こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
僕にとって音楽とは一番身近な”心のスイッチャー”。
ちょっとくらい嫌なことがあってもそこに気分を上げてくれる音楽があれば「まあそんな時もあるか」と前向きになれるし、金曜日の仕事帰りに聴く音楽は、休日モードに入る気分を盛り上げてくれます。
今回はそんな”音楽の持つ力”を最大限に引き出してくれるSONYの最新ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン『ULT WEAR(アルトウェア)』を紹介します。
実際に使ってみた僕の感想をひとことで表すなら“娯楽としての音楽”に振り切ったエンタメヘッドホン。とにかく頭を揺さぶれるような重低音は普段聴いている音楽や映画の臨場感を何倍にも高めてくれます。
この記事では「ULT WEAR」の特徴と”だけ”じゃない魅力、気になった点など主観たっぷりに詳しくレビューしていきます。
それにしても今回のSONYは攻めてるなあ。
ULT WEARの概要
ULT WEARとは?
「ULT WEAR」は”ソニー史上最高の重低音体験“という分かりやすいコンセプトが支持され、2024年4月26日発売以降しばらくは品薄で手に入らなかったほど大人気のワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン。
コンセプトの通り重低音は2段階の増強可能で専用ボタンで「ULT1」「 ULT2」と上げていけば、まるでライブ会場の最前列にいるような圧倒的な重低音と音圧を楽しめます。
僕も店頭で実際に試聴した時は「さすがにやり過ぎでは…」と感じたのですが、しばらくすると頭蓋に響くような低音の虜になってしまいました。
音質以外にもフラッグシップモデルの「WH-1000XM5」に匹敵するノイズキャンセリング性能や専用設計の大口径40mmドライバーユニット、直感的操作が可能なタッチセンサーコントロールパネルなどの最新機能を贅沢に採用。
長時間使用しても疲れにくいデザインも特徴で、仕事や通学などお出かけの際にも最適な満足度の高いワイヤレスヘッドホンに仕上がっています。
スペックと機能
ULT WEARの主なスペックと機能は以下の通り。(比較対象としてフラッグシップモデルWH-1000XM5も併記)
商品名 | ULT WEAR|WH-ULT900N | WH-1000XM5 |
---|---|---|
商品画像 | ||
カラー | ブラック / オフホワイト / フォレストグレー | ブラック / プラチナシルバー |
型式 | 密閉ダイナミック型 | 密閉ダイナミック型 |
ドライバーユニット | 40mm ドーム型 | 30mm |
再生周波数帯域 | 5Hz – 20,000Hz | 4Hz – 40,000 Hz |
重量 | 約 255 g | 約 250 g |
充電時間 | 約 3.5 時間 | 約3.5時間 |
充電方法 | USB充電 | USB充電 |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 最大30時間(NC ON時) 最大50時間(NC OFF時) | 最大30時間(NC ON時) 最大40時間(NC OFF時) |
電池持続時間(連続通話時間) | 最大30時間(NC ON時) 最大40時間(NC OFF時) | 最大24時間(NC ON時) 最大32時間(NC OFF時) |
音声入力端子 | 3.5mmステレオミニジャック | 3.5mmステレオミニジャック |
操作入力 | タッチセンサー 音声アシスタント | タッチセンサー 音声アシスタント |
付属品 | キャリングケース、USBケーブル、接続ケーブル、保証書、リファレンスガイド | キャリングケース、USBケーブル、接続ケーブル、保証書、リファレンスガイド |
通信規格 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC |
実勢価格 | ¥29,664 | ¥46,900 |
Check | Check |
さすがに再生音域の広さではフラッグシップの「WH-1000XM5」には及びませんが、その他はほぼ同等のスペックとなっていてドライバー口径や再生時間ではむしろ「ULT WEAR」の方が上位。
あくまでスペック上の話ですが2万円もある価格差を考えると贅沢な設計だね。
その他にも、SONYが独自に開発した高性能なオーディオ技術を多数採用。
例えば圧縮音源をリアルタイムでアップスケーリングしてより解像度の高い音質を表現する「DSEE」だったり、「WH-1000XM5」と同じ統合プロセッサーとデュアルノイズセンサーテクノロジー採用で、高性能なノイズキャンセリングを実現。
もちろん、LDACコーデック対応で高品質なハイレゾ音源のワイヤレス再生も可能なので「本格的に音楽を楽しみたい」というニーズにも対応できます。
デザインと仕上げ
ULT WEARは、シンプルだけど高級感のあるデザインも魅力です。
僕はフォレストグレーを購入しましたが、グレーともグリーンとも言えない絶妙な色合いが本当にカッコいい。
イヤーカップは柔らかいクッション素材を採用し、長時間装着しても圧迫感はなし。日本人の頭の形にフィットするよう設計されているので”どこかが痛い”なんてことはありません。
折りたたみ可能な構造で持ち運びも容易。(WH-1000XM5は折り畳めないのが難点なんですよね)
もちろん、各ボタンやポートの配置も使いやすさを考慮してデザインされています。
物理ボタンは左、タッチ操作は右と明確に分離されているので音楽を聴きながらでも迷うことなく操作が可能です。
ちょっと気になったのがL/Rの表示が小さくパッと見で向きが分かりにくいところ。まあすぐに慣れますが。
カラーは僕が購入したフォレストグレー以外にもブラックとホワイトをラインナップ。色自体もおしゃれで好みですが、一部にメタリックカラーを取り入れることで、洗練された印象になっていますね。
ULT WEARの特徴と使用感をレビュー
ここからは「ULT WEAR」の特徴とその使用感について主観たっぷりにレビューしていきます。
ブーストされた重低音が最高
「重低音が暴れだす。」というキャッチに嘘偽りのない、頭蓋を揺さぶるような重低音は慣れるとクセになるほど快感。
さすがにSkullcandyのように本体が振動するようなことはありませんが、体感的には近い気がします。
ニュートラルのフラットな印象から一転、ULT1ではベース音やバスドラムが強調されより臨場感のある音質に、ULT2ではライブスピーカーの目の前にいるような圧倒的な音圧へ変化します。
もちろんこの重低音の恩恵は音楽だけに留まらず、映画鑑賞でも真価を発揮します。
実際アマプラで「ゴジラ-1.0」を視聴してみたのですが、まるですぐそこにゴジラがいるかの様な迫力と臨場感でめちゃくちゃ楽しめましたよ。
意外とバランスのいい音質
尖った低音ブースト機能の反面、ニュートラルの音質は意外とバランスの取れた優等生サウンド。
低音重視でも以前レビューしたポータブルスピーカー「SRS-XE200」のようなこもった印象はまったくなく、中域から高域にかけてもクリアに再現されています。
特に中音域は自然でバランスがよく、重低音で鮮明になったビートやベースラインを中心に、楽器やボーカルのニュアンスもしっかり捉えられているのでポップス好きやロック好きの人にも刺さりそう。
この辺りは大口径の40mmドライバーユニットと圧縮音源をリアルタイムでアップスケーリングしてくれるDSEEテクノロジーの恩恵かも。
低音と相性のいいクラブミュージックやダンスミュージックだけじゃなく、ポップスやヒーリングミュージックのような中音域主体にもしっかり対応できるのもULT WEARの魅力ですね。
タッチセンサー操作が快適
音量の上げ下げや曲送りにいちいちボタンを探すことなく、R側のイヤーカップを指でスワイプするだけで操作ができるのは本当に便利です。
タッチセンサーでできる操作
- 上にスワイプ:音量を上げる
- 下にスワイプ:音量を下げる
- 前方にスワイプ:次の曲の頭出し
- 後方ヘスワイプ:前の曲を頭出し
- ダブルタップ:再生/一時停止
- 全体を覆う:外音取り込みモード+音量最小
基本的な操作はタッチセンサーで完結できる上、ヘッドホンを外したら自動で音楽が一時停止&タッチセンサーも無効になる「装着検出機能」も装備。
この部分だけでもソニー製ヘッドホンを選びたくなるほど、ユーザビリティの高い設計はさすが世界のソニーという他ありません。
残念ながら音声アシスタントはSiriには非対応ですが、Androidユーザーなら音声操作も可能ですよ。
自分好みの音質に調整できる専用アプリ
ULT WEARの音質はソニーのアプリ「Headphones」で自分好みにカスタマイズすることもできます。
音楽のジャンルに応じたプリセットもいくつか用意されているので、ワンタッチで最適な設定に変えることも可能。
さらに、ノイズキャンセリングの強度や、外音取り込み機能の調整もこのアプリからカンタンに行うことができるので、スマホをメインで使うなら入れておいて損はなし。
フラッグシップモデル同等のNC性能
ULT WEARのノイズキャンセリング機能もなかなかに優秀です。
搭載されている統合プロセッサーは「V1」。上位モデルのWH-1000XM5と同じデュアルノイズセンサーは特に高音域のノイズに強く、地下鉄などの通常のヘッドホンでは太刀打ちできないほどの騒音下でも音楽に集中できる環境を作り出してくれます。
緊急時にイヤーカップに右手を被せるだけで瞬時に周囲の音を取り込める「クイックアテンションモード」も便利です。
ノイキャンOFFだけでなく再生している音楽のボリュームも絞ってくれるので、周りの状況をすぐに把握したい緊急時にも安心ですね。
不快な風切り音もシャットアウト
イヤホンと違い、物理的に面積の大きいヘッドホンは屋外で使う時の風切り音は気になるところ。
「ULT WEAR」はマイク周辺機構を見直すことでノイキャンモードでも外音取り込みモードでも風の音を拾いにくい構造になっています。
ドライヤーの風を全開にして色々な角度から当ててみたけど、かなり効果は高いです。AirPods Proより全然優秀。
場所や動きと連動した自動モードが凄い
個人的に一番感動したのが、スマホのGPSや加速度センサーと連動して自動的にイコライザー設定やノイキャンのモードを変更変更してくれる「アダプティブサウンドコントロール」機能。
よく行く指定場所や「止まっている」「歩いている」「走っている」「乗り物に乗っている」時の4パターンの行動をトリガーに、あらかじめ登録した通りの設定に自動的に切り替えてくれます。
例えばいつも使う電車移動区間を指定してノイキャンの強度をMAXにする、なんてことが出来るのは本当にイマドキで技術の進歩を感じます。
装着感が良く長時間の使用が可能
「ULT WEAR」のイヤーパッド、ヘッドバンド、側圧それぞれのバランスがとても良く付け心地は上々。
特にヘッドバンドでありがちな耳の上部や頭頂部が痛くなるということもないので、その分音楽に没頭できます。
重さ自体も255gと手持ちのヘッドホンの中ではもっとも軽く、長時間聴いていても首が疲れにくいのもお気に入り。
ヘッドホンの装着感は頭の形によって感じ方が大きく異なるので、気になっている人はぜひ購入前に家電屋さんなどで試してみてください。
ULT WEARの気になったところ
“音楽を全力で楽しむ”という意味で「ULT WEAR」は本当に最高のワイヤレスヘッドホンのひとつであることは間違いないのですが、気になるところもいくつかあったので紹介しておきます。
- イヤーカップが分厚い
- 材質的に傷が入りやすい
イヤーカップが分厚い
購入時に僕が一番気になったのがイヤーカップの厚さ。
写真で見るとそれほど変わらないように見えるのですが、実際に装着してみると数mmでも結構横に張り出す感じがしてどうもしっくりきません。
最近はゼンハイザーの「Momentum 4」のようなスマートなヘッドホンも増えてきている中、厚みがあると言われていた「WH-1000XM5」より厚いというのはデザイン的に気になる部分です。
材質的に傷が入りやすい
これは実際に使ってみないと分からなかった点ですが、プラスチック製のハウジングは傷に弱く、少し爪で引っ掻いただけでもしっかり跡が残ります。
モノである以上、使っていれば遅かれ早かれ傷が付くのは仕方ないですが、もう少し強度を上げるとか傷が目立ちにくい表面加工をするとか手はある気がします。
フォレストグレーの色的な要因があるかも知れないので、気になる人は別のカラーを選択した方が良いかも。
ULT WEARと競合モデルの比較
性能や価格的に競合しそうなモデルのスペックを比較してみると以下の通り。
商品名 | ULT WEAR (WH-ULT900N) | QuietComfort Headphones | ACCENTUM Plus Wireless | TOUR ONE M2 |
---|---|---|---|---|
商品画像 | ||||
メーカー | SONY | Bose | Sennheiser | JBL |
発売日 | 2024年4月26日 | 2023年10月19日 | 2024年2月8日 | 2023年 9月22日 |
カラー | ブラック / オフホワイト / フォレストグレー | サイプレスグリーン / ブラック / ホワイトスモーク / ムーンストーンブルー | ブラック / ホワイト | ブラック / シャンパンゴールド |
ドライバーサイズ | 40mm | 情報なし | 37mm | 40mm |
再生周波数帯域 | 5Hz – 20kHz | 情報なし | 10Hz – 22kHz | 10Hz – 22kHz |
重量 | 255 g | 240 g | 227 g | 272 g |
充電時間 | 約3.5 時間 | 約2.5時間 | 約3.5 時間 | 約2時間 |
電池持続時間(NC ON時) | 最大30時間 | 最大24時間 | 最大50時間 | 最大30時間 |
マルチペアリング | ||||
ノイズキャンセリング | ||||
ハイレゾ対応 | ||||
自動装着検出 | ||||
音声通話 | ||||
音声アシスタント対応 | ||||
通信規格 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive | SBC / AAC |
実勢価格 | ¥29,664 | ¥35,700 | ¥38,390 | ¥33,282 |
Check | Check | Check | Check |
音質に関してはそれぞれの個性もあるので「これが一番」とは言い切れないのですが、少なくとも機能面では「ULT WEAR」はかなり充実したモデルだということが分かると思います。
特に高品位のBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応している点は大きなアドバンテージで、同じ24bit伝送が可能な「aptX」と比較しても更に高性能。
ハイレゾ音源を楽しみたい人にとっては明確に差別化できるポイントです。
Bluetoothコーデック | ||
---|---|---|
規格化 | SONY | クアルコム |
伝送レート | 最大990kbps | 最大576kbps |
音質伝送 | 96kHz / 24bit | 48kHz / 24bit |
このクラスのヘッドホンとしてはコスパにおいてもかなり優秀と言えます。
あくまで僕が試聴した感じでは、ULT WEARとQuietComfortは低音重視、ACCENTUM Plusはフラット、TOUR ONE M2はドンシャリ感強めという印象でした。
まとめ
今回は突き抜けた重低音がたまらないSONYの最新ワイヤレスNCヘッドホン『ULT WEAR(アルトウェア)』をレビューしてみました。
ライブ会場最前列のような迫力のある低音は、普段の音楽鑑賞を2倍も3倍も楽しくしてくれるので「とにかく重低音が好き!」という人は是非店頭に足を運んで現物を試してみて下さい。
臨場感も爆上げしてくれるから映画好きな人にも絶対刺さると思うよ!
もっと安価で良いヘッドホンが欲しいという人にはこちらの記事もおすすめ。
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