『SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブル』レビュー|高品質&高コスパで煩雑なUSBケーブル問題を解決しよう

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Macを買ったら1本は持っておきたいのが Thunderbolt 4 ケーブル。USB Type-Cを採用したデバイスならその種類に関わらずMacでの最高のスペックを引き出してくれます

最大2mの長さ制限や、太めのケーブル径を許容できれば、もう複雑怪奇なUSB規格を気にする必要はなく、ケーブルも整理できるのでとても便利なのですが、ネックはその価格。Apple純正の Thunderbolt 4 Proケーブルは1mで9,980円、1.8mで18,800円とかなり高額です。

今回紹介する『SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブル』は、SB-IF認証取得&編組デザインの高品質ながら、価格はApple製の約半額に抑えられたコスパの高い製品ですが、まだ発売から日が浅く性能面が気になるという人もいると思いますので、実機を使った検証も含め色々と紹介してみたいと思います。

  • 最大40Gbpsの高速データ転送に対応
  • PCIe対応で32Gbpsの高速転送が可能
  • 8K/60Hzの映像出力が可能
  • 最大240Wの給電出力に対応
  • 高品質な編組ケーブルを採用

この記事はメーカーさんから商品提供を受けて執筆していますが、記載内容については一切の誇張や忖度なく僕自身が実際に使ってみた感想と見解を正直にまとめています。

目次

Thunderbolt 4 ケーブルの規格について

商品レビューの前に「Thunderbolt(サンダーボルト)」という規格について簡単に解説します。

Thunderbolt™は、USBの高速通信規格のひとつで、それ単体で電源・データ・映像信号の提供を可能にするインテル開発の接続規格です。

その最新規格(2023年12月現在)である Thunderbolt 4 は現行のMacのUSBポートにも採用されていて、以下の高速通信性能に加え、多くのUSB規格とも互換性があるのも特徴。

Thunderbolt 4 の特徴
  • 最大40Gbpsの高速データ転送
  • 最大2台の4K or 1台の8Kディスプレイへの映像出力
  • USB4およびThunderbolt3への完全互換
  • 同時に5台のデバイスに対応可能なデイジーチェーン接続
  • 最大100Wの電力供給

後方互換に関しては以下のUSB規格・バージョンに対応しています。

規格・バージョン転送速度
USB 2.0480Mbps
USB 3.05Gbps
USB 3.1 Gen 15Gbps
USB 3.2 Gen 15Gbps
USB 3.1 Gen 210Gbps
USB 3.2 Gen 210Gbps
Thunderbolt 340Gbps
カナちひ

この後方互換性のおかげで、デバイス毎にケーブルを交換することなく、原則すべてのUSBデバイスを最大パフォーマンスで使用することができます。

マイナス面としては最長2mの長さ制限や、ケーブル自体が太くなってしまう、価格が高いというデメリットもありますが、開発と普及が進むにつれて徐々に改善されつつあります。

SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブル の特徴と魅力

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そんなThunderbolt 4 ケーブルですが、SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブルならではの特徴と魅力についてまとめてみます。

優れた給電出力性能とコストパフォーマンス

以下はSATECHI Thunderbolt 4 Pro および 競合製品とのスペック比較です。

商品名Thunderbolt 4 Pro ケーブルThunderbolt 4(USB‑C)ProケーブルUSB-C & USB-C Thunderbolt 4 100W ケーブル
商品画像
メーカーSATECHI AppleAnker
長さ1m1m / 1.8m / 3m0.7m
データ転送最大40Gbps最大40Gbps最大40Gbps
映像出力シングル:最大8K/60Hz
デュアル:最大4K/60Hz
シングル:最大8K/60Hz
デュアル:最大4K/60Hz
シングル:最大8K/60Hz
デュアル:最大4K/60Hz
給電出力最大240W最大100W最大100W
保証期間最長18ヶ月最長12ヶ月最長24ヶ月
実勢価格5,299円1m:9,980円
1.8m:18,040円
3m:21,800円
4,390円
CheckCheckCheck
表記価格は2023年12月3日現在のAmazon税込価格

いずれもUSB規格の管轄団体 USB-IFの認証を受けた Thunderbolt 4規格のケーブルなので、原則スペック的な違いはありませんが、Satechiのケーブルは240Wまで給電できる点で他製品より優位と言えます。

また価格的にはAnkerの方が安価ですが、30cmの長さの違いや後述する編組ケーブルなどの品質を考えると、コストパフォーマンスではSatechiの方が優位な印象。

パッケージやケーブルの質感が良い

商品のパッケージと同梱品については以下の通り。ケーブルのみとはいえしっかり梱包されています。

同梱品はThunderbolt4 ケーブル(USB Type-C to Type-C)とユーザーマニュアルのみ。

比較のためAnkerのThunderbolt 3ケーブルと並べてみましたが、ケーブルの太さ(約5mm)や、柔らかさはほぼ変わらない一方、素材と質感は明らかにSatechiの方が良いです。

端子部分の大きさもsatechiの方が少しだけコンパクト。

上:Anker TB3 ケーブル|下:Satechi TB4 ケーブル
上:Anker TB3 ケーブル|下:Satechi TB4 ケーブル

端子カバーのサイズを測ってみると、一般的な充電用のUSB-C端子より横幅は少し大きいですが、それほど大きな違いはありません。

重さはほぼカタログスペック通りの49g。

カナちひ

ケーブルの質感は織りの細かい編組のおかげで高級感があります。5mm幅のケーブルとしては柔らかく取り回ししやすいのもポイント。

SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブルの実力検証

次にMacBook Pro(14インチ|M2 Pro)と、実際のデバイスを使って SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブルの性能を確認していきます。

Thunderbolt 4のポテンシャルはかなり高いので、限界を探るような検証はできませんが、今回使用する以下のデバイスも一般的にはハイスペックな位置付けの製品なので、実用を想定した検証として参考にしてください。

検証に使用したデバイス

データ転送:ポータブルSSDの限界速度1000MB/sで転送可能

データ転送速度については、読み取り1050MB/秒、書き込み1000MB/秒のスペックを持つ「Kingston 外付けSSD XS1000」を使ってベンチマークテストを行います。

結果は、読み取り951MB/秒、書き込み920MB/秒とほぼデバイスの限界値に違い転送速度でした。(足りない値はデバイス側の問題かも)

SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブルの本来のスペックはMAX4000MB/秒=32Gbpsという事でまだまだ余裕といった感じ。PCIe対応のM.2 SSDでも最大性能を引き出せるはずです。

テストは Disk Speed Test にて実施
検証結果

1000MB/秒=8Gbps までは問題なし
(計測限界)

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映像出力:4Kモニターで遅延やノイズ、ちらつき無し

映像出力については、「BenQ 4K デザイナーモニター PD2706UA」に接続して検証します。

結果、映像・音声共に4K/60Hzで問題なく使用でき、遅延やノイズ、画面のちらつきなども発生しませんでした。

実機での検証ではありませんが、先ほどのDisk Speed Testでも8K/60Hzまでの読み出しに充分な性能を示していたので、8Kモニターも問題なく使えるはずです。

検証結果

4K/60Hz までは問題なし
(計測限界)

給電出力:PD充電器の出力限界100Wの出力を確認

給電出力については、100Wまでの出力が可能な「Satechi 165W PD充電器」を使って検証。(MacBookのバッテリーは50%以下で計測)

PD充電器のスペック上限値通りの96.4W(19.6V / 4.92A)という計測結果でした。

ケーブルのスペックは最大240Wとのことなので、これでも50%未満ですが、少なくとも14インチのMacBook Proを最大速度で急速充電できるというのは心強い。

検証結果

100W までは問題なし
(計測限界)

カナちひ

結論、どのデバイスでも最大性能を発揮できることを確認しました。まだまだ余裕はありそうなので、少なくとも一般的な用途でケーブルがボトルネックになる事はないはずです。

Thunderbolt 4 ケーブル購入時の注意点

USBケーブルとしてはほぼ万能なThunderbolt 4 ケーブルですが、少し気をつけたいポイントがあるので2つほど紹介しておきます。

  • 安すぎる商品には注意
  • デュアルレーン方式の対応は△

安すぎる商品には注意

Amazonなどで「Thunderbolt 4 ケーブル」を検索すると多数の商品がヒットしますが、商品によってかなり価格差があり、認証ロゴがない商品も多い印象です。

製品表記は稲妻マーク+バージョンのみ

もちろん安くて良い商品もあるとは思いますが、SB-IF認証のないものや、正しいロゴが使われていない商品は仕様を満たしていない可能性があるので注意が必要です(類似した独自ロゴを使用している場合もあり)。

他にも安価な商品はケーブルが硬く使いにくいなど実用面で問題がある場合もあるので、失敗したくない人は信頼できるメーカー品を選びましょう。

カナちひ

認証にもそれなりの費用がかかるはずなので、あまりに安い商品は疑った方がいいかも。

デュアルレーン方式のUSB規格の対応は△

基本的にはUSB4含めた現行のUSB規格に完全互換のThunderbolt 4 ケーブルですが、唯一” USB 3.2 Gen 2 x2 “といったデュアルレーン(対応するインターフェイスとの組み合わせで通常の2倍の速度で通信が可能)への対応は『できる場合とできない場合がある』ようです。

ここに関してははっきりとした答えが出ずモヤモヤしますが、少なくとも僕が使っているMacBook Pro(14インチ|M2 Pro)では、対応デバイスでもシングルレーンの速度しか出ません。

「USB3.2 Gen2 x2(最大20Gbps)」や「USB4 Gen 3 x2(最大40Gbps)」対応のデバイスを使う場合は別途対応するケーブルを準備した方が良さそうです。

まとめ

今回は優れたデータ転送速度と汎用性の高さが魅力の新商品『SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブル』についてまとめてみました。

SATECHI Thunderbolt 4 Pro ケーブルの魅力
  • USB-IF認証取得の間違いない品質
  • 規格を超える最大240Wの給電出力
  • 高品質かつ美しい編組デザイン
  • 高いコストパフォーマンス
カナちひ

ちなみに今夏、インテルから次世代規格のThunderbolt 5が発表されましたが、使い道が分からないほどのモンスター級スペックで普及するのはまだまだ先の話。当分の間はThunderbolt 4で困ることはないはずです。

USB-IF認証で担保された文句のない基本性能に加え、Satechiらしい高品質かつ美しいデザインで隙のないプロダクトに仕上がっているので、色々なUSBデバイスの能力を最大限に発揮させたい人や、USBケーブルの使い分けが面倒に感じる人は是非チェックしてみてください。

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