、バックライトで文字が点灯するようキーキャップも刷新。全体的にカラーが統一されてよりミニマルで洗練された印象になっています。
好みにもよるけど、良い意味で主張が少なくなったのは◎。どんなデスクにも合わせやすいはずです。
外観について、もう少し詳しくみていきましょう。
パッケージと付属品
パッケージは紙の質感を活かした簡素な仕上がり。無駄のないシンプルさはそのまま商品自体のイメージに通じていますね。
同梱品は「Lofree Flow Lite」本体とUSB-C to Aケーブル、2.4GHz無線レシーバー、取扱説明書。
レシーバーは本体裏に装着されています。
デザインと外観
こちらがキーボード本体。フレームが樹脂製になったことで「Flow」のような高級感は失われましたが、マットで優しい質感はむしろ好意的に受け取れます。
目を惹く右上のダイヤルはボリューム調整用。
デザイン的にゴールドカラーが良いアクセントになっているし、コロコロと転がして音量調整ができるのも直感的で使いやすい構造です。
バックライトは2段階に変更が可能。
背面にはゴム製の滑り止めの付いた脚と、2.4GHz無線レシーバーを配置。ラベルにはしっかりと技適マークが印字されているので、Bluetooth接続でも安心して使えます。
脚の部分を引っ張り出すことで傾斜の変更も可能。
本体裏にあるUSBレシーバーを使えば、より安定した2.4GHz無線での接続も可能です。社用PCなどでBluetooth接続が制限されているけど、有線は煩わしいという人向け。
有線で使いたい場合は、付属のUSBケーブル(1.5m)で接続します。
Bluetoothと有線接続の切り替えはこちらのスイッチから。
サイズ的には「Flow」よりボリュームダイヤル分、大きめ。
Lofree Flow Lite の特徴と使用感
というわけで、ここからは実際の使用感も含めた「Lofree Flow Lite」の特徴を紹介していきます。
軽くて疲れにくい打鍵感
まずは何といっても前作で多くにレビュアーから「至高」と評された打鍵感。
手触りの良い高品質なPBTキートップと、新たに改良を加えられたKailh製POMスイッチが相変わらずコトコトと小気味いいタイピング音を奏でてくれます。
キータッチに関しては前作よりやや軽くなった印象。どうやら押下圧が50gf→40gfに変更されたようで、指にかかる負担が軽減され長時間作業でも疲れにくい工夫が加えられています。
もちろん「Lofree Flow」の最大の魅力である「心地よい打鍵感」は健在。軽快(ではないかもしれないけど)なタイピング音をお聞きください。
Flow / Magic Keyboardとの打鍵音比較
押下圧は下がったけど、しっかりフィードバック(反発)してくれるから高速タイピングもしやすいですね。
キーボードの傾斜は2段階で調整可能
キーボードの傾きが変更できるようになったのも「Flow」との違い。
背面のキックスタンドを立てれば約6°の傾斜をつけることができ、より腕に負担がかかりにくい状態でタイピングすることができるようになりました。
安定感もしっかりあるし不意に滑るようなこともありません。
呼吸するように浮かびあがるバックライト
「Lofree Flow Lite」のキーの裏側から湧き上がるような美しいバックライトも印象的です。
点灯パターンは4段階の明るさが調整できる常時点灯と、呼吸するようにやさしく点滅を繰り返す「Ambient」から選択可能。
- バックライト:Fn+F5で照度を下げる / Fn+F6で照度を上げる
- アンビエント:Fn+◁orFn+▷でオン / オフ
キーの隙間から浮かび上がるような幻想的な光がなんともいえず素敵で、つい無意味に点灯させてバッテリーを消耗させてしまいます…
多様な接続方法が選べる
「Lofree Flow Lite」の接続方法は、USB-C(有線) / Bluetooth / 2.4GHz無線の3つから選択可能。
さらにBluetoothに関しては最大で3つのデバイスを登録できるので、プライベート用と仕事用のPCやiPadなどを切り替えて使いたい時にも便利です。
- 接続先の変更:Fn+1or2 or3
キーキャップやキースイッチの交換が可能
メカニカルキーボードとしては当たり前なんですが、「Lofree Flow Lite」もキーキャップやキースイッチを交換して自分好みにカスタムすることも可能です。
デフォルトでは押下圧40gfの「Specter」という前作「Ghost」の改良スイッチが装着されていますが、よりクリッキーな打鍵感が好きな人は「Flow」のキースイッチも使うこともできます。
モデル | Ghost | Phantom | Wizard |
画像 | |||
軸 | 赤軸|リニア (ホワイト標準装備) | 茶軸|タクタイル (ブラック標準装備) | 青軸|クリッキー (オプション) |
打鍵感 | 弱め | 普通 | 強め |
打鍵音 | 静か | やや大きめ | 大きめ |
Check | Check | Check |
キーキャップに関しても公式サイトで複数ラインナップされているので、気分に合わせて交換してみても良いかもいいかも知れませんね。
キーマップ変更に対応
2024年11月4日現在のところWindowsのみに限定されますが、専用ソフト「Lofree Configurator」によるキーマップ変更にも対応。
残念ながらMacユーザーの僕は試せていませんが、以下のキーマッピングに対応しています。
- 入力キーの変更
- コンボキー(同時押し)の設定
- マルチメディア(ディスプレイやマウス)操作
- マクロの実行
- 使用禁止キーの設定
上の画像にも確かに「Mac」の表示があるので、おそらく一般販売が始まる頃にはMac版もリリースされるはずです。
Lofree Flow Lite の気になったところ
逆に個人的に少し気になった部分をまとめておきます。
- JIS配列には非対応
- 意外と重さがある
- 高級感はいまいち
JIS配列には非対応
「Lofree Flow Lite」はUS配列のみで、JIS(日本語)配列には対応していません。
僕自身は以前からUS配列をメインで使っていたのでマイナスには感じないのですが、ずっとJIS配列を使い続けているひとや、かな入力のひとは選びにくいかも。
ただ慣れてしまえばキー配置も合理的で見た目もシンプル、何より今後のキーボード選びの幅が広がるというメリットもあるので、この際に切り替えてみるというのも良いかも知れませんね。
意外と重さがある
「Lite」という名称からどうしても軽量感をイメージしてしまいますが、おそらく「簡易版」という意味で、実際それほど軽いわけではありません。
- Lofree Flow Lite (84Key):555g
- Lofree FlowLite (100Key):665g
- Lofree Flow (84Key):568g
- Lofree Flow (100Key):738g
- Apple Magic Keyboard (US/78Key):239g
- Apple Magic Keyboard (US/109Key):390g
さすがにロープロファイルキーボードを持ち歩くひとは少ないと思いますが、可搬性を考えるなら素直に「Magic Keyboard」のような薄くて軽いパンタグラフ方式のキーボードをおすすめします。
高級感はいまいち
決してチープなわけではないのですが、金属パーツを贅沢に使った「Lofree Flow」と比較すると、どうしても高級感では劣ります。
素材や価格差を考えると当然のことではあるのですが、「どうせ買うなら所有欲も満たしてくれるキーボードが欲しい」というひとは「Lofree Flow」を選んだ方が幸せになれるかも。
個人的にはマットでミニマルな「Flow Lite」の方が好みです。
まとめ
「Lofree Flow」の機能性や心地よい打鍵感はそのままに、より実用的に進化した『Lofree Flow Lite』は価格面も大きく見直され、圧倒的なコスパを持つロープロファイルキーボードに仕上がっています。
今回はホワイトモデルにフォーカスを当てて紹介しましたが、キーボードでは珍しいおしゃれ感満載のグレーやピンクといったカラーバリエーションの豊富さも魅力のひとつ。
作業性だけでなくデスク全体のトーンや雰囲気も大事にしたいというニーズにも応えられるはずです。
まもなくAmazonでも発売されるようですので、気になったひとは是非見逃さずチェックしてみてください。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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