どうも、お休みの日は気ままに撮影三昧のカナちひです。
今回は、僕が普段使っているお気に入りレンズたちの中から、おすすめの中望遠単焦点レンズ「SONY FE 85mm F1.8|SEL85F18」についてレビューしていきたいと思います。
このレンズ1本で何でも撮れる!とまで言いませんが、意外と汎用性があって使える場面も多いので、僕にとっては欠かせないレンズの一つです。
この記事ではレンズ自体の詳しいスペックや特性ではなく、どんなシーンで活躍するレンズなのか得意と不得意について作例多めで解説していきますので、最後までゆる〜く読んで頂ければ幸いです。
\ この記事で紹介するレンズはこれ! /
- 色々使える中望遠レンズが欲しい
- 2本目のレンズで迷っている
- スペックより使った感想を聞きたい
- 作例で活用シーンをイメージしたい
「FE 85mm F1.8」ってどんなレンズ?
ソニー純正の中望遠単焦点の無印レンズですが、手頃な価格とそれに見合わない描写力が魅力のロングランヒットレンズです。
ソニーのミラーレス用レンズは4つのグレードでブランディングされていて、上から「G Master」>「G」=「ZEISS」>「無印」の順にカテゴライズされています。
85mmという画角は、普段使いの中望遠としてはちょうど良い距離です。
APS-Cモードなら128mm相当と、遊んでいる子供やペットを撮影するのにぴったりな画角で、1つは持っておくと便利なレンズです。
名称|型式 | FE85 mm F1.8|SEL85F18 |
---|---|
メーカー | ソニー |
外観 | |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 85mm |
画角 | 29° |
F値(絞り) | F1.8 〜 F22 |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 0.8m |
外形寸法 | W78 x D82 mm |
質量 | 371g |
価格 | ¥56,909 |
詳細 | 商品リンク |
僕が「FE 85mm F1.8」を購入する決め手となったのは、「価格」と「コンパクトさ」、そして汎用性のある「フィルター径」の3点。
この辺りはこのあとで紹介させて頂きます。
「FE 85mm F1.8」シーン別の評価と作例
「FE 85mm F1.8」シーン別評価
それでは僕が実際に「FE 85mm F1.8」で撮影した作例をもとに活用シーン別の評価とその理由を解説していきます。
- ポートレート撮影|
- 風景撮影|
- スポーツ撮影|
- 夜景撮影|
- 動画撮影|
- 物撮り|
ポートレート撮影|
「FE 85mm F1.8」はド定番のポートレートレンズだけあって、やっぱり人物撮影にはめちゃくちゃ使いやすいです。
- 人物を切り取るのに画角がちょうど良い
- 中望遠とF1.8の明るさでよくボケる
- モデルさんとの距離が適切に保てる
- レンズが軽くて街撮りでも楽ちん
個人的に特に良いと感じるのが、被写体との距離感。
プロのモデルさんはともかく子供や一般人の場合、あまり近い距離でレンズを向けるとどうしても表情に固くなってしまうので、圧迫感を与えない距離感が保てるのはとても良いです。
作例|ポートレート
モデルはLun(@Lunchandayon)さん。
85mmは被写体を切り取るのにちょうどいい画角で、明るいF値とも合わさって背景もよくボケます。
ソニー純正レンズだけあってα7Cの瞳AFとの相性もよく、しっかりピントを合わせてくれるので、構図や明るさの調整に集中できる点も◎。
風景撮影|
「FE 85mm F1.8」は画角が狭いため風景全体を俯瞰で撮るのは苦手です。
- 対象物を切り取りやすい
- 描写力が活かせる
- 長時間でも軽くて疲れにくい
- 画角が狭く解放感がない
- 建物など大きな被写体は画面に収まらない
ただ広い画角が不要な路地や、対象物を決めて撮るようなシーンでは階調も豊かでいい絵を吐き出してくれます。
作例|風景写真
日中のお昼間に神楽坂で撮影した街撮りの作例です。
画角的にギュッと切り取った感じになるので、開放感や大きな被写体の全体を捉えたい場合は少し厳しいです。
逆に被写体を決めてフォーカスするようなシーンには使いやすいレンズです。
夜景撮影|
日中の風景同様、広い範囲は撮れませんが圧縮効果やボケ感、暗所描写なども優れているので夜景撮影には比較的向いているレンズだと思います。
- 明るいレンズで手ブレしにくい
- ISO感度を抑えることができる
- 三脚を使う場合でも軽い
- 画角が狭くビルなどが収まらない
作例|夜景
夜景撮影では光量を補い手ブレを抑える「FE 85mm F1.8」のような明るいレンズが適しています。
レンズ内手ぶれ補正はないので、手持ちで撮影する場合はシャッタースピードが下がり過ぎないように注意しましょう。
どうしても単調な画角になってしまうのは難点なので、別の焦点距離のレンズと組み合わせて使いたいですね。
\ 作例はこのソフトフィルターを使ってるよ! /
スポーツ撮影|
スポーツ撮影の場合に重要なのが、動く対象をブレずに撮るシャッタースピード。「FE 85mm F1.8」はF1.8からと明るく、AFも早いのでしっかり対象を追いながら撮影できます。(中望遠のため運動会などには少し距離が足りませんが、屋内競技であれば対応可能)
シャッターチャンスに備えて長時間カメラを構え続ける必要があるので、レンズの軽さはとても有利に働く一方、単焦点レンズのため、応援席から対象との距離を調整できない点は注意が必要です。
- シャッタースピードを上げられる
- 軽くて長時間でも疲れにくい
- AFが早くて正確
- 望遠としては少し距離が足りない
作例|スポーツ写真
バレーボール大会のワンシーンです。(娘以外は顔にぼかしを入れています)
球技は特にボールの移動先を予測してピントを置くある意味博打要素もあるのですが、「FE 85mm F1.8」はAFが早いので対象者を絞っておけば比較的ピントを外さず取れる確率が高いです。(構図はあとでクロップすればOK)
またシャッタースピードを稼ぐ意味で「FE 85mm F1.8」の明るさは助かります。
\ 僕も使ってるおすすめの三脚はこちら /
動画撮影|
軽くてAFも静かな「FE 85mm F1.8」は動画撮影にも充分使えるのですが、一般的に望遠になる程に手ブレの影響が大きくなるため活用シーンを選びます。
三脚を使う場合や、短いシーンを繋ぐような動画であれば問題ありませんが、旅先で歩きながら長回しするような場合は、かなり気を使う必要があります。(ジンバルを使っても結構厳しいかも)
- AFが静かで動画向き
- 軽いので三脚に乗せたまま動きやすい
- 軽くてジンバルの負担が少ない
- 画角が狭くシーンを選ぶ
- 手ブレしないように撮るのは難しい
作例|動画
作例は夜の丸の内を手持ちで撮影しています。
ジンバルを使って歩きながら撮影したシーンもあったのですが、映像酔いしそうだったので作例では短いクリップだけを編集しました。(1分弱の短い映像です)
手ブレはジンバルで多少軽減できても、画角の狭さに起因する映像のフラつきはどうしようもありません。
\ 僕の使っているジンバルはこれ! /
物撮り|
物撮りには、被写体にある程度寄れる焦点距離やマクロ性能が欲しいところです。
その点では「FE 85mm F1.8」の最短焦点距離は 80cmと手を目一杯伸ばして指先にぎりぎりピントが合うかどうか。
もちろん吐き出す絵自体には何ら不満はないのですが、あえてこのレンズを使って距離を置いて撮る必要性は感じないので、評価としては低め。
作例|物撮り
作例は神楽坂のお花のカフェ「flowership kagurazaka(@flowership_official)」さんの店頭をお借りして撮影しています。
※物撮り写真自体の品質を見てもらうため、席の後ろ側から離れて撮影しています。
PR|店舗情報
「 #flowership kagurazaka 」
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3丁目3−33 Rosy神楽坂 101 芸者新道
TEL:03-6280-8718
HP:https://flowership.jp
Instagram:@flowership_official
「FE 85mm F1.8」買って良かったポイント
このレンズを約2年ほど実際に使ってきて改めて買って良かったと思うポイントをいくつか紹介してみます。
「明るい」「よくボケる」「AFが早い」等は、これまでの部分で触れてきたので割愛しています。
- 軽いので手軽に持ち出せる
- フィルター共有しやすい67mm口径
- AF / MFの切り替えスイッチが便利
- 純正なのに価格が安い
軽いので手軽に持ち出せる
僕は普段からカメラを持ち歩きたいタイプなので、レンズや機材は出来るだけ軽いものを選ぶようにしています。
「FE 85mm F1.8」はこれ1本で何でも撮れるというレンズではないので、カメラ&標準レンズにプラス1で持ち出すことを考えると370gの重さは「これも一応持っていくか」と思わせてくれるサイズ感です。
α7Cとの組み合わせなら合計900gを切るので、長時間撮影でも腕が疲れにくい点もいいですよね。
フィルターを共有しやすい67mm口径
レンズの数が増えてくると悩ましいのがレンズフィルター問題。
PLフィルターや減光フィルター、ソフトフィルターなどは何かと便利なのですが、レンズのフィルター径が違うと装着できず、追加購入したり、ステップアップリングを挟むなどの工夫が必要です。
その点「FE 85mm F1.8」のフィルター径67mmはフルサイズのソニーEマウントレンズでは比較的多いサイズで、サードパーティ製のレンズでも多く採用されているのでレンズフィルターを共有しやすいメリットがあります。
実際僕の所有しているレンズでも「SONY FE 20mm F8」「タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」は同じフィルター径で使い回しが効きコスト的にも助かっています。
AF / MFの切り替えスイッチが便利
無印のソニー純正レンズにはスイッチやボタンのないシンプルな鏡胴のレンズもありますが、「FE 85mm F1.8」にはカスタム可能なフォーカスホールドボタンとAF / MF切り替えスイッチが装備されています。
AFが優秀なこのレンズに関してはあまりMFでピントを追い込む機会は多くはないのですが、風景写真などピントを任意の場所に置きたい場合などにカチッと簡単に切り替えできる物理スイッチがあるのは助かります。
フォーカスホールドボタンは任意で別の機能も振れますが、置きピンに便利なので僕はそのまま使っていますよ。
純正なのに価格が安い
無印レンズとはいえ、ソニー純正でこれだけ使えて実勢5万円台の価格はかなりのコスパ。ロングランヒットの理由も頷けます。
サードパーティ製含め評価のいいEマウント|フルサイズ|85mmレンズで比較してみましたので参考にしてください。
製品名 | FE85 mm F1.8 | atx-m 85mm F1.8 FE | MF 85mm F1.4 MK2 |
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商品画像 | |||
メーカー | ソニー | トキナー | サムヤン |
レンズマウント | ソニー Eマウント | ||
センサーサイズ | 35mmフルサイズ | ||
焦点距離 | 85mm | ||
レンズタイプ | 単焦点 | ||
フォーカス | AF / MF | AF / MF | MFのみ |
画角 | 29° | 28.5° | 28.3° |
解放F値 | F1.8 | F1.8 | F1.4 |
フィルター径 | 67mm | 72mm | 72mm |
最短撮影距離 | 0.8m | 0.8m | 1.1m |
外形寸法 | 78 x 82 mm | 80 x 93 mm | 75 x 78 mm |
質量 | 371g | 645g | 548g |
価格 | ¥56,909 | ¥42,800 | ¥39,800 |
詳細 | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
「FE 85mm F1.8」残念だったポイント
逆にこの2年間使ってみて感じた「FE 85mm F1.8」の残念な点を紹介します。
- あと一歩が寄れない
- 見た目はそれなり
- フードが邪魔でMFが使えない
あと一歩が寄れない
「FE 85mm F1.8」の最短焦点距離は0.8m、レンズ先端から約70cm先がピントの合う最短の距離です。
この距離は成人男性がカメラを構えて目一杯手を伸ばした指先よりおよそ10cm先の位置であり、カフェなどで料理写真を撮ろうと思うと席から一旦立ち上がって撮影することになります。
またその分、被写体との距離ができるので背景がボケ切らずややうるさい写真になりがちです。
先ほどのシーン別評価でも触れた通り、あくまで中望遠レンズなのでこの点は仕方ないとは思いつつ、「あともう1歩が寄れない」という点は残念ポイントです。
見た目はそれなり
これもブランディング的に当然といえば当然ですが、上のグレード(写真はGレンズ)と比較すると表面加工やピントリングの材質、文字のプリントに至るまで、それなりの作りです。
目には見えませんが、ピントリングもプラスチック製でタッチも軽く、高級感を求めると少しガッカリするかも知れません。(価格なり)
フードが邪魔でMFが使えない
「FE 85mm F1.8」のコンパクトで短い鏡胴が影響して、レンズフードを収納した状態でピントリングは操作できません。
邪魔であれば外せばいいだけなのですが、「FE 85mm F1.8」は逆光耐性があまり強くない(フレアやゴーストが出やすい)ので、屋外のでの撮影にはレンズフードはほぼ必須となります。
結局撮影する時は常にレンズフードを使うしかなく、せっかくのコンパクトさが犠牲になるという点は少し残念です。
まとめ
さて、この記事ではいろいろ使えるSONY純正の中望遠レンズ「FE 85mm F1.8|SEL85F18」について、活用シーン別に僕なりの評価を中心にまとめてみました。
普段使いのレンズとしては、標準レンズほど汎用性もなく運動会で使うには焦点距離が短いちょっとニッチな印象があるかも知れませんが、意外と色々使える点はお分かり頂けたのではないでしょうか。
品質面でもコスト面でもかなりおすすめのレンズなので、もしまだ中望遠レンズをお持ちでなければぜひ検討してみてくださいね!
それでは!
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