本格的な夏の日差しを感じる季節になりました。
こうなると身にまとう服はもちろん、不思議と持ち歩くモノもできるだけ身軽に、コンパクトにまとめたいと思うようになりますよね。というわけで今回は、そんな「身軽でありたい」という気分にピタリとハマるデバイスを紹介します。
それが、ARグラスのリーディングカンパニーXREALから新たに誕生したブランド「xbx(エックスビーエックス)」の第一弾モデル、『xbx a01+』です。

難しい設定や重々しい機材は一切不要。
スマホや携帯ゲーム機にケーブルをパッと挿すだけで、目の前に自分だけの大画面が広がる。そんな「Just Play」のコンセプトを体現した、4万円台から手に入る新しいエントリーモデルのARグラスです。
この記事では、僕がこれまで愛用してきた「XREAL 1S」との比較も交えながら、このxbx a01+がもたらす圧倒的な身軽さと、日々の暮らしに溶け込む新しいエンタメ体験についてじっくりとレビューしていきたいと思います。
手軽さとエンタメ性に全振りした、新しいXREAL

xbx(エックスビーエックス)は、XREALが「若い世代にもっと気軽にARグラスを楽しんでほしい」という思いから立ち上げた新サブブランド。その記念すべき第一弾として登場したのが、今回紹介する「xbx a01+」です。
正統なナンバリングモデルである「XREAL 1S」と比較すると、空間コンピューティングチップ「X1」非搭載で、3DoFや、ウルトラワイド表示、サイドビュー、2D→3D変換といった付加機能は使えませんが、そのぶん軽く、そして手に取りやすい価格に抑えられた設計になっています。

XREAL 1Sとの違い
まずは、xbx a01+とXREAL 1Sの基本スペックを比較してみます。
| xbx a01+ | XREAL 1S | |
|---|---|---|
![]() | ![]() | |
| 視野角(FOV) | 50° | 52° |
| 画面サイズ | 147インチ相当 (4m先換算) | 154インチ相当 (4m先換算) |
| 搭載チップ | Pixelworks (映像処理専用チップ) | XREAL X1 (空間コンピューティングチップ) |
| 解像度 | 1920×1080 | 1920×1200 |
| 最大輝度 | 1600 nits | 700 nits |
| リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz |
| 空間トラッキング | 0DoF | 3DoF |
| 3D全機能変換 | ||
| 重量 | 62g | 82g |
| 価格 | ¥43,980 | ¥67,980 |
| Check | Check |
実際に使い比べてみると、スペック表にあるFOV(画面サイズ)の差や、縦方向の解像度の違いは、正直体感としてはほとんど気になりません。
ただ、コンセプト通りに大胆に割り切った部分も確かにあって、特に「あると便利だよね」という付加価値的な機能はしっかり削ぎ落とされている印象。
XREAL 1Sとの比較
カナちひこれらの違いが影響するのは主にPCでの本格的な作業や、特殊な環境下での使用。つまりエンタメ視聴などの普段使いならほぼ影響はなし。

デザインと質感
外観の方向性も、1Sとはっきり変わりました。

これまでの落ち着いた大人っぽいXREALの雰囲気から一転、ブルーのミラーレンズにフレッシュな蛍光イエローのケーブル、フレームにはには半透明のパーツが使われていて、いわゆるシースルー系のトレンドを意識した軽快な見た目になっています。
内側の「xbx by XREAL」の印字もかわいい。


映像を映し出すハーフミラーには、スタンダードなバードバスタイプを採用。

構造的に面白いのが、外側のレンズ部分を丸ごと取り外せるというギミック。さすがにハーフミラーむき出しの状態で外へ持ち出すのは少し憚られますが、自宅でくつろいで使う分には、このスタイルがもっとも身軽で快適。
着け外しもとても簡単で、位置を合わせて3箇所あるツメをパチっと留めるだけ。

実は付属のレンズシェードも、この機能を使って前面パネルごと交換する仕様になっています。

操作系のボタン類は、右側テンプルの下部にスッキリと集約されています(左側はスマホと繋ぐUSB-C端子のみ)。


装着感を大きく左右するノーズパッドは従来より大きなものを選べるようになっていて、鼻への当たりがさらに優しくなった印象です。もちろん、高さの違う交換パーツも用意されています。

また、テンプルの角度も上下に3段階の調整が可能。ノーズパッドと合わせて、細かく位置決めできるのも嬉しいポイントでした。

なお、XREAL One以来お馴染みだった眉間部分の「XREAL Eye」用の端子は、今回省かれています。

持ち運びに欠かせない専用ケースには、手触りの良いファブリック素材を採用。夏の汗ばんだ手で触れることも想定した素晴らしいアレンジだと思います。


ちなみにこちらがパッケージです。「あ、今回は意外とシンプルなボール紙の箱…?」と思って封を開けると、

中からロケットのインナーパッケージが出てきました。こういう遊び心、嫌いじゃないです。

- xbx a01+ 本体
- C-Cケーブル
- ノーズパッド(S/M/L)
- 専用レンズシェード
- クリーニングクロス
- 保護ケース
- 取扱説明書

xbx a01+レビュー|実際の使用感を紹介

ここからは、僕が実際に「xbx a01+」を日々の生活に取り入れてみて感じた、リアルな使用感をお届けします。
62gの軽さがもたらす快適性
xbx a01+を日常で使ってみて改めて実感したのは、やっぱり「軽さは正義」であるということ。
スペック上の数字を見ると、前モデルの1S(82g)から62gへと20gの軽量化。でも、実際に身につけてみると数値以上に軽く感じます。その理由はおそらく、クッション性が強化されたノーズパッドと、耳にかかるテンプル部分の薄型化による恩恵。

単純に重さを支える鼻や耳への負担が減ったことで、ソファやベッドで寝転がって使っても違和感がほとんどありません。「長時間、姿勢を選ばずリラックスして楽しめる」という、体験の質そのものが一段上がったのを感じました。
そして、軽快になったのは装着感だけでなく、操作性も。
本機は、1Sの空間コンピューティングチップ『X1』ではなく、映像処理に特化したPixelworks製のチップを採用。これにより、細かい画面サイズの変更や複雑な配置、空間トラッキングといった機能は省略されたものの、そのぶんOSD(オンスクリーンディスプレイ)メニューがシンプルになり、欲しい機能へ直感的にサッとアクセスできるようになってます。

xbx a01+のOSDメニュー一覧
- 表示モード
-
標準
シネマ
アイケア - ダイナミックレンジ
-
SDR
AI-HDR
HDR 10 - 手ブレ補正
-
ON
OFF
カナちひ「何も考えず、ただ目の前の大画面で映像を楽しむ」という極めてシンプルな目的において、面倒な設定が一切いらないというのは、ある意味で最大の利点と言えるかも。
1600nitの明るさと、割り切り
もうひとつ、レンズ越しにはっきりと体感できたのが明るさの違い。
xbx a01+の最大輝度は1,600nit。前モデルの1Sと並べて同じ動画を再生してみると、xbx a01+のほうが明らかに画面が明るく、色の抜け感もグッとクリアに感じます。
HDR10対応に加えて、AIによるSDR→HDR変換機能も入っているので、普段見ているYouTubeなどの普通のコンテンツでも、明暗のメリハリが強調されて見える。ここも、エンタメ機としてかなり好印象でした。

ただ、代わりにはっきりと見えてしまうのが解像度の違い。
視野角の50°と52°という差はほとんど誤差レベルで気にならないんですが、1Sとじっくり見比べてしまうと、文字の輪郭やディテールの緻密さとしてちゃんと現れます。
とはいえ、これもブラウザで細かい文字を読むような場面での話。映画やアニメなどの「動画視聴」がメインであれば、全く気にならないレベルなのでご安心を。

あともう一点、運用面で少し惜しいと感じたのが「電子調光機能」が省かれていること。
日中の屋外や日差しの強い窓際などで背景が透けて画面が見えにい場合、レンズ部分を付属のレンズシェード(遮光カバー)に付け替えることで物理的な対策はできますが、本体のボタン操作で簡単にレンズの透過度を変えられる1Sと比べると、どうしても「シェードを別に持ち歩く・着脱する」という手間が発生してしまうんですよね。

レンズシェードはケースにも入らないので、持ち歩くモノを少しでも減らしたい僕には少しだけ悩ましいポイントです。

追従モードとXREAL Beam Pro
3DoF(空間への画面固定)に非対応という制限があるxbx a01+ですが、単に顔の動きにピタッと追従するだけでなく、ジンバルのようにフワッと緩やかに追従する「手ブレ補正モード」が備わっています。

これが思いのほか使い勝手が良く、ベッドに寝転がったり、電車の中で少し体が揺れたりするような状況では、画面がガチッと空間に固定される3DoFよりも、視線が外れにくく快適なんですよね。
一方で、休日にデスクへ座ってじっくりと映画の世界に浸りたいようなシーンでは、やはり3DoFの安定感が欲しくなる瞬間も。
そんな環境の拡張に便利なのが、別売りのXREAL Beam Pro。
「3DoFが使えない」「画面サイズが変えられない」という本機の弱点は、これ一台を追加するだけでほぼすべて解決しちゃいます。


XREAL Beam Proには他にも、自分で3D映像を撮影してそのままxbx a01+の空間で楽しめたり、VRゴーグルのように空間上に並んだアプリのアイコンをレーザーポインター感覚で操作できたり。
スマホ本体を介さないため、スマホ側のバッテリーを温存できるというのも、日々の運用においては見逃せないメリットです。
XREAL Beam Proの画面と操作感
個人的なオススメの買い方としては、まずはxbx a01+単体で試してみて、物足りなさを感じたらBeam Proを追加するという段階的な導入。これなら自分に本当に必要な機能を見極められて無駄にならないと思います。
カナちひAmazonにはxbx a01+とBeam Proがセットになったお得なバンドルも用意されているので、最初からARグラスを最大限に楽しみたい人はこちらもチェックしてみてください。
xbx a01+の気になったところ

ここまでメリットを中心にお伝えしてきましたが、「ここは少し気をつけた方がいいかも」と感じた点もありました。どれも意図した仕様と言えるものですが、包み隠さずシェアしておきます。
PCでの本格的な作業には不向き
スマホはもちろん、プラグアンドプレイで繋がるSteam Deckなどのゲーム機とは最高の相性を発揮するxbx a01+ですが、MacBookなどに接続しての「PC作業用」としては、正直いまいちだと感じました。
最大の理由は、PC/Mac用の空間コンピューティングアプリ「Nebula」に非対応であるという点。現在のNebulaアプリは高度な処理を行うX1チップ搭載モデルに最適化されているため、xbx a01+を接続してもマルチディスプレイなどの機能はアクティベートされません(というより、そもそも認識してくれない)。

純粋に、目の前に大きなモニターを1枚映すという用途なら問題なし。
ただ、画面分割やウルトラワイド表示は使えないし、3DoFがないため、手元のキーボードやデスクの資料に目を向けると画面も一緒に付いてきてしまい、作業の邪魔になってしまう……このあたりの制限は、「手軽さゆえの潔い割り切り」として事前に理解しておく必要があります。
カナちひここはBeam Proでもカバーできないので、PC作業をしたいならXREAL 1Sなどの別モデルの検討がおすすめです。
眉間から左テンプルにかけての熱
これは高性能な映像処理を行うARグラス全般の宿命とも言える部分ですが、xbx a01+も、しばらく使っていると本体がじんわりと熱を持ってきます。
具体的には、映像を出力するマイクロOLEDの周辺(眉間のあたり)と、電力を通す左側のテンプル部分。実際に温度を測ってみても40℃を超えるようなことはないのですが、動画に集中しているふとした瞬間に体温との差を感じることはあります。

特に、ブレ補正やHDR、サイド・バイ・サイドでの3D視聴など、グラス側で負荷のかかる映像処理を行なっている場面で発熱しがち。
別に異常ではないのですが、目を休める意味も込めて、少し熱くなってきたなと感じたら定期的にブレイク(小休止)を挟んでみるのもいいかも知れません。
良くも悪くも”若々しい”デザイン
ブルーのミラーレンズに、フレッシュな蛍光イエローのケーブル。夏らしい爽やかさがあり、良く言えば若々しいのですが、悪く言えば少し「若者向け」のテイストがやや強め。
「ARグラスをもっとカジュアルに、身近に感じてほしい」というブランドのコンセプトには見事にハマっている反面、僕のような”おじさん世代”には、このポップな外観は少々眩し過ぎます(笑)。

今後、ARグラスが日常のツールとして市民権を得ていくためには、こうした親しみやすさも重要なステップだとは理解しつつ、着こなしの意味でTPOを選ぶデザインといえそうです。
カナちひフロントフレームやケーブルは着脱式なので、今後、落ち着いたカラーリングの着せ替えアクセサリーが登場すれば、印象はガラッと変わりそうです。
よくある質問(FAQ)
最後にFAQ形式で、xbx a01+の気になるアレコレをまとめておきます。
- Bose監修じゃないけど、音質はどう?
-
xbx a01+のスピーカーはBose監修ではなく、XREAL独自のチューニングです。とはいえ実際に聴いてみると、低音もしっかり効いていて、動画やゲームを楽しむ分には十分な音質だと感じました。音漏れが気になる場合は「Whisperモード」に切り替えることで、音漏れを抑えつつ音量を下げられる機能も用意されています。
- 度付きレンズには対応してる?
-
対応しています。レンズフレームはXREAL公式サイトから、近視・乱視のレンズの製作は、JUN GINZAにオーダーする形です。※JUN GINZAではレンズフレームも一緒に購入可能
- 「xbx a01」と「xbx a01+」って何が違うの?
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「xbx a01」は中国限定のベースモデルで、フロントフレームの着脱や遮光カバーには非対応です。「xbx a01+」はそこに着脱式フロントフレーム、遮光カバー、強化されたスピーカーが加わったグローバル版で、現在日本を含む海外で販売されているのはこちらのモデルだけのようです。
- XREAL 1Sとどっちを買うべき?
-
手軽さと軽さ、価格を優先するならxbx a01+。3DoFやPC作業まで見据えるなら、X1チップ搭載のXREAL 1Sがおすすめです。正直、映像面ではさほど大きな差はないため「ARグラスを気軽に試してみたい」という人には、xbx a01+をおすすめします。
- Nintendo Switch 2では使える?
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単体では使えません。Switch 2のUSB-C端子の仕様上、外部からの給電なしではグラス側に電力が供給できないため、別途対応アダプターが必要となります。
- アップデートはどうやるの?
-
XREAL公式サイトのOTAページにアクセスし、案内に従ってファームウェアをダウンロード・インストールします。Macで行う場合はChromeブラウザでのアクセスが推奨されているので、他のブラウザでうまくいかない場合はChromeで試してみてください。
まとめ

XREAL初のサブブランド1号機「xbx a01+」は、手軽にAR映像を楽しむという一点に的を絞って作られたモデルです。
本体だけで完結するシンプルなOSDメニュー、1600nitの明るさがもたらすクリアな映像、そして62gという圧倒的な軽さ。スマホやゲーム機にケーブルをパッと挿すだけで、これほど完成度の高い大画面体験が手に入ってしまうのは、正直かなりの驚きでした。
確かに削ぎ落とされた機能もありますが、それは決して安さの代償ではなく、身軽さを追求するためのポジティブな取捨選択。1Sを日常的に使ってきた僕としても、xbx a01+の仕上がりには十分満足しています。

- はじめてARグラスを試してみたい人
- とにかく身軽に、大画面を持ち歩きたい人
- スマホや携帯ゲーム機でサクッと動画・ゲームを楽しみたい人
- 4万円台で、ARグラスの世界を覗いてみたい人
逆に、ウルトラワイド表示や画面分割を使ってPC作業までしっかりこなしたい人や、落ち着いた見た目を好む人には、XREAL 1Sのほうが向いています。
価格だけでなく、「何を求めるか」をきちんと見定めて手に取れば、きっとxbx a01+の潔さに満足できるはず。気になった人は、ぜひチェックしてみてください。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。




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