僕にとって音楽はときに、仕事の合間に集中を高めてくれたり、一日の終わりに心をほぐす癒しであったり、日々の生活に寄り添ってくれる欠かせない存在。
だからこそ、新しいオーディオ製品と出会うと「この音は僕にどんな景色を見せてくれるんだろう」と、いくつになってもワクワクしてしまうんですよね。
というわけで、今回紹介するのは、インド発のオーディオブランドNoiseが手がける密閉型ワイヤレスヘッドフォン『Noise Master Buds MAX(ノイズ マスターバッズマックス)』です。

正直あまり耳馴染みのないブランドですが、普段からKEFやBowers & Wilkins、BOSEといった上質な音に囲まれて暮らしている僕にとっても、決して侮れない完成度。
この記事では、そんなNoise Master Buds MAXを実際に使って感じたことを、気になった点も含め、正直にレビューしていきます。
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Noise Master Buds MAX 製品の概要

このヘッドホンを手がける「Noise(ノイズ)」は、2014年創業のインド発のテクノロジーブランド。
国内ではまだあまり知られていませんが、2024年にオーディオの世界的ブランドであるBOSEから戦略的出資を受けていて、そこから生まれたパートナーシップの第一弾が、イヤホンタイプの「Master Buds」。今回紹介するNoise Master Buds MAXは、そのシリーズ初のオーバーイヤー型ヘッドフォンにあたります。

日本国内においては、クラウドファンディングサイト「Kibidango」で先行販売が実施され、目標金額に対して195%という高い支持を獲得。現在はKibidango Storeにて正式に一般販売が行われています。
スペックで見る、Master Buds MAXの実力
まずは基本スペックから。
| Master Buds MAX | |
|---|---|
![]() | |
| カラー | Titanium / Silver / Onyx |
| ドライバー | 40mmカスタムダイナミック (Sound by Bose チューニング) |
| ノイズキャンセリング | 最大40dB アダプティブANC (5マイク搭載) |
| バッテリー | 最大60時間|ANC OFF時 最大48時間|ANC ON時 (10分充電で10時間再生) |
| コーデック | LHDC 5.0 / SBC |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
| 装着検出機能 | |
| 防水性能 | IPX4 |
| 専用アプリ | Noise Audio (イコライザー調整、モード切替、空間オーディオ対応) |
| 重量 | 262g |
| Check |
スペック表の数字を眺めるだけでも、3万円台前半のプロダクトとしてかなり充実した構成であることが伝わってきます。
40mmのカスタムダイナミックドライバーには、BOSEとの協業による「Sound by Bose」チューニングを採用。ノイズキャンセリングは最大40dBのアダプティブANCを備え、通話用を含めて5基のマイクを搭載。
さらに最大60時間というロングバッテリーに加え、10分の充電で10時間使えるクイックチャージ機能まで用意されているのは、日々持ち歩くアイテムとして非常に頼もしいポイントと言えます。

レコード盤をイメージした上質なデザイン
僕が選んだカラーは、シックで深みのある「Onyx(オニキス)」。メイン素材自体はプラスチックですが、表面には微細なラメを含んだ塗装が施されていて、手にとってみると想像以上に上品で質感高い仕上がり。

Master Budsシリーズの象徴とも言えるのが、金属調の同心円状パネル。この側面上部から、うっすらと漏れ出るLEDライトの光も控えめで美しい演出になっていますよね。

それゆえに、惜しいと感じたのがヘッドバンド側面の「NOISE Sound by Bose」というプリントロゴ。
できれば刻印仕上げにするか、同系色で控えめに印字されていれば、より洗練された佇まいだったのに……というのが正直な感想です(好みの部分かもしれませんが)。

装着感を左右するイヤーパッドは十分な厚みがあり、触り心地もしっとりモチモチ。ヘッドバンドの裏側にも同様の柔らかいクッション素材が使われています。


サイズ調整は、ヘッドバンドの中間部分を引き伸ばすオーソドックスな構造。

ボタン類などの操作系はR側のハウジングに集約されており、L側にはUSB-Cポートが1つ用意されています。後述しますが、実はこの端子、充電専用(オーディオ入力非対応)なんですよね。



ハウジング部分は折りたたみが可能で、およそ15cm四方ほどのコンパクトなサイズにまとまります。

パッケージおよび同梱品の一覧は以下の通り。


- Noise Master Buds MAX 本体
- USB-C to Cケーブル
- 専用ポーチ
- クイックスタートガイド
Noise Master Buds MAX の使用感・レビュー

ここからは、実際に日々使ってみて感じた装着感や、気になる音の印象について、僕なりの視点でじっくりとお伝えしていきます。
もっちり柔らかく、痛くない装着感
Noise Master Buds MAXを装着してまず驚いたのが、イヤーパッドの圧倒的な心地よさ。
触れてみるとかなり柔らかく、もっちりとした優しい肌当たり。側圧自体はそこそこあるものの、このクッションが圧力をうまく逃がしてくれるため、長時間の作業中に付けっぱなしにしていても耳や頭が痛くなることがありません。

吸い付くような密閉感も高く、ヘッドホンを装着するだけで周囲の音をかなり抑えてくれます。
密閉度が高い分、気温の高い日には少し熱がこもりやすいという弱点もありますが、デジタル処理に頼りすぎずしっかり遮音してくれるという意味でも、この装着感は大きなメリットに感じます。
ハイエンド機にも迫る、圧迫感のないノイキャン
僕は普段、Bowers & Wilkinsの「Px7 S3」を愛用しているんですが、Master Buds MAXのノイズキャンセリングの効きは、体感としてほぼ同等レベル。
SONY WH-1000XM6やApple AirPods Maxほどの絶対的な静けさには及ばないものの、さまざまな騒音が入り混じる地下鉄内でも十分な遮音性を発揮してくれます。

さらに好印象だったのが、ノイキャン特有のあの「圧迫されるような違和感」がほとんどないこと。これ、個人的にはかなり高評価です。
また、外音取り込み(透過モード)も非常に自然で、マイク越し特有のデジタルっぽさも、ほとんど感じません。
ただし、周囲の環境音をそのまま拾ってしまうため、人の声がやや聞き取りにくく感じる場面もありました。SONYなどのように「人の声だけを意図的に強調する」というより、あくまで周囲の音をフラットに取り込むというのがNoiseの設計思想のようです。

BOSE監修でありながら、素直なサウンド
「BOSE監修」と聞くと、重低音がガツンと響く力強いサウンドを想像される人も多いかもしれません。ですが、実際に聴いてみると意外なほどナチュラルで素直な音響バランス。

専用アプリで「Sound by Bose」プリセットを選ぶと、EQ画面では低音域がかなり持ち上がっているように表示されるんですが、実はこれが一番しっくりくるんですよね。
試しにイコライザーをかなり弄ってみたんですが、どう調整しても、かえって音がこもったりぼやけた印象になるので、このBOSE監修のチューニングはかなり練り込まれているんだと思います。

今回は手元にLHDC対応のAndroid機がなく、iPhoneとのSBC接続で試聴したのですが、ベーシックなコーデックでありながら「これだけいい音で鳴ってくれるのか」と素直に驚かされました。
空間オーディオ機能と、普段使いでの印象
専用アプリには「空間オーディオ」モードも用意されており、有効にすると音場がぐっと広がり、まるで映画館の中にいるような立体的な響きを楽しめます。

確かに映画や動画コンテンツの視聴には面白い機能なんですが、このモードに切り替えると全体的な出力音量が下がってしまい、音量を物足りなく感じる場面が何度かありました。
ちなみに音質自体も普段のミュージックモードのままの方が密度が高くて好みでした。
シンプルで直感的に使える「Noise Audio」アプリ
専用アプリ「Noise Audio」のインターフェースはとてもシンプルで、迷うことなく直感的に操作が可能。
主な機能は、イコライザー調整(Sound by Bose設定の選択)、ノイズキャンセリングのモード切り替え(ANC / 透過 / オフ)、サウンドモードの変更(ミュージック / 空間オーディオ)など必要十分な構成です。



部屋の中で見失った際などに役立つ「デバイスを探す」機能も搭載されていますが、こちらはAppleの「探す」のようなGPS位置情報トラッキングではなく、本体からアラーム音を鳴らして場所を知らせるシンプルな仕組み。
そのほか、ヘッドホンを外すと自動で曲が一時停止する便利な「装着検出機能」にもしっかり対応していました。
Noise Master Buds MAX 気になった点

シリーズ初のヘッドホンとは思えないほど完成度の高いNoise Master Buds MAXですが、惜しいと感じた点もあったので触れておきます。
iPhoneユーザーには惜しい、接続環境
今回使っていて一番気になったのが、対応コーデックの仕様。僕は普段iPhoneをメインで使っているので、AACに対応していないのは正直残念なポイントでした。
aptXやLDACにも対応していないので、ワイヤレスで高音質を楽しみたいなら、事実上LHDCに対応したAndroid機種などで聴くしか選択肢がありません。
試しに手持ちのBluetoothトランスミッター「Creative BT-W6」を接続してみましたが、こちらもやはりSBC接続になってしまいました。

さらに惜しいのが、有線接続という逃げ道が用意されていないこと。
Noise Master Buds MAXのUSB-Cポートは完全に充電専用になっていて、オーディオ入力には対応していません。また、3.5mmステレオミニプラグの端子も非搭載。

先述したとおり、SBC接続でも音質自体は良いのですが、オーディオ好きとしては手軽に高音質再生やロスレス環境を作れないのは、素直に「勿体ない」と感じる部分でした。

ハウジングのシルエットがやや厚め
デザインやシルエットについても一言触れておきます。
普段愛用しているAppleのAirPods MaxやBowers & WilkinsのPx7 S3と並べて比較してみると、ハウジング(耳当て部分)が横方向にやや張り出している印象を受けます。厚みの感覚としては、SONYのWH-1000XM6に近いボリューム感。
3モデルのシルエット比較



装着したときに存在感が出るため、スッキリとしたスリムなシルエットのヘッドホンが好きな人にとっては、購入前に確認しておいた方がいいポイントです。
まとめ

正直なところ、手元に届く前は「Noiseのオーディオって実際のところどうなんだろう?」と少し身構えていました。
でも、『Noise Master Buds MAX』を実際に使ってみると、装着感の良さも、圧迫感のないノイキャンも、ナチュラルで聴き心地の良い音も、どれも想像以上。BOSEとのパートナーシップという背景は決して伊達ではなく、ブランドの認知度に対する僕の先入観は見事に良い意味で裏切られました。

もちろん、iPhoneユーザーとしては、AAC非対応で再生環境が限られる点や、イコライザーの精度、ハウジングのシルエットなど、正直に気になったところもあります。ただそれを差し引いても、3万円台前半のワイヤレスヘッドホンとして非常に満足度の高いクオリティだと思います(音質だけなら上位モデルにも劣らない満足度)。
- 知名度よりも、純粋な音で選びたい人
- 長時間使える装着感重視の人
- ノイキャン特有の圧迫感が苦手な人
- BOSEサウンドが好みの人
- iPhoneでのAAC接続や有線接続にこだわらない人
誰もが知る有名ブランドの定番モデルを選ぶのも、もちろん間違いのない選択。でも「まだ知られていないから」という理由だけで選択肢から外してしまうのは、あまりにもったいない。
Noise Master Buds MAXは、素直にそう思わせてくれる一台でした。
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