Webデザイナーやクリエイター、映像編集などに携わるならほぼ必須と言えるのが、正しい色味で滑らかな階調を表現できるデザイナー&クリエイター向けモニター。
先日(2023年10月13日)発売された「BenQ デザイナーモニター PD2706UA」も同様のコンセプトを持ったハイスペックモニターですが、前作の評判も良かったモデルの後継機だけに気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、普段から写真や動画編集も行う僕自身が実際に使ってみて感じた感想も含め、デザイナーモニターの導入を検討している人のこんな疑問にも答えていきたいと思います。
・普通のモニターとどう違うの?
・他のデザインモニターとの違いは?
・趣味レベルでも必要?
・映像表現以外の基本スペックは?
・コスパ的にはどうなの?
実際に1週間ほど使い倒しましたが、ほぼ文句のつけようの無い素晴らしいプロダクトで、プロアマ問わずデザイン・映像に関わる人には自信を持っておすすめできるデザインモニターです!
カラーマネジメントは一見ちょっとマニアックな分野ですが、普段使いのモニターとしての機能性やメリット・デメリットも合わせて、できるだけ分かりやすくまとめていますのでぜひチェックしてみてください。
商品概要|BenQ デザイナーモニター PD2706UA
カラーマネジメントに特化したデザイナーモニター
BenQ デザイナーモニター PD2706UA はその名の通りクリエイター向けに設計されたモニターで、高精細で広い作業スペースを確保できる 4K UHD解像度であることは勿論、様々な規格で色の再現性が強化されています。
- Display P3 / DCI-P3 95%
- sRGB / Rec.709カバー率 99%
- 10bit / 10億7千万色の表示色
- Delta E値 ≤ 3
- HDR10 / DisplayHDR 400 対応
- CalMAN認証 / PANTONEカラー認証取得
- 個体キャリブレーション
特に国際標準のカラーモデルとの色差を表すDelta E ≤ 3(一般のモニターはほぼ ≤ 4:数字が小さいほど色差が少ない)評価や、10億7千万を再現できる10bitの色深度への対応は、クリエイターのイメージする映像表現に限りなく近い再現を可能にしています。
一般的なモニターは意外と色のバラつきがあるので、クリエイティブな作業をするなら出来るだけ正確な色味のデザイナーモニターを使いたいところです。
確かに電気屋さんに並んでいるモニターって同じ映像が流れていても黄色っぽかったり青っぽかったりするもんね。
カラーマネジメント以外にも、手元で色味や輝度を調整できるホットキーパックG2や自由なレイアウトが可能なモニターアーム、目の負担を軽減するアイケア機能など作業性を追求したまさにクリエイターのためのプロダクトに仕上がっています。
MacBook向けのデザイナーモニターについてもっと詳しく知りたい場合は以下もチェックしてみてください。
カタログスペック
PD2706UA のスペックをまとめてみました。(比較対象としてモニターは同じですがスタンドベースの PD2706U と、1世代前の PD2705UA も一緒に掲載しています)
モデル名 | PD2706UA | PD2706U | PD2705UA |
---|---|---|---|
商品画像 | |||
ベース | モニターアーム | スタンド | モニターアーム |
発売日 | 2023年10月13日 | 2023年1月19日 | |
サイズ・パネル | 27インチ/ IPS | ||
筐体色 | ブラック | ||
解像度 | 4K UHD(3840×2160) | ||
表示サイズ | 596.7 × 335.7 mm | ||
表示色 | 約10億7千万色 / 10bit | ||
画素ピッチ/画素密度 | 0.155 / 163ppi | ||
アスペクト比 | 16:9 | ||
コントラスト比 | 1200:1 | ||
リフレッシュレート | 60Hz | ||
輝度 | 350cd/㎡(HDR時:400cd/㎡) | 250cd/㎡(HDR時:350cd/㎡) | |
HDR | HDR10 / VESA DisplayHDR 400 | HDR10 | |
色域 | DCI P3 95% / Display P3 95% / Rec.709 99% / sRGB 99% | Rec.709 99% / sRGB 99% | |
Delta E値 | ≤ 3 | ||
PANTONE/CalMAN認証 | ○ | ||
視野角 | 178° / 178° | ||
応答速度 | 5ms | ||
ティルト角度(上下) | -5° / 30° | -5° / 20° | -5° / 30° |
スウィーベル(左右) | 275° / 275° | 15° / 15° | 275° / 275° |
高さ調整 | 150mm | 110mm | 150mm |
ピボット | 90° | ||
VESA規格 | 100 × 100mm | ||
消費電力 | 最大:230W / 標準:45W / スタンバイ:0.5W | 最大:152W / 標準:27.5W / スタンバイ:0.5W | |
スピーカー | 2.5W × 2 | ||
ヘッドフォン出力端子 | ○ | ||
入出力端子 | HDMI 2.0 × 1、DisplayPort 1.4 × 1 USB Type-C(90W 給電)× 1、USB Type-C(Downstream)× 1 USB3.2 Gen1(Downstream)× 3、USB Type-B(Upstream)× 1 | HDMI 2.0 × 1、DisplayPort 1.4 × 1、USB Type-C(65W 給電)× 1、USB Type-C(Downstream)× 1、USB3.2 Gen1(Downstream)× 3、USB Type-B(Upstream)× 2 | |
付属ケーブル | 電源ケーブル x 1 (約1.8m)、USB Type-Cケーブル (約1.5m)、 USB 3.2 Gen1ケーブル x 1 (約1.8m)、HDMI 2.0ケーブル x 1 (約1.8m)、 DisplayPort 1.2ケーブル(約1.8m) | 電源ケーブル / USB 3.0 / HDMI 2.0 / DisplayPort 1.4 (各約1.8m) USB Type-C (約1.5m) | |
その他付属品 | キャリブレーションレポート、ホットキーパックG2、入出力インタフェースカバー、 クイックスタートガイド、Safety Instruction、保証書 | キャリブレーションレポート、ホットキーパックG2、クイックスタートガイド、保証書 | |
本体サイズ | 553 – 703 x 614 x 463mm | 451 – 561 x 614 x 238mm | 553 – 703 x 614 x 459mm |
本体重量 | 9.1kg (ベースなし5.3kg) | 8.3kg(ベースなし5.3kg) | 10kg (ベースなし6.2kg) |
フリッカーフリー | ○ | ||
ブルーライト軽減 | ○ | ||
保証期間 | 3年保証(パネル・バックライト含む)+ センドバックサポート | ||
公式サイト価格 | ¥102,600 | ¥108,000 | ¥97,200 |
Check | Check | Check |
以前のモデルから進化した部分を強調していますが、大きなところではモニターの明るさを表す輝度の向上と、Rec.709やsRGBより広い色域のDCI-P3を95%までカバーできるようになった事で、より鮮やかな描写が可能になっています。
またPCとモニター間の接続をUSB Type-Cで行う場合の供給出力が90Wにアップされたことで、16インチのMacBook Proでもケーブル1本で映像出力と充電ができるようになったのも大きな改善ポイント。
BenQのPDシリーズ(デザインモニター)はCalMAN認証、PANTONEカラー認証といった外部機関の認証取得や、工場出荷時に1台1台キャリブレーションの実施&レポート付属などにより品質が担保されているのも安心です。
パッケージと同梱品
パッケージ 兼 梱包用段ボールのサイズは515x730x240mmとなかなかの大きさ。フラップ式で大きく開くので中身が取り出しやすい。
電源ケーブル以外に4種類のモニター接続用ケーブルが付属されているのでPC側の都合で使い分けができます。
写真には写っていませんが、別途パッケージの内側に封筒を貼り付ける形でキャリブレーションレポートも添付されています。
- モニター本体
- モニターアーム
- モニターベース
- ホットキーパック G2
- 電源ケーブル(1.8m)
- USB 3.2 Gen1ケーブル x 1 (1.8m)
- USB Type-Cケーブル(1.5m)
- HDMI 2.0ケーブル(1.8m)
- DisplayPort 1.2ケーブル(1.8m)
- インタフェースカバー
- キャリブレーションレポート
- ユーザーガイド/保証書
モニターの外観とポートの位置
PD2706UA の上部3辺のベゼルは約3mmと狭小ですが、表示されない部分を含めると約8mmに相当します。(それでも充分に薄いけど)
下部のベゼルは2cmほどですがロゴもないシンプルなもので全体的にすっきりとした印象です。
背面には100 x 100mmのVESA規格のマウントを装備。付属のアームはもちろん対応するモニターアームであれば四隅のネジを付け替えるだけで接続可能です。
端子カバーが付属しているので背面もすっきりとした印象。厚みはあるけど流線型でかっこいい。
物理ボタンも背面に配置されていますが、出っ張っているのでブラインドタッチが可能です。(ホットキーパックがあるのでそもそもあまり使わない)
めちゃくちゃ便利な ホットキーパック G2 。金属製のダイヤルは存在感だけでなく適度な重みがあり使いやすい位置にしっかり鎮座してくれます。
映像用のポートは電源コードに干渉しないよう背面右寄りに配置。データ転送用のハブとして使えるUSB Type-C/Type-Aポートはアクセスしやすい右側面に集約されています。
- HDMI 2.0 × 1
- DisplayPort 1.4 × 1
- USB Type-C(90W 給電)× 1
- USB Type-C(Downstream)× 1
- USB3.2 Gen1(Downstream)× 3
- USB Type-B (Upstream)× 1
背面カバーの下側のスリットから出る電源コードと映像用ケーブルは、モニターアームの内部を通るので正面からは見えずモニターの高級感がアップしています。
ビルドクオリティが高いから、各部品にグラつきやムダな隙間がなく見た目にも美しいモニターだね。かっこいい!
特徴とおすすめポイント|BenQ デザイナーモニター PD2706UA
ここからは PD2706UA の特徴と実際に使ってみて感じたおすすめのポイントをまとめて紹介します。
- HDR400に対応した美し過ぎる4Kディスプレイ
- 正確かつ広い色域をカバーするカラーマネジメント機能
- 作業効率をUPさせる充実したサポート機能
- 姿勢改善にも効果的な自由度の高いエルゴアーム
- ケーブル1本で4K映像と90Wの給電が可能
- データポート搭載でUSBハブとしても活用可能
- 眼精疲労を軽減するアイケア技術を採用
HDR400に対応した美し過ぎる4Kディスプレイ
世界有数の液晶パネル生産ベンダーでもあるBenQの4K(UHD)IPSディスプレイは本当に綺麗。
特に10-bitで再現されるHDR映像は本当に鮮やかで明暗部の階調も実に滑らか。PD2706UA で認証された VESA DisplayHDR 400※というグレードはHDR品質としてはスタンダードながら、それでも思わず映像に見入ってしまう美しさです。
HDRモニターの性能を示す規格で、液晶パネルであればHDR400からHDR1400までの5グレードに分類され、数字が大きくなるほどコントラストが上がり表示できる色域も広くなります。(明暗差でHDR400が1000:1、HDR1400が70000:1という感じ)
クリエイティブな作業だけでなく、一般用途でも映画の視聴をしたり映像コンテンツを最大限に楽しめるのは嬉しいポイントです。
こればっかりは活字で伝えきれないので、ぜひ取扱店で実際に体験してみて欲しいと思います。
正確かつ広い色域をカバーするカラーマネジメント機能
前作よりアップグレードされた最大400cd/㎡の高輝度に加え、一般的なモニターの色域基準となるRec.709やsRGBよりも広い色域のDCI-P3を95%カバー。10億7千万色もの色を表現できることで、より繊細でイメージ通りの作品作りが出来るはずです。
また色の正確性についてもDelta E※ ≤ 3の厳密な色再現ができるだけでなく、CalMANやPANTONEといった国際的なカラー認証も取得。PANTONE認証製品とのカラーマッチも実現しており、プロの現場でも活躍できる品質が担保されています。
国際標準のカラーモデルとの色差を示す指標で、測定範囲の0〜100のうち値が小さいほど色差が少なく正確な色味となる。ちなみに≤ 1以下はほぼ視認できず、≤ 4が一般的なモニターの出荷基準。
出典:Allion.co,jp
さらに PD2706UA を含む BenQのAQCOLORシリーズのモニターは工場出荷時に1台1台個別にキャリブレーション(色差とガンマ値の測定と調整)を行っており、以下のような詳細なレポートが添付されています。
その他にもBenQ独自技術の画面ムラ補正(ユニフォーミティ補正)を採用するなど、デザイナーモニターとして高いレベルで色再現ができる工夫が凝らされてます。
作業効率をUPさせる充実したサポート機能
PD2706UA にはカラーマネジメント機能以外にも、デザインや映像編集作業をサポートする以下のような機能が搭載されているのもポイントです。
- PIP / PBP 機能
-
ピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)とピクチャ・バイ・ピクチャ(PBP)表示により画面を2分割して、複数のPC映像の表示が可能。プロジェクトを並行して進めたり、画像を比較したりといった作業効率化が期待できます。
- KVMスイッチ 機能
-
KVM(キーボード ビデオ マウス)スイッチ機能により、1つのキーボードとマウスで2台のPCの操作が可能。画面を切り替えるだけでPCをシフトすることができるので、それぞれのキーボード&マウスを置くスペースが節約でき、時短にも繋がります。
- Display Pilot 対応
-
Display Pilot ソフトをDLすることで、画面上でのカラーモードの切り替えや、モニター回転時の自動表示補正、Macとモニター双方の色域を自動的に一致させるICCsyncなどの機能に対応できます。
- ホットキーパック G2 搭載
-
よく使う機能を割り当ててワンタッチで切り替え可能な専用コントローラーが付属。ダイヤルで明るさやコントラスト、音量調整のほかPIP/PBP機能の切り替えなど手元で操作できるのは便利です。
個人的にはこのホットキーパック G2 がお気に入り。
モニターに手を伸ばして複数のボタンを操作するよりも楽だし、わざわざアプリを立ち上げる手間もなくキーボードやマウスと同じ感覚ですぐにモニターの調整ができるのはとても効率的です。
姿勢改善にも効果的な自由度の高いエルゴアーム
PD2706UA はクランプ式のモニターアームで設置するモデルで、スタンドタイプのモニターより設置面積が小さく作業スペースを広く確保することができます。
またモニターの高さや方向を自由に調整できるので、目線の位置に合わせて適切な配置が可能。ストレートネックの要望や姿勢改善にも効果的です。
以下の動画を見てもらうと分かるのですが、可動範囲は広く使いたい位置でピタッと止まる、めちゃくちゃ良い使いやすいアームです。
取付できるデスクの厚みは35〜60mm、デスクの縁もしくはΦ60mm程度グロメット(配線穴)に設置可能。
クランプの上下はゴムで保護されているので滑らずデスク天板を痛めません。設置面積は約110 x 120mmとわずかですが安定感は抜群です。(クランプで締め付けるので天板が中空の場合は補強プレートをつけた方がいいかも)
アームの柱部分は中空になっていて、配線を通すためのスペースと爪が用意されています。そこそこスペースがあるのでケーブル3〜4本程度なら問題なく通せそう。
設置も比較的簡単なのでモニターアームを始めて使う人でも戸惑うことは無いと思います。
ケーブル1本で4K映像と90Wの給電が可能
以前のモデルでもUSB Type-Cケーブル1本で4K/60Pの映像出力とPCへの給電ができたのですが、今作では給電出力が90Wにアップグレードされ MacBook Proへの高速充電ができるようになりました!
MacBookを充電するためのケーブルが不要になりデスク上がすっきり。
特にUSB Type-Cポートが2つしか無い MacBook Airには恩恵が大きそうだね!
データポート搭載でUSBハブとしても活用可能
モニター右側面に配置されたUSB Type-CとType-Aポートはデータ転送ハブとして使用が可能です。
これも搭載ポートが少ないMacBookにはありがたい部分。Time Machine用のSSDを繋げておいて、モニター使用時に自然にバックアップするような使い方も便利かも知れません。
手元にあったポータブルSSDではデバイス側がボトルネック(最大500MB/s)で、転送速度の測定は出来ませんでしたが、最低でも読み書き共に400MB/s前後の速度までは確認できました。
眼精疲労を軽減するアイケア技術を採用
PD2706UA は、世界的な安全・技術検査機関である TÜV Rheinland によりフリッカーフリー及びブルーライト※軽減機能が認証されています。
ブルーライトとは:波長が380~500nmの青色の可視光線で、非常に強力なエネルギーを持っているのが特徴。人体に与える影響では目の疲れ、肩こり、腰痛を招く可能性があり、大量に浴び続けると網膜へのダメージや睡眠サイクルや自律神経の乱れにもつながります。
引用:テュフズードジャパン「ブルーライトとは?」より抜粋
映像編集者やクリエイターは長時間モニターに向き合うからこそ、目へのダメージや疲労軽減に繋がる機能にもこだわりたいところです。
気になったポイント|BenQ デザイナーモニター PD2706UA
正直、機能面ではほぼ文句のつけようのない素晴らしいモニターですが、あえて気になる点を挙げるとすれば以下のポイントです。
- VESA DisplayHDR 400は少し物足りないかも
- 設置できるモニターライトが限られる
- 一般的なモニターと比較するとやや高額
VESA DisplayHDR 400は少し物足りないかも
VESA DisplayHDR 600以上の高グレードが求められるのは主にゲーミングモニターであることは理解した上で、あえて PD2706UA でも対応して欲しかったというのが個人的な感想です。
そもそもDisplayHDR規格は、一般的なHDR映像規格であるHDR10フォーマットの映像をどれだけ再現できるかというディスプレイの表示品質を定めた規格で、以下のグレードが存在します。
最小ピーク輝度 (cd/m2) | 色域 | 調光技術 | 最大黒レベル輝度 (cd/m2) | 最大バックライト 調整待機時間 | |
DisplayHDR 400 | 400 | sRGB | スクリーンレベル | 0.4 | 8 |
DisplayHDR 500 | 500 | WCG | ゾーンレベル | 0.1 | 8 |
DisplayHDR 600 | 600 | WCG | ゾーンレベル | 0.1 | 8 |
DisplayHDR 1000 | 1000 | WCG | ゾーンレベル | 0.05 | 8 |
DisplayHDR 1400 | 1400 | WCG | ゾーンレベル | 0.02 | 8 |
DisplayHDR400 TrueBlack | 400 | WCG | ピクセルレベル | 0.0005 | 2 |
DisplayHDR500 TrueBlack | 500 | WCG | ピクセルレベル | 0.0005 | 2 |
つまり PD2706UA で対応する DisplayHDR 400 は「HDR10フォーマットの映像を正しく表現できるけどグレートでは最低限」という評価。
黒つぶれや白飛びを可能な限り抑えたいクリエイター目線では、DisplayHDR 500や600に対応できると最高だったかも。
BenQのゲーミングモニター EX2710U もDisplayHDR 600に対応しているので、今後の期待を込めて気になる点として挙げておきます。
設置できるモニターライトが限られる
もう一つの気になった点、というか困った点はモニター自体に厚みがありモニターライトが設置できないという点。
通常のモニターライトは以下の写真のようにモニターの天面を挟み込むように設置するタイプが多いのですが、対応する厚さは大体が1〜3cm程度。一方で PD2706UA は約6cmとかなり厚みがあり、設置できるモニターライトが限られます。
BenQ自身もモニターライトをいくつか販売していますが、調べた限り設置できそうなのは新型の ScreenBar Halo のみ。
必ずしも必要なものでは無いのですが、手元の資料を確認しながらの作業などあると便利なモニターライトゆえに設置を考えている人は注意しましょう。
一般的なモニターと比較するとやや高額
性能によっては2〜30万円クラスも珍しくない、プロユースのデザイナー・クリエイター向けモニターとして見ると 約10万円の PD2706UA はミドルレンジと言えますが、普段使いとして考えるといかに美しい映像が楽しめるハイスペックモニターと言えど簡単に買える価格ではありません。
ユーザー層によって大きく価値が異なることからコスパの良し悪しを語るのは難しいのですが、一般的にモニター交換の目安と言われる15,000時間〜30,000時間で考えると5年以上(毎日8時間使用するとして)は使える機材であり、個人的には数万円の価格差よりその期間の満足感の方をおすすめしたいと思います。
それでも「やっぱりちょっと高い!」という人には色域ではほぼ同等のスペックを持つ以下のWQHD(2560×1440)のデザイナーモニターもおすすめです。
まとめ
さてこの記事ではWebデザイナーやクリエイター、映像編集者などに最適な「BenQ デザイナーモニター PD2706UA」について、特徴やスペック・実際に使ってみた感想などをまとめてみました。
階調表現も豊かな 4K HDR対応の美しいディスプレイや使い勝手のいいモニターアームはプロユースだけでなく、もちろん一般用途のハイスペックモニターとしてもおすすめ。
豊かな発色となめらかな階調で表現された4K/HDRの映像は、本当に息をのむ美しさで、”良いモノは良い”という当たり前をちゃんと実感させてくれる、そんなモニターです。
趣味レベルの写真の現像やYouTubeなどの動画編集でも、着想をそのまま映し出すことができるこのモニターなら作品レベルを1段階向上させてくれる、かも。
気になっている人は是非チェックしてみてください。
コメント