こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
2024年10月に突如発売されたApple Intelligence対応の新型iPad mini (A17 Pro)。
基本機能やサイズ感は2021年に発売されたiPad mini (第6世代) とほぼ変わらないものの、チップの高性能化やメモリ&ストレージの増強、「Apple Pencil Pro」への対応など、確実な進化を遂げつつ本体価格を下げることで、さらに魅力的なプロダクトに仕上がっています。
iPad mini(A17Pro/第6世代)の比較
スペック | iPad mini (A17 Pro) | iPad mini (第6世代) |
---|---|---|
外観 | ||
発売時期 | 2024年10月 | 2021年9月 |
5G対応 | ◯ (Wi-Fi+Cellularモデルのみ) | ◯ (Wi-Fi+Cellularモデルのみ) |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
画面サイズ | 8.3インチ | 8.3インチ |
サイズ(mm) | 195.4 x 134.8 x 16.3 | 195.4 x 134.8 x 16.3 |
質量 | Wi-Fiモデル:293g Wi-Fi + Cellularモデル:297g | 293g(Wi-Fiモデル) 297g(Wi-Fi + Cellularモデル) |
CPU | A17 Proチップ | A15 Bionicチップ |
RAM | 8GB | 4GB |
カメラ(画素数) | 1,200万画素(背面カメラ) 1,200万画素(インカメラ) | 1,200万画素(背面カメラ) 1,200万画素(インカメラ) |
生体認証 | Touch ID (指紋認証) | Touch ID (指紋認証) |
ポート | USB Type-C | USB Type-C |
対応ペンシル | Apple Pencil Pro Apple Pencil(USB-C) | Apple Pencil(第2世代) Apple Pencil(USB-C) |
SIMカード | eSIM | nano-SIM / eSIM |
価格 | 78,800円〜 | 84,800円〜 |
Check | Check |
仕事で使う手帳はアナログ派という僕ですが、さすがにそろそろデジタル化するタイミングかも!
という事で、今回は最新『iPad mini (A17 Pro) をビジネス手帳の代わりとしてどこまで使えるか』という視点で色々と考察してみたいと思います。
ビジネス手帳に求める6つのポイント
まず僕の考えるビジネス手帳に求めるポイントは基本的には以下の6つ。
- スケジュール管理機能
- タスク管理のしやすさ
- 作業性の良さ(即応性・丈夫さ・罫線レイアウト等)
- 携帯性(サイズ・重量)
- 管理のしやすさ(保管や検索)
- TPOを限定されないこと
実際にこれまでさまざまなビジネス手帳を使ってきた経験上、上記のうち1〜2つでも使い勝手が悪いだけで別のノートを持ち歩くはめになったり、買い換えることになる場合もあるので、各ポイントはしっかり押さえておきたい部分です。
上記を前提にビジネス手帳としての「iPad mini (A17 Pro) 」の評価をしてみるとこんな感じ。
ビジネス手帳として見たiPad miniの評価
項目 | 評価 | 理由 | |
---|---|---|---|
スケジュール管理 | ◎ | 「カレンダー」アプリのPC連携での一元管理が便利 | |
タスク管理 | ○ | 「リマインダー」アプリの機能性は高いが入力が手間 | |
作業性 | 即応性 | ○ | OS15の新機能「クイックメモ」で大幅に改善 |
レイアウト | ○ | 「GoodNotes5」など多彩なフォーマットが使用可 | |
書き心地 | ○ | Apple Pencil2とペーパーライクフィルムで紙の質感同等 (ただし、やや遅延があるため速記には不向き) | |
携帯性 | ◎ | A6サイズ手帳とほぼ同等で重さや薄さは優位 | |
管理性 | 保管 | ◎ | 保管が容易でいつでも過去の活動の振り返りが可能 |
検索 | ○ | アプリによっては手書きテキストの検索も可能 | |
剛性 | △ | ヨレたり滲んだりはしないが故障時のダメージは大きい | |
TPO | △ | TPOにより使用範囲が限定される | |
その他 | △ | 充電の手間とバッテリー持ち 同サイズの手帳と比較すると記入スペースが限られる |
それではビジネス手帳と比較してiPadの有利/不利な点をもう少し掘り下げてみます。
ビジネス手帳よりも「iPad mini」の方が優位なところ
まずは紙のビジネス手帳より優位と感じる点をまとめてみます。
- 他のデバイスと情報共有が可能
- リマインド機能が使える
- 様々な罫線レイアウトを選べる
- 大量の情報を持ち出せる
- 検索が容易
他のデバイスと情報共有が可能
iPadでのスケジュール管理の起点となる「カレンダー」を、他のデバイスやWindowの「Outlook」などと常に同期が可能という点はデジタルゆえの優位性。(手帳に予定を書き、PCに入力するという2重作業が削減可能)
入力したスケジュールは「Planner」などの手帳アプリで、直接 出来事やメモを取ることもできるなど手帳さながらの使い方も可能です。iPadを手帳代わりにするならほぼ必須のアプリ。
リマインド機能が使える
複数のワークフローをひとつずつ潰していくような作業には、タスク管理が必要不可欠です。
紙の手帳で複数のタスクを日付を跨いで管理したい場合、付箋や次のページに書き写す作業が発生しますが「リマインダー」などのアプリを活用することで容易に進捗管理ができるのもデジタルならではのメリット。
設定した納期に対して確実にリマインドしてくれるのも助かりますよね。
様々な罫線レイアウトを選べる
「GoodNotes 6」を使えば、リフィル型の手帳などと同様に様々な罫線レイアウトの用紙(ノート)を使うことができます。
またPDFを読み込んでメモを追加したり、写真や画像を貼り付けたり、アイデア次第で後から追加・削除ができる点もデジタルならではですよね。
手書き文字をテキスト化したり、AIによるスペルチェックもとにかく便利。
大量の情報を持ち出せる
「iPad mini (A17 Pro) 」は縦195.4mm x 横134.8mm x 厚さ16.3mmとA6サイズの手帳とほぼ同等、質量も300gを切る重さで、僕のが普段愛用している「ジブン手帳DIARY/LIFE/IDEA + 手帳カバー(革製)」より100g近くも軽く、携帯性は高いです。
さらに、どれだけページが増えても嵩張らないという点も大きな利点。
例えば、ビジネス手帳は原則1年、長期間使えるものでも3年以内には買い替えるため、基本的にその期間より前の記録を持ち歩く事はできませんが、iPadなら容量が許す限りいくらでも保存でき、iCloudで共有すればiPhoneなど他の端末からでも過去の記録を確認することが可能になります。
僕は交換タイミングの異なる手帳と合わせて使うことである程度過去の記録も確認できるよう工夫していますが、それでも2〜3年が限度。
検索が容易
たまにしか発生しない業務の手順確認のため、手帳をめくってもメモした場所が見つからず結局また教わったなんて経験は誰もがあるのではないでしょうか。
iPadでも複数のアプリに無造作にメモを取っているだけでは状況は変わりませんが、手帳機能を複合的に使える「GoodNotes 6」などのアプリにまとめておけば、手書きであってもワード検索が可能でいつでもどこでも簡単に必要な情報を見つけることができます。
「データを活かす」という意味でも、アナログよりデジタルの方が優れているのは明白です。
「iPad mini」が手帳と同等に使えるところ
続いてiPadでも紙の手帳と同等に使えそうな点をまとめます。
- すぐに使える即時性
- ペーパーライクな書き心地
すぐに使える即時性
iPad OS15より即応性が向上
電話応対や唐突に降りてきた気づきなどを、すぐにメモできるかどうかも意外と重要です。
以前は「現在のアプリを閉じる>アプリを起動>新規メモを開く」という手順が必要だった「メモ」アプリも、iPad OS15から「クイックメモ」が追加されたことで、即応性が大幅に改善されました。
どのページやアプリからでも画面右下から中央にスワイプするだけで即座にメモを取れるという点では、もはや紙の手帳となんら変わらず、実用性で劣るものではないと感じます。
ペーパーライクな書き心地
書き心地に関しても、もはや紙の手帳と同様。むしろ複数のペン先を瞬時に切り替えて使える点では優位と言える言える点です。
特に新たに対応したApple Pencil Proとペーパーライクフィルムと組み合わせることでほぼ紙同等。昔のようなペン先と画面の視差もまったく感じません。
ただし、iPad mini(第6世代)はリフレッシュレートが60Hzとやや低く、普段からiPad Pro(120Hz)に慣れていると描写が少し遅れる感覚はあるので、速記にはやや不向きかも。
「iPad mini」を手帳代わりにする時の課題
最後にそんな「iPad mini (A17 Pro)」を持ってしても、まだビジネス手帳には敵わないと感じる点を紹介します。
- 剛性の問題や故障リスクがある
- 状況によっては使えない可能性も
- 充電とバッテリーの問題
- 作業スペースが狭い
剛性の問題や故障リスクがある
ビジネス手帳の良し悪しには耐摩耗性や速乾性など「紙の質や剛性」も大きく関わり、薄くて丈夫な紙であることは手帳にとってとても大切な要素です。
その点、iPad miniはいくら消しゴムをかけてもヨレず、破れず、裏写りもせず、いつでも”紙”自体の質は担保されているのですが、反面、本体自体が衝撃や破損に弱く故障時は物理的に使えなくなる点は大きな不安要素です。
手帳として使うならバッグなどで常に携帯する必要があるので、雨や満員電車での圧力対策も必要となり、手帳より保護に手間がかかる点も考慮する必要があります。
iPao miniを手帳代わりにするならiCloudとの連携や、定期的なバックアップ作業は必須事項です。
状況によっては使えない可能性も
仕事やプレイベートを問わずひとつの手帳でスケジュールやタスクを理したい場合、TPOに左右されずすぐに出して使えることも重要です。
iPadは通信機器故に以下のようなシーンなど使用に制限がかかる(誤解も含む)場面も多く、使いどころが限定される点は考慮すべきポイントです。
- クライアントや目上の方との商談時|失礼と捉えられる可能性
- 情報の取扱いや技術開発企業への訪問時|誤解を招く可能性
- 病院や飛行機内など|通信が制限される場面
- セミナーや研修時、美術館など|撮影や録音を制限される場面
以前よりiPadをビジネスシーンで使う人も増えて市民権を得つつあるとはいえ、実際にはまだ使用を禁止している会社も多く、TPOを考えずiPadを取り出すと無駄な不利益を被る可能性がある点は理解しておきたいところです。
実際僕が本業にiPadを使わない理由もここが大きな要因です。
充電とバッテリーの問題
紙の手帳では考える必要のない、充電の手間とバッテリー問題も考える必要があります。
iPad mini (A17 Pro) でのインターネット利用時間は最大9時間(公称)と、丸一日使うことは出来るのですが、充電忘れや出張時のバッテリー切れなどリスクは常に付きまといます。
別途モバイルバッテリーを持ち歩くなどの対策も必要となり、荷物が増えてしまう点も悩みどころです。
作業スペースが狭い
iPad miniと外径が同じA6サイズの手帳と比較しても、作業スペースが狭い点も考慮しておきたい部分です。
またボールペンのように細かい文字は書けず、よりスペースを圧迫しがちなので、普段からある程度のボリュームを高頻度で記入する人は特に注意が必要です。
まとめ
この記事では、新型iPad mini (A17 Pro) をビジネス手帳代わりに使うという視点で色々と考察してみましたが、いかがでしたでしょうか。
改めてiPad miniとビジネス手帳、それぞれの優位な点をまとめると以下の通り。
結局は環境や何をポイントに置くかによって、使える・使えないは変わってくるのですが、少なくとも機能性においては充分にビジネス手帳の役割は果たせると思います。
一方で、業種や環境によってはiPadもまだまだスマホと同程度の認識で「人が話している時にスマホを触るな!」みたいな人も多い現状では、まだ紙の手帳は手放せないかなというのが僕の結論です。
とはいえ、普段使いでも使えるiPad mini (A17 Pro) は性能・コンパクトさ・実用性ともに完璧と言えるデバイスで持っておいて後悔はないはずです。
もし「バリバリビジネスシーンで活用してるよ!」「もっとこんな風に使えば完全移行できるよ!」という人がいればぜひ教えてください。
それでは!
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