こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
毎日のように発売される最新ガジェットの中で今僕がもっとも注目しているのが、「ARグラス」と言われるアイウェア型の空間映像投影デバイス。
文字通りグラスをかけるだけで、現実の風景にデジタル情報や映像コンテンツを重ねて表示できる近未来型のデバイスなんですが、今回レビューするのは業界シェアNo.1ブランド「XREAL」の最新作『XREAL Air 2 Pro』。
ベストセラーとなった前作から正統進化を遂げ、今購入するならこれで決まりと断言できるほど素晴らしい完成度に仕上がっています。
この記事ではそんな「XREAL Air 2 Pro」の特徴と使用感を始め、購入前にチェックしておきたいポイントなども紹介します。
XREAL Air 2 Pro の概要
XREALってどんなデバイス?
XREALはARグラス業界で世界トップシェアを誇るブランドで、ファーストモデルの「XREAL(旧Nreal)Air」は、2023年Q3当時で累計35万台という大ヒットを記録。
当時僕も実際にレビューさせて頂いたのですが、何もない空間に浮かぶ鮮明で美しい映像や、その手軽さには本当に感動しました。
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「XREAL Air 2 Pro」はその次世代に当たるモデルで、明るさや映像品質の向上に加え、新型コンパニオンデバイス「XREAL Beam Pro」との高い親和性を実現しています。
製品スペック
モデル | Air 2 Pro | Air 2 | Air |
---|---|---|---|
商品画像 | |||
解像度(単眼) | 1920×1080p | 1920×1080p | 1920×1080p |
視野角 | 約46度 | 約46度 | 約46度 |
映像サイズ | 最大330インチ | 最大330インチ | 最大201インチ |
PPD | 49 | 49 | 49 |
輝度 | 500ニト | 500ニト | 400ニト |
リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz | 120Hz |
電子調光 | |||
スピーカー | (音漏れ軽減効果あり) | (音漏れ軽減効果あり) | |
質量 | 約75g | 約72g | 約79g |
価格 | ¥61,980 | ¥54,980 | ¥45,980 |
Check | Check | Check |
数値上は前作からあまり変化がない印象ですが、輝度の向上やエレクトロクロミック調光※によるグラス単体での光量制御など「映像の見やすさ」が大きく進化しています。※XREAL Air 2 Proのみ
前作では明るい屋外で使うときに、シェードを被せて物理的に光を遮断する必要があったのですが「XREAL Air 2 Pro」ではその必要もありません。
ちなみにスペック上では大きく異なる画面サイズの差ですが、あくまで接続するデバイスやアプリの違いであり、実際に見比べても差は感じませんでした。
迫力や臨場感を求めるならむしろ、一緒に使うコンパニオンデバイスの方が重要ですね!
ということで、次は実際の商品を見ながらデザインや構造を紹介します。
デザインと外観
まずは「XREAL Air 2 Pro」のパッケージ。描かれているのはトカゲかな?怪獣?
アート作品のようなパッケージデザインが開封前にも関わらずワクワクさせてくれます。
ケースには革のよう高級感ある素材を採用。
サイズが普通の眼鏡ケースよりちょっぴり大きめなんですが、その理由はARグラスの他にシェードやケーブルも収納するため。
そしてこちらが「XREAL Air 2 Pro」本体です。
どうでしょう?少しフレームがゴツいかなという気はしますが、言われなければ至って普通のサングラスといった感じですよね。
少し特徴があるとすれば、フレームとレンズの間に段差のない形状。
「XREAL Air」では初代から一貫してこのフラットデザインを採用しています。
そんなレンズを透かしてみると奥にもう一枚小さなレンズが見えます。
この部分がスクリーンとなって映像を投影する仕組み。
そしてその映像を映し出すのがフレーム上部に配置されたSONY製の0.55インチMicro-OLEDパネルです。
フレームに収まるほどの本当に小さなモジュールなんですが、画素密度49PPD※という超精細な描写が可能なんだとか。
グラスを支える鼻あてと先セルにはとても柔らかい素材が使われていて、ずれ落ちにくいだけでなく長時間の視聴でも快適性を損ないません。
鼻あては高さの違うものが3つ付属。装着感もさることながら意外と映像の見え方にも影響するので、面倒がらずちゃんと自分にあったものに付け替えることが大事です。
眉間の位置にはセンサーがついていて、グラスを外して一定時間が経つと自動的にスリープ状態に移行してくれます。
操作系は右側の「つる」に集約されています。少し高さのあるボタンでサイズも異なるので、触感だけで判別できてとても便利。
給電と映像データは左側のつるの先端にあるUSBから入力。
先端が少し曲がっていることで、耳の裏側にケーブルが飛び出さず、寝転がって使っても邪魔にならないのは嬉しいですよね。
スピーカーは耳のやや前方にくる位置に配置されています。
今作から指向性のあるスピーカーに変わって、周囲に音が漏れにくくなったのも特徴のひとつです。
XREAL Air 2 Pro レビュー
ここからは僕が実際に使ってみた感想も含め「XREAL Air 2 Pro」の特徴や使用感を紹介します。
手軽に近未来を覗けるARグラス
本当に「XREAL Air 2 Pro」によって空間に投影される高精細な映像は思わず見惚れてしまうほど感動的。
まるで、そこに本物の巨大ディスプレイがあるかのようです。
この辺りの緻密な映像表現は、倍近い視野角まで映像サイズを広げる必要のあるVRヘッドセットには再現できない部分で、ARグラスの優位性といえます。
Air 2 Pro | Vision Pro | Quest 3 | PICO 4 | |
解像度 | 1920 x 1080 | 3800 x 3000 | 2064 x 2208 | 2160 x 2160 |
視野角 | 46° FOV | 推定 90° FOV | 110° FOV | 105° FOV |
画素密度 | 49 PPD | 推定 34〜35 PPD | 25 PPD | 20.6 PPD |
視界を完全に覆わないARグラスは周囲の風景も一緒に目に入るので没入感こそ得にくいのですが、その分装着したままコーヒを入れたり、自由な姿勢で視聴できるのも大きな利点。
普段の生活に自然に溶け込めるのはARグラスの素晴らしいところだと思います。
長時間でも快適な装着感
「XREAL Air 2 Pro」のスピーカーは、耳に向かって真っ直ぐ音声が入るように設計されいて、意外なほど音もいいです。
少なくともプライベートな空間であれば、イヤホンやヘッドホンを装着しなくても充分な臨場感を得られるので、耳を覆う不快感が苦手な人でも問題なし。
また目のまわりを完全に覆うVRヘッドセットのような圧迫感もないのも嬉しいですね!
低ブルーライト&フリッカーフリーといったアイケア機能もちゃんと効いている気がします。
装着感も含めてすべてが高いレベルで完成されているところは、さすがは業界トップシェアの最新デバイスといったところ。
電子調光はやっぱり必須
あらゆる方向から光の入るARグラスは、いかに周囲の明るさを抑えるかが重要なポイントです。
以前のモデルはプラスチック製のシェードを被せることで物理的に光を遮ってきましたが、エレクトロクロミック調光レンズを採用した「XREAL Air 2 Pro」はボタンひとつで瞬時にレンズの透過率を調整できて本当に便利。
調整範囲は「LEVEL 1(透過率0%)」 「LEVEL 2(透過率35%)」「LEVEL 3(透過率100%)」の3段階から選ぶことができます。
日中の太陽光の下でもちゃんと視認性を確保してくれるので、アウトドア派にもおすすめです。
Macの仮想ディスプレイにも最適
プライベートで映像コンテンツを楽しむのも良いのですが、実は空間コンピューティングで仕事まで出来ちゃいます。
専用アプリ「Nebula for mac」を使うことで、3DoFによる空間固定で、最大3つの仮想ディスプレイを並べて使うことが可能。
僕が普段使っているMacBookは本来2台までの外部モニターにしか対応していないはずなんですが、このアプリを介すだけで、外出先でも自宅以上の作業環境が作れるなんて凄くないですか?
まだβ版とのことですが、使い勝手もすでに充分実用レベル。
画面との距離や視野角もアプリで細かく調整できるので「文字が小さい」とか「画面が狭い」と言ったストレスは感じません。
逆に気になるところは、クラムシェルモードで使えない点と、視界範囲。
どんなに画面を広げても、見える範囲は常に正面の一定範囲に限られるため、視野の外を見るには首を振る必要があります。
ここら辺は視野角の広いVRのゴーグルの方が優位な気はしますが、解像感とのトレードオフって感じです。
ゲーミングモニターとしても優秀
USBで映像出力ができるデバイスであれば、基本的に何でも投影できるのも「XREAL Air 2 Pro」の魅力。
iPadなどのタブレットはもちろん「XREAL Beam」とHDMI to USB-C変換アダプタを使えば、PS5やXboxといったコンシューマーゲーム機とケーブルを繋いでプレイすることも可能です。
120Hzの高リフレッシュレートもゲーム向きで、優先接続ならコンマ1秒の遅延が命取りとなるFPSのようなゲームにも充分対応できるはず。
接続が面倒くさい場合は「XREAL Beam Pro」にリモートプレイアプリをDLするのもあり。この方法ならWi-Fi経由で離れた場所からも遊ぶことができて最高ですね。
コンパクトで気軽に持ち出せる
VRヘッドセットではなくARグラスを選ぶ利点のひとつに携帯性の高さもあります。
ケーブルさえ外してしまえば、普通のサングラスのように衣服に引っ掛けて持ち出すことも可能です。
さすがにコンテンツを視聴しながら歩くには危ないし、周囲の目も気になりますが、この手軽さは外出先では大正義です。
XREAL Air 2 Pro の気になるところ
続いては実際に使ってみて気になったところ。どちらもデメリットというほどではないのですが、購入前に知っておいて欲しいところを2つほど紹介します。
外で使うとちょっと目立つ
屋内では気にする必要はないのですが、メガネ型とはいえ目とレンズの間にある程度の距離が必要なARグラスは、外で使うとちょっと目立ちます。
鼻あてを低いものに交換することで多少の改善は期待できますが、それでも普通のサングラスのように顔に沿うような自然な装着はできないんですよね。レンズだけが前方に張り出してしまい、どうしても違和感が出てしまいます。
さすがにARグラスもだいぶ認知されてきたので、好奇な目で見られることは少ないと思いますが、目立ちたくないなら使う場所を選ぶ必要がありますね。
コードは逆側に繋ぎたい
スマホを横向きに使う場合、カメラ位置の関係で通常USB端子は右側に来ることが多いと思うのですが、「XREAL Air 2 Pro」の接続端子は左側のつるに配置されています。
つまりケーブルがデバイスと身体の間を斜めに通る格好になり、ちょっと邪魔になります。
特にiPhoneで使う場合は映像がデバイスの向きに依存するため、横向きで使うシーンが多くなることを考えると、やはりケーブルを接続するのは右側の方がいい気がします。
ちなみに「XREAL Beam Pro」は縦持ちで使うので、影響ありません!
Beam Pro との連携でもっと快適に
そんな感じで「XREAL Air 2 Pro」単体でも十分楽しめるのですが、「XREAL Beam Pro」があれば更に活用シーンが広がります。
その核になるのがプリインストールされている「マイグラス」というXREAL専用のシステムアプリで、XREAL Airに最適化されたUIを「XREAL Beam Pro」をレーザーポインターのように使って操作ができるんです。
マイグラスの操作画面
操作感もまた秀逸で、iPhoneと接続した時のように画面を見て指で操作確認する必要がなく、空間に浮かぶ映像を直接操作できます。
残念ながらモバイル通信機能はないので、YouTubeやストリーミング再生での視聴こそ使える場所を選びますが、DLできるコンテンツであれば本体やSDカード内に保存しておけば外出先で楽しむこともできます。
ほんと、飛行機や新幹線など長時間移動にはめちゃくちゃいいお供になりますよ。
XREAL Air 2 Pro をお得に購入する方法
最後に魅力あふれる「XREAL Air 2 Pro」を少しでもお得に購入する方法を紹介しておきます。
セール時期を狙う
誰でも思いつく方法ですが、少しでも安く購入したいという場合はやはりセール時期を狙うのが一番です。
例えば、現在実施中のAmazonブラックフライデーや公式サイトのXREAL感謝祭では通常価格から16%OFFの51,980円で販売されています。
XREAL社はAmazonのセール時期に合わせてイベントを行う場合も多いので、プライムデーやブラックフライデーの時期に狙いを定めて購入するのが良さそうです。
家電レンタルサービスを活用する
もうひとつはレンタルサービスを活用する方法。「XREAL Air 2 Pro」は現在家電レンタルサービス「Rentio」でレンタルが可能になっています。
どんなデバイスも実際使ってみないと本当の価値は分かりませんし、気になっているなら一度借りてみて購入するかどうか判断するのも良いかも知れません。
2024年12月1日現在、月額3,600円でレンタルできるみたい。最終的に買取可能なプランもありますよ。
まとめ
普通のメガネをかけるような感覚で近未来のAR映像体験ができる『XREAL Air 2 Pro』は、エンタメユースだけでなく、ちょっとしたデスクワークにも活用できる完成度の高いARデバイスです。
世界初のコンシューマー向けARグラス「Xreal Light」が発売されてからまだ4年。世代交代のたびに驚きの新機能が追加され、iPhoneの黎明期を彷彿とさせるワクワク感を与えてくれます。
今回紹介した「XREAL Air 2 Pro」も間違いなくそんな感動を与えてくれるデバイスなので、気になっている人はぜひ手に取ってみてください。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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