自分に合ったワークチェアを見つけたい——
デスクワーカーにとって永遠のテーマともいえるチェア選びですが、ネットには無数の選択肢があって、実際に「これだ!」という一脚に出会うのはなかなか大変ですよね。
そんな中で今回紹介するのが、“椅子選びの終点”と銘打ってMakuakeで先行販売が始まった新作チェア『Rasical Chair Elite(ラシカル チェア エリート)』です。

GrowSpica(グロウスピカ)シリーズで培ったノウハウを活かし、機能性を大きくアップデート。
在宅ワークからリラックスタイムまで、あらゆる時間を快適にしてくれる”理想的なチェア”に仕上がっています。
この記事ではそんなRasical Chair Eliteについて、実際に使ってみた感想や機能性、気になった点など詳しくレビューしていくので、気になっている人はぜひ最後までご覧ください。
Rasical Chair Elite の概要

Rasicalといえば、”ポストErgohuman“として話題を集めたエルゴノミックチェア「GrowSpica(グロウスピカ)」のメーカーとして有名ですが、今回あえてそんなシリーズ名を廃して打ち出したのが、このRasical Chair Elite。
以前、このブログでも紹介したGrowSpica Eliteの基本デザインや設計思想はそのままに、メッシュ素材やヘッドレスト・アームレストの可動域などが刷新され、より幅広い体型への対応や姿勢サポート力が強化されています。

ということで、まずはそんな両者の違いを簡単に比べてみます。

スペックと仕様
Rasical Chair Elite | GrowSpica Elite | |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
カラー | ブラック / ホワイトグレー | ブラック / ホワイト / ピュアホワイト |
メッシュ | プレミアムフィットメッシュ | WINTEX製フルメッシュ |
座面高さ調整 | 44.0~55.5cm | 44.0~55.5cm |
座面奥行調整 | 前後7cm | 前後7.2cm |
リクライニング | 4段階(97°〜130°) ※旧計測方法で90°〜140° | 4段階(90°〜130°) |
背面高さ調整 | 14段階(上下7cm) | 14段階(上下7cm) |
ヘッドレスト | 4D (高さ/前後/上下角①/上下角②) | 2D (高さ/角度) |
アームレスト | 7D (高さ/前後/角度/回転①/回転②/幅/前後反転角度) | 4D (高さ/前後/角度/回転) |
ランバーサポート | 4段階(前後2.5cm) | 4段階(前後2.5cm) |
フットレスト | ◯ | ◯ |
ジャケットハンガー | ◯ | ◯ |
耐荷重 | 135kg | 135kg |
サイズ | 幅52.3✕奥行65.5✕高さ103.5~128.4cm | 幅52.3x奥行65.5x高さ103.5~128.4cm |
重量 | 約24.9kg | 23.6kg |
保証期間 | 3年保証 | 1年保証 |
赤字で示している部分が主な進化ポイントで、特に各部の可動域や素材感が大きくアップグレードされているのが分かります。
GrowSpica Eliteからの主な改善点と、実際に比較してみた感想を簡単にまとめてみましたのでご参考まで。
- メッシュ素材の刷新
-
従来のファブリック素材のサラッとした張地から、ややラバー感のあるしっとりした素材に変更。少し弾力が増したことで、包み込まれるような柔らかい座り心地にシフト。
背もたれを倒したときのホールド感もグッと向上した印象。
- ヘッドレストの可動域強化
-
高さ+角度だけの旧モデルから、前後のスライドを加えた4D仕様にアップデート。より可動域が広がったことで、やや前傾姿勢でも頭部の重さをしっかりヘッドレストに預けられるようになりました。
- アームレストの可動域強化
-
アームレストの回転軸が2つに増えたことで、より調整範囲が拡大。特に左右のアーム間の距離が27cm程度まで縮められるようになったことで、小柄な人でも無理なくアームレストを使えるようになっています。
リクライニング時の腕の置き場もより自然になり、使用シーンの幅が広がりました。
こうして見ると、大幅な設計変更ではなく、細部の使い勝手にこそしっかり手が加えられている印象ですね。
逆にいえば、もともと完成度の高かったGrowSpica Eliteとの「劇的な差」はそこまでありませんが、“痒いところに手が届く”系のアップデートを確実に重ねているのが、堅実なRasicalらしい部分だと思います。

執筆現在、以下の店舗で試座が可能。「実際に座って確かめたい」という人はぜひ展示店舗で実際に体感してみてください。
展示情報:東京
場所: Makaukeコーナーヨドバシカメラ マルチメディアAkiba内
日時:2025年6月14日〜2025年8月17日
営業時間:9:30 – 22:00
所在地:〒101-0028 東京都千代田区神田花岡町1-1
展示情報:大阪
場所: Makaukeコーナーヨドバシカメラ マルチメディア梅田内
日時:2025年6月14日〜2025年8月17日
所在地:〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町1-1
その他の取り扱い店舗は以下から確認できます。
\ その他店舗はこちらをチェック /
外観とデザイン
そんなRasical Chair Eliteのデザインですが、高機能チェアとしてはかなりミニマル。








最近は派手な装飾を廃したインテリア性の高い商品も増えていますが、このチェアは特に顕著で、どんなデスクにもばっちり馴染んでくれそうです。


各パーツは緩やかな曲線で構成され、可動部もとても自然。
たとえばこのアームレストは、動かしたときに不自然な段差や凹凸が出ないよう、視覚的にも滑らかにつながるよう設計されています。




また、引き出し式のフットレストもデザイン性を損なわないシンプルなものが使われています。
アームが細いため、最大まで引き出して足を乗せると若干たわむ感じはあるものの、しなやかに受け止めてくれる印象で、不安定さはまったく感じません。


あと、ジャケットハンガーとフックが標準装備されているのも嬉しいポイント。使用頻度こそ高くないかもしれませんが、ちょっとした一時保管には結構便利なんですよね。







「毎日使うものだからこそ、飽きのこないシンプルなモノを選びたい」そんな人にこそ、響くデザインになっています。
Rasical Chair Elite を実際に使ってみた感想


ここからは、Rasical Chair Eliteの機能性や使用感について、実際に使って感じたことを交えながら、もう少し深掘りしていきます。
身長174cm・体重68kgの僕が座っている様子も掲載しているので、サイズ感などが気になる人は、あわせてチェックしてみてください。
デザイン|ミニマルなのに、高級感もある
高機能のエルゴノミックチェアといえば、ゴツくて存在感のある”オフィス家具”然としたデザインを想像しがち。
しかし、Rasical Chair Eliteは、どこに置いても主張しすぎないミニマルな佇まいが印象的です。


特に背面のデザインはとてもすっきりして、2本の背骨のような曲線が美しく映えます。
角ばったパーツや露出した調整機構も見当たらず、視覚的にも軽やか。一見華奢にも見えますが、耐荷重135kgと高い剛性を誇ります。もちろん、軋みやふらつきも一切なし。


とはいえ、フレームや脚部には適度にメッキ加工が施されていて、安っぽさとは無縁。所有欲を満たしてくれる高級感も両立しています。
書斎だけでなく、リビングなど生活空間にも溶け込むデザイン性は、他の多機能チェアにはなかなか見られない魅力だと思います。
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座り心地|硬さを感じない適度な張りが◎
一般的なメッシュチェアは通気性が高い反面、座面が硬くて長時間座るとお尻や腿裏が痛くなることもありますよね。でもRasical Chair Eliteは違います。
座面全体に弾力があり、適度に沈み込みつつ行き過ぎないハリ感もあって体圧をうまく分散。座り心地はむしろウレタン座面に近い柔らかさを感じます。


採用されている「プレミアムフィットメッシュ」は薄手で通気性が高く、サラっとした肌触り。蒸れにくい上に汚れも付きにくそうな素材で、長く使えそうなのも好印象です。


前傾機能(座面が前に傾く仕様)は非搭載ですが、ランバーサポートがかなり前方まで動くため、自然と骨盤が立ちやすく、書き物などをする際でも腰への負担は最小限に感じました。
調整機構|体型・姿勢にフィットする広い可動域
Rasical Chair Eliteの最大の魅力は、やはり調整範囲の広さと自由度の高さ。体型・姿勢・用途に合わせて細かく調整できるので、「自分にぴったりの座り心地」を追求できます。
座面の高さ・奥行き調整
高さだけでなく奥行きも細かく調整できることで、太ももの裏をしっかり支えつつ、腰の位置もしっかり安定。
高さ調整:44.0〜55.5cm




奥行き調整:7cm / 6段階




特に座面の高さを44cmまで下げられるので身長が低めの方や、コンパクトなデスク環境でもフィット感を得やすいと思います。
背面&ランバーサポート
背もたれの高さは5mm刻みで細かく調整できる仕様。1段階ごとにノッチ音で調整幅を教えてくれます。
高さ調整:7cm / 14段階




リクライニングは4段階でロックでき、最大まで倒すと軽くお昼寝できるくらいには倒せます。
リクライニング:97〜130° / 4段階




ランバーサポートは前方まで物理的に引き出せる構造。
前後調整:2.5cm / 4段階




このおかげで骨盤が自然と立ち、姿勢が崩れにくいというのが印象的。前傾姿勢までサポートされている感覚があり、腰痛持ちの人にも推したいポイントです。
4Dヘッドレスト
従来の“2D”ヘッドレストとは違い、上下・前後・角度の複合調整が可能な「4D仕様」。
高さ調整:4.8cm / 9段階




前後調整:6cm / 6段階




上下角度(前側):63° / 4段階




上下角度(後側):70° / 4段階




作業時の集中姿勢でも、リクライニングでリラックスした姿勢でも、常に頭部をしっかり支えてくれる安心感がありました。
7Dアームレスト
「7D」という表現はさておき、回転軸を2つ持たせたことで調整の自由度が段違いに上がっています。


高さに加え、角度まで調整できるのは珍しいですよね(写真にはありませんが、肘置き部分は前後にも6cmほど位置調整可能)。
高さ調整:7.2cm / 8段階




角度調整:20° / 4段階




ちなみに体重の約6%といわれる人の腕(体重50kgの場合で片腕約3kg)。この腕の重さをしっかりチェアに預けられるか否かで、肩こりや手首の負担は大きく変わってきます。


このアームレストは微妙な角度・距離調整が効くので、タイピング・スマホ操作・読書など、どんな姿勢でもストレスなく対応可能。ここもRasical Chair Eliteを選ぶ大きな優位性だと思います。
収納式フットレスト
長時間のデスクワークで疲れたときは、リクライニング+フットレストでちょっとしたお昼寝も可能。


座面の下から引き出し、レバーを回して起こす——


たったそれだけの操作で、足を伸ばしてくつろいだり、胡座をかくような座り方もできるなんて最高ですよね。


総じて、「座る」という行為を細かくカスタマイズできるのがこの椅子の真骨頂。
調整の自由度が高いからこそ、体型や好みに左右されず、誰にとっても快適な椅子になり得ると感じました。
操作性|ひとつのレバーで、直感的に使える
高機能チェアによくある「レバーが多すぎて分かりづらい」という欠点を、このチェアは見事に解消。
座面の高さ・奥行き・リクライニングの3つの操作が、この1本のレバーに集約されています。


さらに、ヘッドレスト・アームレスト・ランバーサポートなどの調整は、「押す・引く・持ち上げる」というシンプルな動作で完結できるのもいいですね。


反面、「0 → 1 → 2 → … → 最大 → 0」という一方向仕様の段階式になっているため、1段だけ戻すといった微調整がしにくいのは気になるところ。
とはいえ、全体としては「操作はできるだけシンプルに」という思想が徹底されていて、扱いやすさは非常に高いと感じました。
過去イチ簡単な、組み立て作業
複数のチェアをレビューしてきたなかには、「心が折れそうなくらい組み立てが大変」なものも正直ありました。
その点、今回のRasical Chair Eliteの組み立てはトップクラスに簡単。


座面と背面ユニットが最初から一体化しているため、重いパーツ同士を持ちながら接続する必要がありません。これはかなり楽。
- 脚部にキャスターを取り付ける(約2分)
- ガスシリンダーをセット(約2秒)
- 本体ユニットにアームレストを取り付ける(片側約3分)
- 本体を脚部に載せる(約10秒)
- フットレストを取り付け(約2分)
- ヘッドレストを本体に差し込んで完成(約10秒)
このうちネジ留めが必要なのはアームレストとフットレストのみ。作業スペースさえ確保できれば、初心者でもスムーズに進められると思います。




Rasical Chair Elite の気になった点


Rasical Chair Eliteは高い完成度の一脚ですが、実際に使ってみていくつか気になった点も。
とはいえ、どれも本製品の”長所の裏返し”とも言える内容で必ずしもデメリットとはいえませんが、購入前に知っておくと安心できるポイントとして、共有しておきます。
浅い着座時のフレーム干渉
全面メッシュ張りの快適さは本機の大きな魅力なんですが、それゆえに浅く座ったり胡座をかいたりすると、座面前方のメッシュがたわみ、腿裏にフレームが当たることがあります。


他社チェアの中には、座面前方だけウレタンクッションを入れて沈み込みを防ぐモデルもありますが、Rasical Chair Eliteはメッシュのテンションによる反発力のみ。
そのぶん通気性は抜群で、座面奥にしっかり腰掛ける”正しい座り方”を意識すればまったく問題はありませんが、座り直すときなどに「あれ?」と感じる瞬間があるかもしれません。



メッシュ座面はウレタン製よりも「点で支える力は弱い」ので、座り慣れないとこの辺りの違いに違和感を感じるかも。
調整操作の”一方向仕様”
ヘッドレストやアームレスト、ランバーサポートなどの多くの可動部は、「0 → 1 → 2 → 最大 → 0(リセット)」という一方向の段階式になっています。
行き過ぎた際にも逆方向には戻せず、いったん最初からやり直す必要があるため、微調整を頻繁に行う人には少しストレスを感じるポイントかもしれません。


ただし、操作自体は「押す・引く・持ち上げる」といった直感的なもので、座ったまま素早く調整できる点は大きなメリットでもあります。
ここは、どちらを優先するかで評価が分かれそうな部分ですね。
ヘッドレストのサイズ感
4Dヘッドレストは可動域が広く、頭部の支えとしては非常に優秀。
ただし、パッド部分がやや小ぶりで、リクライニング中に顔を横に向けると、側面のフレームに顔が当たってしまうんですよね。


実際、うっかりうたた寝していて「耳が痛い…」と感じた場面もちらほら。
もちろん普段の使用ではほとんど気にならないし、このサイズ感だからこそ全体のデザインがスッキリ見えるというメリットもあるので、ここも用途と好みのバランス次第だなと感じました。
まとめ


「Rasical Chair Elite」は、GrowSpica Eliteの良さをしっかり継承しながら、細部の使い勝手をさらに磨き上げた、”完成された椅子”をもう一歩進化させたハイエンドワークチェアです。
正しい姿勢を自然に導いてくれる調整機構、ウレタンにも似たやわらかさを持つ新素材メッシュ、そして空間に溶け込むミニマルなデザイン──



まさに「見た目」と「使い心地」のどちらも妥協したくない人に刺さる一脚だと思います。
もちろん、使い方によっては気になるポイントもありますが、その多くは”機能性とシンプルさを両立するための選択”でもあり、メリットとトレードオフのバランスが非常にうまく取れたチェアであることも間違いありません。
- 長時間座っても疲れにくい椅子を探している
- デスク環境を生活空間に自然に溶け込ませたい
- 肘置き・腰・頭まで、自分好みに細かく調整したい
- 組み立てや操作の手間を最小限に抑えたい
いい椅子は、仕事のパフォーマンスも、暮らしの質も変えてくれます。
「次こそ失敗したくない」「もう椅子選びに悩みたくない」——
そんな方にこそ、ぜひ試してほしい一脚です。
実際に試座することもできる製品なので、気になる人はまず実店舗で体感してみてはいかがでしょうか。
\ 全国の取扱店舗はこちらをチェック! /
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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