僕は昔から断然カメラには単焦点レンズ派なんですが、最近面倒臭がりに拍車がかかってきて普段からレンズを複数持ち出すのが億劫になってきたので、広角〜中望遠まで使えるズームレンズを購入してみました。
それが今回紹介する「TAMRON(タムロン)28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」。
巷の評判も上々で一部からは神レンズとも言われる標準ズームレンズですが、なるほど確かに解放側からちゃんと使える解像感でAFも早くて正確、F値も2.8通しと明るくかなりの優等生。
TAMRONのレンズは初めてでしたが、質感もよく色合いもSONYに近いイメージで違和感はありませんね。
この記事ではこのレンズの特徴と作例を交え、僕なりの感想と評価を中心にレビューしていきたいと思います。
- 性能が良ければ純正レンズに拘らない
- スペックより使用者の感想が聞きたい
- 普段使い出来るコンパクトなレンズが好き
- レンズ選びで失敗したくない
- 動画撮影にも興味がある
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」スペック
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」は、2018年5月に発売された「28-75mm F/2.8 Di III RXD |Model A036」の後継レンズとして2021年10月に発売された、「標準大三元レンズ」に相当する広角〜中望遠ズームレンズです。
この分野は各メーカー共に力を入れているので、全体的に質の高いレンズが多いのが特徴です。
前作でも評判の高かったAFや描写性能を更にレベルアップさせ、プロアマ問わず高い評価を得ている「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」のスペック(競合品比較)は以下の通り。
商品名 | 28-75mm f2.8 G2 | 28-75mm f2.8 RXD | 28-70mm F2.8 DG DN |
---|---|---|---|
外観 | |||
メーカー | TAMRON | TAMRON | SIGMA |
発売日 | 2021年10月28日 | 2018年5月24日 | 2021年3月12日 |
フォーカス | AF/MF | AF/MF | AF/MF |
AF駆動 | リニア | ステッピング | ステッピング |
レンズ構成 | 15群17枚 | 12群15枚 | 12群16枚 |
焦点距離 | 28 – 75 mm | 28 – 75 mm | 28 – 70 mm |
最大撮影倍率 | 1 : 2.7 | 1 : 2.9 | 1 : 3.3 |
最短撮影距離 | 0.18m | 0.19m | 0.19m |
絞り|F値 | F2.8 | F2.8 | F2.8 |
絞り羽枚数 | 9枚 | 9枚 | 9枚 |
フィルター径 | 67mm | 67mm | 67mm |
カスタムボタン | ◯ | – | – |
AF/MF切替スイッチ | – | – | ◯ |
サイズ | 76 x118 mm | 73 x 118 mm | 72 x104 mm |
重量 | 540g | 550g | 470g |
実勢価格 | ¥99,800 | ¥98,000 | ¥90,800 |
商品情報 | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
ご覧の通り前作「RXD」からほぼ全ての面で強化されているのが分かります。
比較されることの多い「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN」に対しても、AFの速さや静音性で勝るリニアモーターの採用や、最短焦点距離などでが優位なので動画性能で差がつきそう。(サイズ的はSIGMAが優位)
シグマも良いレンズでお勧めですが、フォーカス/ピントリングの回転方向がソニーやニコンとは逆向きになる点は留意が必要ですね。
カスタマイズやアップデートは専用アプリから
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」は以下のアプリを使うことで、フォーカスセットボタンのカスタマイズやファームウェアのアップデートが可能です。(Windows/Mac/Android OSに対応)
- フォーカスリングの回転方向
- フォーカスセットボタンの機能変更
- ファームウェアのアップデート
基本的にはリンク先の説明の通りアプリをインストールすればOKなのですが、Macの場合はインストーラー内の「TAMRON Lens Utility.app」も忘れずにインストールしましょう。
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」おすすめポイント
それでは実際に「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」を使ってみて感じた僕のお気に入りのポイントを紹介していきます。
- 高い描写力と解像感
- レンズ先5cmの最低焦点距離
- 純正並みに優秀なAF
- カスタムボタンが便利
- 軽くて持ち出しやすい
- 汎用性の高い67mmのレンズ径
高い描写力と解像感
なんと言ってもカメラレンズにとって一番大事なのはやっぱり描写力と解像感。「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」ズームレンズながら高精細でクリアな描写力が魅力です。
一般的にワイド端(開放側)は周辺の解像度が落ちるものですが、「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」は四隅までキチンと描写してくれるので、気兼ねなく開放から常用できます。
高解像度機では分かりませんが、少なくとも僕のα7c(2420万画素)では「周辺甘いな〜」と感じることはありません!
描写にクセも感じないし、逆光耐性も強い(ゴーストやフレアを抑えてくれる)ので、あれこれ考えずに見たものをそのまま撮れるといった写真の楽しさを感じられるレンズだと思います。
レンズ先5cmの最低焦点距離
最短焦点距離18cmはかなり被写体に寄れるので、花や昆虫などの細かいディテールを捉えるのも得意です。
被写体に寄れる分背景も大きくボケるので、一眼レフカメラらしい美しい写真撮影も楽しめます。
席に座ったまま目の前の机上で物撮りできるのもかなり便利で、ズボラな僕にぴったり。
純正並みに優秀なAF
リニアモーターを採用した「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」のAFは、正確で高速。手持ちのソニーの純正レンズ比較しても遜色ないレベルです。(GMレンズとかだと違うかも知れないけど)
高速なAFは子供や動物など動く被写体を追いやすいし、夜景など明るさに制限があるシチュエーションでもほぼ正確にフォーカスを合わせてくれるのはかなり心強い。
AFの駆動音もかなり静かだし、ピントの位置で画角が変わるフォーカスブリージングがほぼないので動画撮影にも向いています。
カスタムボタンが便利
レンズに搭載されたフォーカスセットボタンは専用ソフトウェア「TAMRON Lens Utility」で、さまざまなカスタマイズが可能です。
\ もちろんMacにも対応してます /
僕はAF/MFの切り替えに充てていますが、動画メインなら設定した2点間でフォーカスを移動させる「A-Bフォーカス」も、かなり便利で使えそう。
軽くて持ち出しやすい
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」の重さは500mlのペットボトルとほぼ同程度なので携帯性が高く、特に荷物が増えがちな旅行先では重宝しそうです。
小さい分カメラバッグの収納スペースを節約できるし、「Zhiyun Crane M3」のような小型のジンバルにも乗るので動画でも使いやすいですよね。
汎用性の高い67mmのレンズ径
個人的に地味に嬉しかったのが、SONY純正製レンズにも多い67mmのレンズ径。
広角レンズとして人気の「FE 20mm F1.8 G」や、定番ポートレートレンズ「FE 85mm F1.8」ともレンズフィルターを共有できるので、面倒なステップアップリングも不要です。
NDフィルターやカラーフィルターも結構高いので、できるだけレンズ径を揃えて節約したいところです・・・
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」残念なポイント
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」の購入以来、カメラとセットで必ず持ち歩くほど気に入っているのですが、いくつかは思うところもありますので紹介しておきます。
- あと一歩が足りないカバー域
- USB端子に保護カバーがない
- 「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN」よりちょっと重い
あと一歩が足りないカバー域
28〜75mmは確かに標準域では汎用性が高いのですが、これ1本と考えると正直あと一歩が物足りない焦点域です。
僕の感覚的には28mmは広角には少し狭く、中望遠75mmはポートレートでは少し近い。
もしこの品質のまま24〜85mmまでカバーできれば、ド定番の24mm / 50mm / 85mmの単焦点レンズ域を完全にカバーできるのでかなりのニーズが拾えると思うのですが・・・わがままでしょうか。
USB端子に保護カバーがない
先ほどの「TAMRON Lens Utility」設定用にレンズ側面に装備された剥き出しのUSB Tupe-Cポートはちょっと気になります。
一応、防塵防水対応はされているようですが、あくまで内部に侵入させないための対策なのでポート自体には少しずつ埃が溜まります。
カメラ装着時は左側面に配置され、よく触れる場所なのでゴム製の端子カバーを着けてもすぐ取れちゃうんですよね・・・
普段から使う端子ではないのでしっかり収納できる仕様にして欲しかったです。
「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN」よりちょっと重い
ほぼ同スペックの「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN」と比較すると、僅かに大きく重い点も少しだけ残念。
実際に店頭でも比較したのですが、「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」は若干トップヘビー(重心が前にある)なこともあり、実差の70g以上に重さの違いを感じます。
まあ僅かな違いではあるのですが、携帯性や機動性を考えると小さいに越したことはないので、もし後継レンズが出るのであれば頑張って欲しい所です。
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」作例紹介
「TAMRON 28-75mm f2.8 G2」を持って目黒区自由が丘を散歩撮りして来たので、いくつか作例を紹介します。
あいにくの曇り空で多少の明るさは補正していますが、大きくはレタッチはしていません。できるだけ焦点距離とF値を変え撮影してみたのでご参考まで!
まとめ
広角から中望遠までしっかり使えて写真が楽しくなるレンズ「TAMRON(タムロン)28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063)」についてまとめてみました。
- 高い描写力と解像感
- レンズ先5cmの最低焦点距離
- 純正並みに優秀なAF
- カスタムボタンが便利
- 軽くて持ち出しやすい
- 汎用性の高い67mmのレンズ径
- あと一歩が足りないカバー域
- USB端子に保護カバーがない
- ライバルレンズよりちょっと重い
超広角や望遠こそカバーできませんが、標準域中心ならこれ1本に絞ってもいいくらい満足度の高い良レンズだと思います。
需要の高い焦点域をカバーしているので、最初の1本としてもかなりお勧めできるレンズです!
タムロン公式サイトにもたくさんの作例がありますので気になったら是非チェックしてみてください。
それでは!
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