最新のミラーレス一眼のスペックを考えると記録メディアは「CFexpress」や「UHS-Ⅱ規格」SDカードを選びたいところですが、まだ高価で躊躇されている方も多いのではないでしょうか。
斯く言う僕もこれまでUHS-I規格のSDを使っていましたが、4K動画撮影後のデータ転送時間のストレス軽減のためUHS-Ⅱ規格のSDカードに買い換えることにしました。
それが今回紹介する「SABRENT Rocket(ロケット) V60 SD UHS-Ⅱ Memory Card」。
UHS-Ⅱ規格対応の高スペックながら、価格はUHS-I規格並みという超コスパを誇るこの商品について実際に使ってみた感想も含めレビューしていきたいと思います。
Amazonのセールで128GBの製品を¥3,484で購入したのですが、僕のメイン機α7cには充分なスペックで、何より読み出し速度270MB/秒は素晴らしく、非常に満足度の高い商品です。
- 気軽に使えるUHS-ⅡのSDカードが欲しい
- 問題なく使えればメーカーには拘らない
- データの転送速度にストレスを感じる
- とにかくコスパを重視したい
「SABRENT Rocket V60」の商品概要
メーカーの「SABRENT」について
商品紹介の前にまずは肝心の信頼性ということで、メーカーである「SABRENT」について調べてみたところ日本では馴染みがないですが以下の通り怪しい会社ではないようです。
1998年に設立したロサンゼルスに本拠地を置く米国メーカーで、SSDやRAM、SDカードなど400以上の製品を世界100ヵ国以上に向けての製造・販売を行っている企業です。(メーカーwebサイトより)
なお、同社のSDカードやCFexpressの販売開始は2022年からとのことですので、国内の知名度に関してはこれからというところでしょうか。
「Rocket V60」のスペック
「SABRENT Rocket V60」のスペックは以下の通りです。(参考までにRocketシリーズの他のSDカードも記載)
製品名 | Rocket V30 | Rocket V60 | Rocket V90 |
---|---|---|---|
外観 | |||
規格 | microSD(UHS-Ⅰ) | SD(UHS-Ⅱ) | SD(UHS-Ⅱ) |
容量 | 256GB|512GB|1TB | 128GB|256GB|512GB|1TB | 64GB|128GB|256GB|512GB |
ビデオスピードクラス | V30(A2) | V60 | V90 |
スピードクラス | C3 | C10 | |
UHSスピードクラス | U3 | ||
読み込み速度 | 100MB/s | 270MB/s | 280MB/s |
書き込み速度 | 30MB/s | 170MB/s | 250MB/s |
価格 | ¥3,569〜 | ¥4,419〜 | ¥6,799〜 |
詳細 | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
SDカードのスペックで特に意識したいのが「ビデオスピードクラス」ですが、4K動画撮影でもV30以上あれば実質問題はありません。
1秒間に読み書きできるデータの最低保証速度の基準。数字部分×MB/秒で表される。(例:V30=30MB/秒)
RAWによる静止画の連続撮影についても、原則データはカメラ側のバッファに一時保存されるためSDカードの書き込み速度が影響するシーンはあまりないはずです。(データ量がバッファを超える場合や、バッファからSDに書き込む時間はカードの書き込み速度に依存するため、長時間&大量の連続撮影を想定するならV90をおすすめ)
以上のことから、α7Cやα7ⅣにUHS-Ⅱ規格のSDカードを選ぶ最大のメリットは「PCへの転送時間が短縮」と言えそうです。
商品パッケージと商品外観
次に商品パッケージとSDカード本体の外観を確認していきましょう。
紙製の小さな箱のパッケージで表記は全て英語。裏面には「MADE IN TAIWAN」の文字。
中には同サイズのメタリック調のケース(材質はアルミかな?)に入っていて、SDカードをしっかりと守っています。
ちなみにケースのフタは磁気でパチっと閉まる仕様。
SDカード本体のデザインはシンプル。裏面をみると普段見慣れない合計17個の端子が並んでします。(UHS-Ⅰの端子は9個)
勿論、通常の速度であればUHS-Ⅱ非対応の機器でも使用可能です。
「Rocket V60」を実際に使ってみた感想と評価
ここからは実際に僕が1.5ヶ月ほど使用してみた感想と評価を紹介していきます。
今回のテスト環境は以下の通りです。
SDカード:Rocket V60 128GB
カメラ:SONY α7C
PC:MacBook Air(2020)
カードリーダー:UGREEN UHS-Ⅱ対応SDカードリーダー
ベンチマークテスト:Amorphous Disk Mark
撮影時の認識不良やエラーはなさそう
購入以来、4K動画撮影やRAWでのポートレート含む連写撮影など累計200GB近くのデータを読み書きしてきましたが、その間SDカードの認識不良やエラー、書き込み遅延など発生していません。
まだ購入者の口コミも少なく正直人柱くらいの気持ちで購入したのですが良い意味で裏切られました。(念の為用意しておいた予備のSDカードの出番はなし)
書き出し速度はかなり早い
普段からRAW現像や4K動画編集の際、データをMacBookに転送するのですが、この転送速度はUHS-Ⅰと比較にならないくらい早いです。
これまで4K動画含む10GB前後のデータをMacに転送する際に2分以上かかっていましたが、「SABRENT Rocket V60」であれば実測で約50秒まで短縮しました。(アベレージで200MB/秒くらいかな)
転送時間のバーがみるみる進んでいくので待機時間のストレスは大幅に減少します。
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ベンチマークを計測してみる
参考までに「Amorphous Disk Mark 4.0」によるベンチマークの結果も紹介します。
- SEQ1M QD8:連続した1MBのデータを8つ同時に実行した速度
- SEQ1M QD1:連続した1MBのデータを1つ実行した速度
- RND4K QD64:4KBのデータをランダムに64つ同時に実行するした速度
- RND4K QD1:4KBのデータをランダムに1つ実行するした速度
残念ながら書き込み速度は公称スペックの170MB/sには届きませんでしたが、前述の通りα7Cは本来30MB/sで充分なので問題ありません。
読み込み速度は約270MB/sと公称通り。この価格でちゃんとスペック通りなのは素晴らしいです。
「SABRENT Rocket V60」を選ぶ際の注意点
購入を検討されている方に向けて2点ほど気になる点もお伝えしておきます。
- 国内での販売数が少なく信頼性が不透明
- スペックと商品性能にやや差がある
国内での販売数が少なく信頼性が不透明
「SABRENT Rocket V60」で一番気になる点はやはり国内での販売実績の少なさです。
SABRENTはSSDやRAMでの実績はしっかりしているとは言え、SDカードの取り扱いは2022年からとまだ未知数なので仕事など失敗できない環境で使うにはどうしても不安が残ります。(ダブルスロットの予備用としてなら良いかも)
購入者が増え、評価が固まるまでは価格と信頼性の天秤になるかも知れません。
スペックと商品性能にやや差があるかも
フォーマットやカードリーダーの性能もあるかも知れませんが、ベンチマークテストでもあったように若干書き込み速度でスペックとの性能差がありそうです。
ちなみにAmazonの購入者レビューでは265GBの商品は書き込み速度もスペック通りという口コミもあり、個体差もあるのかも知れません。
僕の機材や用途であればそれでも充分ですが、8K動画やα7RⅤなどの高解像度機でのRAW撮影を行う場合には書き込み速度が重要になってきますのでその点は注意が必要です。
まとめ
さて、UHS-Ⅱ対応なのに普通のSDカードくらいの価格で買えるコスパ最強のSDカード「SABRENT Rocket V60」について紹介してみました。
「SABRENT Rocket V60」は”データの転送時間を短縮したい””とにかくUHS-ⅡのSDカードが欲しい””でもあまりお金をかけたくない”という方にピッタリのSDカードなので、気になったら是非セール時期を狙って購入してみてはいかがでしょうか。
それでは。
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