Z-Light(ゼットライト)といえば世代を問わず学生時代にお世話になった人も多いはず。
「これ以上のモノは存在しない」というコンセプトでZの文字を冠した名称の通り、高い品質と頑丈で使いやすいアーム設計で僕自身も含め現在でも多くのファンを抱えるデスクライトブランドです。(来年で誕生70周年だとか!)
今回はそんなZ-Lightから高演色LEDデスクライト「Z-208PRO」を紹介したいと思います。
僕も学生時代の勉強のお供としてお世話になってましたが、ひさしぶりのZ-Lightも変わらず素晴らしい品質でしたよ!
Z-208PROってどんなデスクライト?
今回紹介する「Z-208PRO」はベースとなる「Z-208LED」の高演色モデルで、Ra97という非常に高い演色性のLEDを採用し、より自然光に近い光源が特徴のLEDデスクライトです。
また発光面積540mmの横長のシェードも特徴的で、1,800mm x 750mmの範囲であれば多重影を発生させず全面をぼぼ均等の明るさで照らすことが可能。
広い範囲を照らせることで作業性の向上だけでなく、明るさのムラによる目の疲れを抑える効果も期待できます。
さらにクランプ式で可動域の広いアームは光源の位置を自由に動かせるので、陰が邪魔になる精密作業や撮影用照明としても使える汎用性の高さも魅力です。
カタログスペック
Z-208シリーズには3つのモデルがあり、いずれも基本設計は同じですが光源特性に違いがあります。
商品名 | Z-208LED | Z-208PR0 | Z-209PRO |
---|---|---|---|
商品画像 | |||
カラー | SL:シルバー | B:ブラック | B:ブラック |
光源部 | LED 19.0W (5000K昼白色) (Ra80) | LED 19.0W (5000K昼白色) (Ra97・R9・R15) | LED 19.0W (6500K昼光色) (Ra97・R9・R15) |
調光 | 7段階 | 7段階 | 7段階 |
重量 | 2.3kg | 2.3kg | 2.3kg |
設置タイプ | 専用クランプ | 専用クランプ | 専用クランプ |
定格光束 | 1924 lm | 1367 lm | 1367 lm |
消費電力 | 19.0W | 19.0W | 19.0W |
エネルギー効率 | 101.3 lm/W | 71.9 lm/W | 71.9 lm/W |
LED寿命 | 40,000h | 40,000h | 40,000h |
照度データ | |||
JIS照度相当 | JIS規格AA形相当 | JIS規格AA形相当 | JIS規格AA形相当 |
寸法図 | |||
実勢価格 | ¥15,591 | ¥22,000 | ¥21,800 |
Check | Check | Check |
3つのモデルの違いは端的で、明るさなら208LED、より正確な調光を優先するなら208PRO/209PROと明瞭です。
208PROと209PROの違いは色温度だけで、5000K(ケルビン)の208PROは太陽光に近い自然な光、6500Kの209PROはやや青味がかった光でモノがはっきりと見えるので、細かい作業や集中力を高めたい場所に向いています。
ちなみに僕はデスクの上で商品撮影もするので、よりフラットで正確な色調の208PROを選択しました。
パッケージや同梱品
ライトシェードだけで600mmを超える「Z-208PRO」は、外箱もなかなかのサイズ(実寸で約775x405x75mm)で、パッケージというより段ボール箱そのままといったシンプルなもの。
パッケージを開けるとほぼ完成状態で梱包されているので、クランプを取り付けてコンセントにさせば、すぐに使える状態です。
逆にいうとこれがほぼ「Z-208PRO」の最小サイズで完全に折り畳むことはできません。
- Z-208PRO本体
- 接地用クランプ
Z-208PRO の特徴
- プロ仕様のRe97高演色性LEDを採用
- 7段階に調整可能なJIS規格AA形相当の光量
- 広範囲を均等に照らせる540mm幅のLED
- 可動域が広くピタッと止まるアーム
- 場所を取らないクランプ式設置
プロ仕様のRe97高演色性LEDを採用
「Z-208PRO」は美術館や印刷業などプロの現場でも使われるRe97※という高演色LEDを採用しており、モノの色を正しく表現することが可能です。
演色評価数とは、モノの色の見え方に対して、照明が与える色への影響度合を表す数値のこと。一般的には自然光(太陽光)を基準として、近いものほど「演色性が良い」、かけ離れたものほど「演色性が悪い」とされます。この演色性を客観的に判断できるように数値化したものを演色評価数といい、演色評価数が100に近いほど太陽光下での色に近いとされています。(引用:zlight.net)
プロ仕様のRe97という高演色性は、一般用途としても絵本や資料をより鮮やかに見せたり、写真撮影用ライトとして自然な色味表現など活躍シーンは多いはず。
ただし演色性が高いほど光束は低くなる(=効率が悪くなる)ので、消費電力が大きくなるデメリットもあります。
照度や消費電力を優先したいなら、別モデル「Z-208LED」の選択肢もありますよ。
7段階に調整可能なJIS規格AA形相当の光量
「Z-208PRO」の明るさはJIS規格で最高水準のAA型に相当※しており、スタンドライトとして充分な明るさです。
- スタンドライトの光源直下から半径50cmの円周上で250ルクス以上
- スタンドライトの光源直下から半径30cmの円周上で500ルクス以上
また周りの環境や明るさに合わせて、光量を7段階に調整可能。
実際かなり明るいので普段なら夜間でも5〜6で充分。最大光量なら細かい作業をする場合の手元ライトとしてもバッチリです。
照度の変更はシェード側面のロータリースイッチを回すだけ。現在の明るさは数字で表示され、0→1→2・・・と徐々に明るくすることも、ダイヤルを逆回転させ0→7→6・・・と明る方から光量を落としていくことも可能です。
ただし調整できるのはあくまで光量のみで色調などの変更はできません。
勉強やデスクワークなどで集中力を高める青白い色調を求めるなら、覚醒効果のある6500Kの「209PRO」を選びましょう。
広範囲を均等に照らせる540mm幅のLED
「Z-208PRO」は540mmのLED灯と、光を拡散しつつ余分な反射を軽減する600mm専用設計のシェードで、机面の広い範囲を均等に照らせる点も特徴です。
僕のデスクは幅1400mm、奥行き700mmという大きめのサイズですが、シェードの高さを400mm程度まで上げることでほぼ全面をカバーできます。
上記はシェード高400mmで、3枚並べた横向きのA4用紙を照らしていますが、ご覧の通りほぼ明るさにムラが発生しません。(もっとシェードの高さを上げるとより広範囲を均等に照らせます)
広い範囲を照らせることで、光源の位置を気にすることなく作業範囲を広げられるのは効率的なメリットも大きいです。
夜間でもデスクを広く使えるので、夜型の僕にはとてもありがたいです。
可動域が広くピタッと止まるアーム
安定感のあるクランプ式ロングアームは可動範囲がかなり広く、各ジョイント部がそれぞれ約180°の可動域を持っています。
このアームの恩恵で光源をクランプ位置を中心に水平方向に最大約1100mm、垂直方向に最大約950mm動かすことが可能(実測値)で、以下のような照射方向が限られる場合も便利。
- 工作や絵画などで自分の手の影が気になる場合
- 机上での物撮り撮影など影の方向をコントロールしたい場合
- 精密作業など対象に近い場所で強い光源が欲しい場合
さらに素晴らしいのが、位置決めの際にいちいちネジを閉めたり緩めたりする必要もなく、思ったところにピタリと止まる点。ここは是非以下の動画で確認してください。
何気ないことに感じるかも知れませんが、面倒なネジ調整もせず、どの位置に動かしてもピタッと止まるのは設計とビルド品質の高さの証です。
個人的に感銘を受けたのがこの高いビルド品質。日本企業らしい丁寧なモノ作りにはとても好感が持てます。
アームの硬さ変更や緩みが出た場合は、ジョイントノブを外して六角レンチで簡単に調整可能です。
場所を取らないクランプ式設置
2.3kgという大型のデスクライト「Z-208PRO」を支えるクランプは意外なほど小さく場所を取りません。
また照射範囲やアームの可動範囲が広い分、デッドスペースになりがちな机のコーナー付近に設置しても対向の角まで充分な光量で照らす事が可能。
もちろん、机との接地部分はフェルト記事で保護されているので机の天板を傷つけることはありません。
照射範囲とアームの可動域が広く、接地面積が少ない「Z-208PRO」は、机上全面を無駄なく使える高演色LEDライトと言えます。
Z-208PRO のメリット
ここからは僕が実際に「Z-208PRO」を使ってみて感じた、魅力的な点5つと少し残念な点3つを紹介します。
- 用途を選ばない正確な色味のライト
- 外部モニターの上からも照らせる
- 無交換で10年以上使える長寿命LED
- レトロでモダンなおしゃれな外観
- 邪魔になるACアダプタは不要
用途を選ばない正確な色味の光源
僕が「Z-208PRO」を使ってみて一番良かったと感じたのは、やはり色むらがなく明るいフラットな光源。
普段使いでも物の色が正しく見える利点は多いのですが、特に机上で写真撮影をする場合は「いつも同じ光量・色温度を再現できる」だけで大きく編集作業の手間が軽減されます。(原則、カメラ側も5000Kに設定しておけば面倒な色調整が不要)
チラつきや光量のバラツキもないので目の負担も少なく感じます。
外部モニターの上からも照らせる
自然なアーム姿勢を崩さず最大90cm以上の高さから投光できるので、デスクトップPCや外部モニターを使う場合も便利です。
また、より高い位置に光源を配置することで、少し光量は落ちるもののかなり広い範囲に均一な光を届けることができるので椅子を並べて2人での作業も捗りそう。
無交換で10年以上使える長寿命LED
「Z-208PRO」のLEDは交換ができない仕様ですが、モジュールの寿命が40000時間もあるので、毎日10時間使用しても10年は使える計算です。
- 毎日10時間使用 ・・・ 約11年
- 毎日8時間使用 ・・・ 約13年
- 毎日6時間使用 ・・・ 約18年
アームもかなりしっかりした造りで長期間使えそうな点を考えると、2万円という価格でもコスパは悪くないように感じます。
Re97もの高演色LED蛍光灯は単体で購入しても1万円以上する物もあるので、LED交換不可という点はあまりデメリットと考える必要はないかも。
レトロでモダンなおしゃれな外観
サイズがあるのでどうしても存在感は出ますが、艶消しのマットな塗装やちょっと懐かしさを感じるランプシェードなどレトロでモダンなデザインは好印象です。
近くで見ても部品の一つ一つが丁寧に作られているのが分かる如何にも日本製らしいデスクライトなので、無骨なデザインはちょっと・・・という人にも受け入れられるのではないでしょうか。
ただちょっと贅沢を言うとインテリアに馴染みやすいホワイトカラーのラインナップがあっても良かったかも!?
邪魔になるACアダプタは不要
デスク周りはただでも煩雑になりがちなので、場所を取るACアダプタではなく普通のAC100Vコンセントなのは地味にポイントが高いです。
ちなみに「Z-208PRO」の消費電力は一般的なLEDデスクライトよりやや大きい19W、電気代にして1時間あたり約0.6円(税込)となっています。
時間 | 電気代(税込) |
1時間 | 約0.59円 |
3時間 | 約1.77円 |
6時間 | 約3.53円 |
9時間 | 約5.3円 |
12時間 | 約7.1円 |
Z-208PRO のデメリット
- コンパクトには折り畳めない
- 色調の変更には非対応
コンパクトには折り畳めない
広範囲をカバーできる「Z-208PRO」は、一般的なデスクライトよりサイズが大きく存在感があります。
気になるのが構造的にあまり小さく畳めないので、使わない昼間でも存在感がそのままというところ。
まあ邪魔であれば回転させて机の外に出しておけばいいのですが、できれば使わない時はパタパタと小さく畳んで端の方に寄せておければ最高でした。
本来は作業灯として常設する前提なのかも知れませんが、これだけ可動域が広いなら技術的には畳むことも出来そうな気がします。
色調の変更には非対応
「Z-208PRO」はRe97/5000Kを正確に照射できる一方、その他の色温度に変更することはできません。
気分や雰囲気に合わせて調光もしたい人は、演色性はRe80と少し落ちますがZ-208シリーズに近い特徴を持つ「Z-80N」等を検討してみてもいいかも知れません。
ちなみに3000〜4000Kの温白色は暖かみやリラックス効果が得られ、6000〜7000Kの昼光色は涼しさや集中力が増す色温度と言われています。
まとめ
さてこの記事では来年生誕70年を迎えるZ-Lightから、広い範囲を均一な光で照らせる 高演色LEDデスクライト「Z-208PRO」についてまとめてみました。
一般用途ではやや高価なデスクライトですが、正確な基準色の光を広範囲かつ自由な方向や角度で照らせるというのは、普段のデスクワークにとっても資料の色味を正しく把握したり、ちょっとした撮影にも活用できる機能性に加え目の疲れの軽減にも有効と言えます。
もちろんプロのカラーマネジメントや精密作業にも充分なスペックなので、「ワークスペースをしっかり整えたい」「長く使えるちょっといいデスクライトが欲しい」という方は「Z-208PRO」を検討してみてはいかがでしょうか。
それではまた。
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