こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
2022年発売の初代XREAL Airに初めて触れて以来、すっかりARグラスの魅力にハマってしまった僕ですが、今回なんと独自開発のSoCを搭載した新モデルが発売されるということで、さっそくレビューしてみたいと思います。
それがこちら、『XREAL One』。
これまでも毎年着実に進化を続けてきたXREALですが、今回ついにARグラス単体で3DoFによる映像の空間固定を実現。
さらに映像処理を本体内で行えるようになったことで、ホストデバイスの性能に左右されることなく、より高速で安定した空間コンピューティングが可能になりました。
正直、前作XREAL Air2 Proの時点で、すでに完成形という印象だったのですが、まだこんなにも進化の余地が残っていたとは…!
この記事では、そんな革新的進化を遂げたXREAL Oneの魅力や旧モデルとの違い、実際に使ってみた感想など詳しくまとめていくので、ARグラスの導入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
XREAL One の概要
独自SoCを搭載した最新ARグラス
今回紹介するXREAL Oneはシリーズ6作目となるモデルで、以前このブログでも紹介したXREAL Air 2 Proの後継機にあたります。
前作と比較して視野角の拡大やBoseサウンドによる音響面の強化など基本性能もしっかりアップデートされているんですが、今回特に大きな進化を遂げたのが自社開発チップ「X1」による使い勝手の向上。
これまでXREAL Beamのようなコンパニオンデバイスとの組み合わせで再現していた、空間に映像を固定する「3DoF」や画面酔いを軽減する「ブレ補正」、映像サイズ調節といった機能をXREAL One単体で完結できるようになりました。
- 低遅延化:3msの応答速度を実現
- 低消費電力化:3DoFでの映像視聴に必要な電力はわずか2W程度
- ホストデバイスの負荷軽減:DRAMの読み書きを大幅に削減
このサイズ感でVRヘッドセットと同じような映像を再現できるなんて凄くないですか?
ARグラスの最大の利点である「手軽さ」を追求したXREAL Oneは、その他競合品と大きく差別化された完成度で、これからARグラスを導入する人にとってもかなり有力な選択肢となるはずです。
仕様とスペック
では過去のモデルと比べてどうなのかという点について、こちらの表で解説していきます。
モデル | One | Air 2 Ultra | Air 2 Pro | Air 2 | Air |
---|---|---|---|---|---|
外観 | |||||
発売日 | 2025年1月17日 | 2024年3月31日 | 2023年11月17日 | 2023年10月16日 | 2022年3月4日 |
ディスプレイ | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p |
チップ | (XREAL X1) | ||||
PPD | 44 | 42 | 49 | 49 | 49 |
FOV(視野角) | 50° | 52° | 46° | 46° | 46° |
輝度 | 600ニト | 500ニト | 500ニト | 500ニト | 400ニト |
リフレッシュレート | 最大120Hz※ | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz |
エレクトロクロミック調光 | (3段階) | (3段階) | (3段階) | ||
3DoF | (要追加デバイス) | (要追加デバイス) | (要追加デバイス) | (要追加デバイス) | |
6DoF | (今後対応見込) | (要追加デバイス) | |||
瞳孔間調整機能 | |||||
その他機能 | ハンドトラッキング / 平面探知 / メッシュ生成 / 空間アンカー | ||||
重さ | 82 g | 83 g | 75 g | 72 g | 79 g |
価格 | ¥69,980 | ¥99,800 | ¥59,980 | ¥49,980 | ¥40,980 |
モデル | One | Air 2 Ultra | Air 2 Pro | Air 2 | Air |
---|---|---|---|---|---|
外観 | |||||
発売日 | 2025年1月17日 | 2024年3月31日 | 2023年11月17日 | 2023年10月16日 | 2022年3月4日 |
ディスプレイ | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p | 1,980×1,080p |
チップ | (XREAL X1) | ||||
PPD | 42 | 49 | 49 | 49 | |
FOV(視野角) | 50° | 52° | 46° | 46° | 46° |
輝度 | 600ニト | 500ニト | 500ニト | 500ニト | 400ニト |
リフレッシュレート | 最大120Hz※ | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz |
エレクトロクロミック調光 | (3段階) | (3段階) | (3段階) | ||
3DoF | (要追加デバイス) | (要追加デバイス) | (要追加デバイス) | (要追加デバイス) | |
6DoF | (今後対応見込) | (要追加デバイス) | |||
瞳孔間調整機能 | |||||
その他機能 | ハンドトラッキング / 平面探知 / メッシュ生成 / 空間アンカー | ||||
重さ | 82 g | 83 g | 75 g | 72 g | 79 g |
価格 | ¥69,980 | ¥99,800 | ¥59,980 | ¥49,980 | ¥40,980 |
ややコンセプトの異なる開発者向けのXREAL Air 2 Ultraは一旦置いておくとして、まず映像面での大きな違いはFOV(視野角)の向上。
4°の違いは数値的にはわずかなようで、投影サイズに置き換えると6m先でおよそ17インチ(42cm)の差になる計算で、実際に目で見た映像でもはっきりと違いが現れます。
6m先の投影サイズ(イメージ)
輝度が向上したことで視認性も上がっていて、電子調光機能と合わせれば日中でもストレスのない映像視聴が可能です。
機能性においても、これまでにはなかった「瞳孔間位置調整」やXボタン(設定ボタン)が追加され、使いやすさも格段にアップ。
逆に気になる点は、若干増した重量と価格の上昇。
とはいえ重さに関しては誤差範疇だし、別でコンパニオンデバイスを購入することを考えればコスパ的にも悪くないはずですが、現在4万円で購入できる初代Airとの価格差にはちょっと悩みますよね。
\ 初代XREAL Airのレビューはこちら /
続いてXREAL Oneの外観を見ていきます。
デザインと外観
XREALは毎回ガラリと印象が変わるパッケージデザインも楽しみのひとつなんですが、今作はアパレルブランドっぽいシンプルなデザインが採用されています。
箱の中には革張りっぽい質感のグラスケース。
比較的コンパクトなんですが、XREAL One本体とUSB-Cケーブルが綺麗に収まるサイズ感です。
すべて取り出してみるとこんな感じ。以前のAirシリーズには、遮光シェードや度付きレンズ用のフレームなども付属していたのですが、今回から省略されています。
活用シーンや必要な人が限られるモノは別売で、というのは実に合理的で良いコストカットですよね。
- XREAL One 本体
- デタッチャブルフレーム
- 眼鏡ケース
- USB-Cケーブル
- 鼻パッド(S/M/L)
- クリーニングクロス
- ユーザーガイド
そしてこちらがXREAL One本体。
デザイン的には以前のモデルとあまり変わらない印象ですが、フレームが光沢仕上げに変更されていますーー
と思ったら、これカバーなんですね。隙間に爪を引っ掛けると普通に外れます。
ちなみにマグネットではなく、レンズのフチに沿って物理的にはめ込む仕様。今後、別のデザインも検討中とのことで今から楽しみです。
内側から見るとレンズは二重構造になっていて、手前のレンズに映像を投影することで、あたかも空間にディスプレイが浮かんでいるように見えるという仕組みになっています。
映像はフレームの内側にあるSONY製の0.68インチマイクロOLEDから出力。初代Airと同じディスプレイモジュールが使われているみたいです(Air2は0.55インチのマイクロOLEDを採用)。
ディスプレイはフレーム上部に内蔵。
この部分はXREAL Air 2 Proより少し厚みが増しているんですが、外側にかけて薄くなるようにデザインされているせいか、以前よりもすっきりして見えます。
グラスの重さを支える鼻パッドには、中空の柔らかいシリコン製クッションを採用。
支えの部分も以前より細身で弾力のあるものに変更されていて、鼻にかかる負担が軽減されたように感じます。
逆に高さ調整が出来なくなりましたが、特に違和感なく使えるので、特別鼻が高いor低いひとでもない限り気にする必要はないと思います。
操作系はすべて右側のつる(テンプル)に集約。
下側には+/−ボタンと、新たに赤いXボタンが追加されていて、ここからOSDメニューにアクセスできます。
上側のカスタムボタンには、任意の機能を2つまで設定可能です。
割り当てられる機能は、透過モード(スリープモード) / ワイドモード / 3Dモード / オーディオ規格切り替え / 調光クロミック(レンズの透過度変更)の5種類。
スピーカーはつるの上下に合計4つ配置されています。
耳に直接触れない構造なのにノイキャン機能も効いていて音も結構良いんですよね。Boseサウンドで低音がさらにしっかりした印象。
つるの角度は3段階で調整できます。
カチカチという小気味いいクリック音と共に上下にそれぞれ7°ずつ動かせるので、装着してみてレンズの傾斜が気になるようなら調整してみると良いかも。
ホストデバイスと繋ぐUSBケーブルは左側のつるの先端に接続します。
ケーブル端子に少し角度がつけてあるので、寝転がって使っても邪魔になりません。
せっかくなので、前作XREAL Air 2 Proとの外観の違いについても簡単に紹介しておきます。
XREAL Air2 Proとの比較
基本的な形状はほぼ変わらないものの、光沢/非光沢の違いで正面からみた印象はわりと違って見えます。
個人的にはXREAL Air 2 Proのマット仕上げもカッコよくて好きだけど、普通のサングラスにより近い印象を受けるのはグロス仕上げのXREAL Oneのほう。
真横から見るとはっきり分かるのですが、フレームの厚さが結構違います。カバーを着けているにも関わらず、XREAL Oneが圧倒的に薄い。
フレームとつるの繋ぎ目から段差が無くなったことで、デザインもより洗練された気がします。
フレーム上部の形状も刷新され、全体的にスマートな印象に(実際にはXREAL Oneの方が若干厚い)。
レンズ自体の色味も若干ですが変化していて、やや透明度が増しています。
視野角が広がった分、内側のレンズも大きくなってますね。
スピーカーの口径もひとまわり拡大。
ケースの厚みも抑えられ、携帯性が向上しています。開く角度も水平から斜めに変更されました。
その他、つるのエッジ部分が丸く加工され、装着感も良くなった気がします。
機能面だけでなく、着け心地までしっかりアップデートされているところはさすがですね。
XREAL One の特徴
続いて機能面を中心にXREAL Oneの特徴を紹介していきます。
単独で使える4つのビューモード
改めてコンパニオンデバイスに頼ることなく、様々なビューモードを切り替えられるXREAL Oneは、同世代のARグラスの中で頭ひとつ抜けている印象。
単独で再現できる4つのビューモードの中でも、3DoFによる「空間固定モード」と「ウルトラワイドモード」は特に秀逸で、映像から完全に視界を外しても、元の位置にしっかり留まってくれているので、まるで目の前に本物のディスプレイが存在するかのような感覚になります。
0DoFで視野の端に小さな画面を表示する「サイドビューモード」も使いどころが多くて、例えば料理をしながらレシピ動画を見たり、映像を止めずにコーヒーを入れるなどちょっとした作業も可能。
ブレ補正のおかげで「ながら視聴」でも画面酔いしにくい点も非常に素晴らしいと感じました。
目で見て操作できるOSDメニュー
そんなビューモードも、その都度スマホからアプリを呼び出す方法だと、面倒でいつしか使わなくなりがちなんですが、本体から簡単に設定できるXREAL Oneなら、その心配はなさそうです。
操作も明瞭で、右手前方のXボタンをダブルクリックしてメニュー画面を開き、表示された内容に沿って選択していくだけ。
設定できる項目はかなり多いんですが、上手くカテゴライズ化されていて比較的直感的に使えます。
ディスプレイの表示設定
メニュー | 調整 |
---|---|
画面サイズ(表示距離6mの場合) | 176″ / 198″ / 209″ / 220″ / 286″(長押しで微調整可能) |
表示距離 | 4.0m 〜 10.0m(1m毎 / 長押しで微調整可能) |
ワイドモード | ON / OFF(アップデート後、距離調整も可) |
3Dモード | ON / OFF(SBS形式の3Dビデオ再生時のみ) |
ブレ補正モード | ON / OFF |
明るさの増強 | ON / OFF |
サイドモード | ON / OFF |
サイド位置 | 左側 / 右側 |
表示最適化 | ON / OFF |
暖かみ調整 | 9段階で調整可能 |
自動スリープ | 30秒 / 5分 / 10分 / 20分 / 1時間 / OFF |
瞳孔間調整 | +6から−6の12段階調整 |
ディスプレイの表示設定
メニュー | 調整 |
---|---|
画面サイズ(表示距離6mの場合) | 176″ / 198″ / 209″ / 220″ / 286″(長押しで微調整可能) |
表示距離 | 4.0m 〜 10.0m(1m毎 / 長押しで微調整可能) |
ワイドモード | ON / OFF(アップデート後、距離調整も可) |
3Dモード | ON / OFF(SBS形式の3Dビデオ再生時のみ) |
ブレ補正モード | ON / OFF |
明るさの増強 | ON / OFF |
サイドモード | ON / OFF |
サイド位置 | 左側 / 右側 |
表示最適化 | ON / OFF |
暖かみ調整 | 9段階で調整可能 |
自動スリープ | 30秒 / 5分 / 10分 / 20分 / 1時間 / OFF |
瞳孔間調整 | +6から−6の12段階調整 |
ワイドモードや3Dモードといった一部の機能は独立したショートカットキーに割り当てることもでき、最初に設定してしまえば、次回からはメニュー画面すら開かず、ワンタッチで切り替えられるのは便利ですね。
屋外視聴で便利な電子調光機能
Airシリーズでは上位モデルだけに搭載されていたエレクトロミック調光機能も標準装備されています。
これまで日中の屋外など明るい環境で使う場合はレンズ自体を物理的に覆うシェード(日除け)が必需品だったのですが、XREAL Oneではもう必要ありません。
透過レベルは3段階に調整可能
煩わしい準備も要らなくなって荷物も減る、なんて良いことだらけ。もちろん輝度の向上も視認性に一役買っています。
天気の良い日に公園に寝そべって、大空に浮かぶディスプレイで映画鑑賞、なんて最高じゃないですか。
周辺ボケを改善するIPD調整機能
ARグラスのレビューには「周辺部分が見にくい・ボケる」というコメントも多く見られますが、要因のひとつは瞳孔と投影位置のズレ。
この瞳孔間位置調整に関して、VRヘッドセットでは左右のレンズを物理的に動かすことで対策していますが、XREAL Oneでは電子的に解決。
多少画面サイズは犠牲になるんですが、正しく位置調整することで、フチまでくっきり結像してくれます。
視力矯正については度付きのインサートレンズが用意されています。
Airシリーズとは支えの形状が異なるため流用できない点には注意が必要ですが、フレームと合わせても1万円くらいなので、メガネ派のひとには別途購入をおすすめします。
\ インサートレンズの作成はこちらから /
XREAL One レビュー
ここからは僕が実際に使ってみて感じたXREAL Oneの魅力をまとめていきます。
大画面で最高のAR体験ができる
片眼FHDで美しく再現された300インチを超える空間ディスプレイはやっぱり大迫力で、特に映画やドラマを見るときの感動は何ものにも代え難いほど素晴らしいです。
画面サイズは5段階で調整可能で、1〜3段階までは単純に表示サイズが大きくなりますが、4段階以降は以下のように視界に入りきらないほどに拡大。
頭を振って見渡たす感覚は、まるで映画館の前列で映画を見ているようです。
この視聴体験だけでARグラスを購入する理由は充分と思えるほど本当に感動的なので、機会があれば是非試して欲しいポイントです。
長時間でも疲れにくいフィット感
重量は前作のXREAL Air2 Proより少し重いはずですが、鼻や耳に当たるパーツ形状が改善されたおかげか、装着感はむしろ良くなっています。
もちろん20g前後の普通のサングラスと比べれば、それなりの重さは感じるのですが、長時間視聴していてもどこかが痛くなるということがないので、ストレスにはなりません。
しいていえばケーブルが邪魔なくらいですが、長さに余裕があるので、背中に回しちゃえば作業の邪魔にもならず何かに引っ掛けるということもないと思います。
Boseサウンドで臨場感もアップ
XREAL Oneは音響面もしっかり強化、今回僕も大好きなBoseとのコラボにより迫力のあるサウンドを実現しています。
うーん、こんな細いつるから再生しているとは思えないほど厚みのある音は本当に凄い!
「Spatial Sound Field 3.0」という遠距離ノイズキャンセリング技術で、耳を覆っていないにも関わらず周囲の音を低減、映像コンテンツへの没入感をサポートしてくれます。
とはいえ、こちらの音は普通に外部に聞こえるので、カフェなどで使う場合はイヤホンが必須です。
PC作業にも充分応用できる
エンタメ用途でプライベートでの活用も最高なんですが、MacBookなどの仮想ディスプレイとして使うのもアリ。というかこっちを目的に買っても良いくらい実用性が高いです。
以前から「Nebula」アプリで最大3画面のマルチディスプレイに対応できたのですが、今回XREAL Oneに搭載された「ウルトラワイドモード」が秀逸で、目の前に広がる大画面の湾曲ディスプレイを忠実に再現してくれます。
もちろん、視野は限られているので一度に画面のすべてを映し出すことはできませんが、細かい文字も見やすく、とにかく画面がブレないので本物の湾曲ディスプレイのように広い作業領域を確保できます。
そんな自宅でも構築が大変な作業環境をポケットにいれて持ち出せるなんて本当に凄いと思いませんか?
ただサングラスをかけて何もない空間を見つめながらパソコンをさわる姿は、まわりから見るとやや異様に映るはずなので、カフェとかで使うのは少し憚られるかもーー
最小構成でゲームを楽しめる
USBによる映像出力ができないコンシューマーゲーム機との優先接続には、XREAL Beamなどの補助が必要になりますが、最大120Hzのリフレッシュレートと3msの低遅延はゲームプレイにも十分なスペック。
今回僕は「PS Remote Play」でiPhoneとPS5を無線で繋いでみたのですが、これが最高でした。
それこそ画面は大きいし、Boseサウンドの低音で臨場感もあるし、外でこんなにも本格的にゲームができるなんて贅沢過ぎます。
映像転送と電力供給が同時にできる「XREAL Hub」も販売されているので、ニンテンドースイッチ派のひとはこちらですね。
もちろんスマホのアプリゲームも遊べますが、操作するたびに毎回手元のスマホを見る必要があるので、個人的にはいまいちかなと思いました。
コンパニオンデバイスは不要?
XREAL Oneにさまざまな機能が内蔵されたことで、以前ほどコンパニオンデバイスの必需性は感じません。
ただ前述の通りゲーム機と有線接続したり、XREAL Beam Proのようにスマホの操作自体を肩代わりできるわけではないので、完全に不要とまでは言い切れないところ。
とはいえ、iPhoneやMacBookでの活用がメインの僕のような場合、XREAL One単体で不便に感じることはぼぼないと思うので、ゲーム用とか3D撮影がしたいといった特別な目的がなければ特に追加デバイスの購入を検討する必要はないと思います。
ちなみにiPhone15Pro以降で撮影できるAppleの空間ビデオも「Spatialify」のようなアプリを使ってSBS形式に変換すれば、XREAL Oneでも3D映像として見れるので、最新iPhoneユーザーの人はぜひ試してみてください。
XREAL One の気になったところ
正直、XREAL Oneにはほとんど文句のつけどころがなく、ベタ褒めでここまで来てしまいましたが、最後に少しだけ気になった点も挙げておきます。
完全な透過には非対応
まずひとつはサングラスをベースにしたレンズの明るさについて。
昨年9月にMetaが発表したARグラス「Orion」や、10月にNTTコノキューデバイスが発売を開始した「MiRZA」など、昨今のARグラスのトレンドは完全透明のメガネタイプに移行しつつあるように感じます。
確かにこの2つは一般消費者向けではないし※、コンセプトも異なるので同列には語れませんが、実際XREAL Oneを屋内で使う際にはレンズの色味でやや景色が見え難く感じることも。
※MiRZAは25万円、Orionはまだ開発中ですが100万円を超えるとの噂も
完全な透明化は難しいにしても、もっと高い透過度から段階的に暗くしていければ、より日常的に使いやすくなる気がします。
埃や指紋の付着が気になる
もう一点はデザインについて。付属するフレームカバーがグロス(光沢)仕上げになっていることで、以前のモデルよりホコリや指紋が目立ちます。
この記事で使用した写真は都度ブロワーやクロスで丁寧に拭いてから撮影したのでそれほど気にならないと思いますが、実際にはすぐこんな感じになっちゃいます。
まあこれは通常のメガネやサングラスも同じだし、メーカー側も想定済みでクリーニングクロスを付属してくれているワケですが、典型的A型の僕には結構気になるんですよね。
今後、XREAL Airの「Kaleido Kit」のようなXREAL One専用の着せ替えカバーが発売されるまでは、メガネ拭きも必携アイテムになりそうです。
実際単なるカバーなので、気になるひとはいっそ外して使うのもアリかも。
まとめ
この記事では、業界シェアNo.1のARグラスブランドXREALの最新作『XREAL One』をレビューしました。
今回初の独自開発SoCを搭載したことで、追加デバイスに頼ることなく単独でさまざまな映像投影が可能になったこのARグラスは、現状その他の競合品とは一線を画す使い勝手になっています。
視野角や輝度といった映像品質に加え、Boseサウンドで音響面も強化されたXREAL Oneは、初めて購入する人はもちろん、旧モデルからの買い替の人にもおすすめできる完成度だと思うので、気になっている人はぜひ試してみて下さい。
それにしても海外向けの公式ストアではすでに、強化版の「XREAL One Pro」や、眉間の部分にセットして写真/動画撮影ができるカメラモジュール「XREAL EYE」の発売も開始されているようで、改めてXREALの技術革新のスピードには驚かされるばかりです。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
コメント