こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
マイクといえば配信者やストリーマー向けというイメージが強いアイテムですが、最近ではオンラインミーティングなどで活用する人も増えてきましたよね。
かくいう僕もそのクチなんですが、「人の印象の4割は声によるもの」なんて話もあるくらいで、日常の打ち合わせでも出来るだけノイズや音割れの少ないクリアな音声を届けたところ。
というわけで今回紹介するのは、温かく自然な声を収録してくれるダイナミックマイク『Elgato Wave DX』。
実はこのマイク、発売から2年以上経過していて、もはや定番ともいえるアイテムなんですが、この度なんと新カラーが登場するということで、改めて僕なりに使用感などをレビューしてみたいと思います。
新カラーがかわいすぎる!
白系デスクに設置した際の雰囲気や、コンデンサーマイクとの音質比較、使ってみた感想など色々と紹介していくので、「デスクの雰囲気にマッチする良いマイクが欲しい!」というひとは是非最後までご覧ください。
Elgato Wave DX の概要
Wave DXは指向性に優れたダイナミックマイクで、コンデンサーマイクほど感度が高くないかわりに周囲のノイズを拾いにくく、狙った音だけをしっかりと拾い上げてくれます。
実際、Wave DXで収録した音声は繊細で温かみがあり、耳障りもいいと口コミでも評判です。
コンデンサーマイクとの音質と集音性の違いについて「Elgato Wave Neo」と比較してみたので、ちょっとお聴きください(同じ距離・方向から収録しています)。
マイクの音質比較(タップして試聴)
Wave DX|XLR Dock接続
Wave Neo|USB接続
どうですか?自然な声の質感、周囲のノイズの少なさなどダイナミックマイクの特性をちゃんと感じられたのではないでしょうか。
一方、手軽さという点では少し課題があって、USBケーブルを挿すだけのコンデンサーマイクと比べて、単体ではPCにも接続できないし、消音やヘッドホン出力もできません。
スペックと仕様
そこら辺の仕様の違いについては、価格やコンセプトの近いElgato「Wave:3」との比較で紹介します。
製品名 | Wave DX | Wave Neo |
---|---|---|
外観 | ||
カラー | ブラック / ホワイト / ピンク | ブラック / ホワイト |
種類 | ダイナミックマイク | コンデンサーマイク |
極性パターン | カーディオイド | カーディオイド |
サンプルレート | 最大96kHz | 最大96kHz |
ビット深度 | 最大24bit | 最大24bit |
接続方法 | XLR(3ピン) | USB Type-C |
サイズ | 53 x 53 x 146 mm | 153 x 66 x 40 mm |
重量 | 440g | 280g (スタンドを除く) |
機能 | なし | タッチ消音 / マルチダイヤル / 付属スタンド / ヘッドホン出力 |
付属スタンド | なし | あり |
オーディオインターフェース | 必要 | 不要 |
価格 | ¥15,680 | ¥21,580 |
Check | Check |
Wave DXはオーディオインタフェースとの接続が前提なので、マイク本体には電源すらなく、一般的には馴染みの少ないXLRケーブルの準備が必要。
あと、スタンドも付属していないので、マイクアームなども必要になります。
- WAVE XLRなどのオーディオインタフェース
- XLRケーブル
- スタンドやマイクアーム
オーディオインターフェースに関しては、配信用途ではほぼ必須に近いデバイスなので、無駄とは思いませんが、別途費用がかかるという点でカジュアルユースには不向きな気がします。
でもそんな弱点を補って余りある音の魅力がこのマイクにはあるんですよね。
続いて商品の外観を見ていきます。
外観とデザイン
こちらがElgato Wave DXの商品パッケージ。
「あれ?間違えてブラック頼んだ!?」と一瞬焦りましたが、左下に「WHITE EDITION」のシールを発見して一安心。
中身と同梱品はこんな感じです。マウントとねじアダプターは最初からセットされています。
- Wave DX 本体
- スイベル式マウント
- 3/8″ & 1/4″ねじアダプター
- クイックスタートガイド
そしてこれがWave DX本体。思ったよりコンパクトですが、スチール製のボディで手に持つとずっしりとした重さを感じます。
測ってみると500g超え。なるほど重いはずです。
剛性と高級感を兼ね備えた金属製のケースが美しいです。マットなホワイトカラーもたまりません。
電源か消音ボタンのように見えるロゴマークですが、実はマウントカバーでマイクのどちら側にも取り付けられる仕様。
逆サイドにモノスイベル式のマウントが取り付けられています。
接続端子は3ピンのXLR端子のみとシンプルな設計。
ここに別売りのXLRケーブルをブスリと差し込んで、反対側をオーディオインターフェースに接続する感じです。
マイクアームと接続する5/8インチマウントは、付属の3/8インチ1/4インチのねじアダプターを使うことで、さまざまなアームに対応可能。
手持ちの「Elgato Wave Mic Arm Pro」にマウントしてみましたが、当然グラつきもなく安定感は抜群です。
こんな感じで白系デスクによく合います。
Elgato Wave DX 特徴と使用感
ここからは僕がWave DXを使ってみて感じた特徴的な部分と、その使用感についてまとめます。
周囲のノイズを気にせず使える
Wave DXの特徴である繊細で温もりのある音質も素晴らしいのですが、極性(カーディオイド / 単一指向性)によるノイズ軽減効果も見逃せないポイント。
特にマイクを口元に寄せて狙った音声だけを拾うという点において、同価格帯のマイクの中では頭ひとつ抜けていると思います。
実際にマイク下20cmくらいの位置にキーボードを配置してタイピングしながら収録してみたので、こちらもお聴きください。
マイクの集音性比較(タップして試聴)
Wave DX|XLR Dock接続
Wave Neo|USB接続
さすがにちょっと距離が近すぎたのか、完全には打鍵音を抑えきれていませんが、コンデンサーマイクと比べると違いは歴然かと。
ポップガード内蔵で音割れも防止
あまり大きな声を出せない自室で、エアコンや空気清浄機などの生活音を拾わず、きちんと声のディテールを拾えるマイクって実は意外と少ないんですよね。
後から編集でイジらなくて良い分、音も自然だし、効率的でもあります。
配信時に便利な「Wave Link」
シンプルなアナログマイクであるWave DXを、さまざまなエフェクトやミキシングで強力な配信デバイスに変えてくれるのが、専用ソフト「Wave Link」。
このアプリでできることはいくつかありますが、特に便利だと思ったのが、チャンネル毎に入出力音声を調整できるところ。
- アプリ毎にチャンネルを設定
- チャンネル毎に入出力音量を管理
- 配信側とモニター側別々の音量を管理
- エフェクトの追加やイコライジング設定
例えばオンラインミーティング中に自分だけに聞こえるBGMを流したり、オンラインゲームをしながら特定の相手とだけ会話をするみたいな使い方は結構ニーズがありそう。
Stream Deck +との連携が至高
そしてそんなサウンド調整を左手デバイス「Stream Deck」で行うのが、たぶん至高。
Stream Deck +には「XLR Dock」という専用のオーディオインターフェースを装着できるんですが、この組み合わせが本当に最高で、ダイヤルやLCDキーを使って、より直感的なコントロールが可能になります。
ちなみに構成はこんな感じ。
一見煩雑に見えますが、それぞれのデバイス間を異なるケーブルで繋いでいるだけで、電力などはすべてホストデバイスのMacBookから供給されます。
Stream Deckでの接続方法
この構成は他にも、それぞれのデバイスを直列に繋ぐことでMacBookのポートを塞がないし、デスクスペースも圧縮できるという利点もあります。
より快適に配信を楽しみたいという人はぜひ参考にしてみてください。
デスクに合わせたカラーコーデが可能
ブラック一辺倒のイメージが強い配信デバイスの中で、ホワイトやピンクといった華やかなカラーがラインナップされたのも嬉しいポイント。
デスクで存在感を放つマイクだけに、デスクの雰囲気にマッチしたものを選びたいですよね。
Elgato Wave DX 気になったところ
モノ自体に何ら不満はないのですが、ケーブルを繋げばすぐに使える!というマイクではないので、多少の心づもりはしておく必要があります。
購入前に知っておいて欲しいポイントとして、気になった点を2つほど紹介します。
消音ボタンくらいは欲しかった
前述の通りWave DXの操作はすべてホストデバイスで行うのですが、さすがにマイク本体でも消音くらいは出来て欲しかったのが本音。
配信やミーティング中に突然インターホンがなったり、家族が飛び込んできたり、咄嗟に音を消したい時にもわざわざマウスを使ってアプリ操作で消音するのは煩わしくないですか?
出来れば目の前のマイクで消音くらいはしたいし、ついで「マイクONが分かるようなLEDも欲しいです。
何といっても、放送事故は怖いですから…!
揃えなきゃいけないものが多い
もうひとつ気になったのが、同時に揃えなきゃいけないモノが多い点。
一例として僕の構成をまとめるとこんな感じで、すべて購入すると10万円ほどの金額になります。
製品 | 用途 | 価格 | 詳細 |
Wave DX | マイク | ¥15,680 | Check |
Stream Deck + | 左手デバイス | ¥32,980 | Check |
XLR Dock | オーディオインターフェース拡張ドック | ¥19,980 | Check |
XLR Cable | XLRケーブル | ¥3,273 | Check |
Wave Mic Arm Pro | マイクアーム | ¥29,980 | Check |
プロの配信者でもない限り、ここまで揃える必要はないと思いますが、最低限のオーディオインターフェースとケーブル、モニターアームを揃えるだけでもそれなりの予算が必要になる事は、事前に把握しておいた方が良いかも知れません。
コスパで選ぶなら、コンデンサーマイクのWave:3の方がおすすめかも。
まとめ
ということで今回は新色の発売に合わせてダイナミックXLRマイク「Elgato Wave DX」をレビューしてみました。
着色のない自然でクリアな音質、室内の様々なノイズを軽減するカーディオイド極性、音割れを抑制する内蔵ポップフィルターなどマイクとしての完成度はかなり高いと思います。
一方で、オーディオインターフェースとマイクアームが別途必須になるなどコスト面は少し気になるところ。
そこら辺も含めてプロ仕様といえるマイクですが、声から伝わる印象も大切にしたいという人はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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