こんにちは、カナちひ(@kana_chihi)です。
外部モニターを導入する際に気をつけたいのが「解像度」と「色の一貫性」。特に写真や映像に触れる機会の多いMacユーザーには、ベースとなるMacBookとの色味の違いを気にする人も多いと思います。
今回紹介する「BenQ MA270U」は、そんなMacBookとの親和性を追求した専用モデルで、ケーブルを繋いだその瞬間から最適化された色味と高い互換性を実現してくれる、Macユーザーにとって心強い4Kモニター。
もちろん最新のハイスペックモニターらしく最大90Wの給電も可能なUSBハブ機能や、スタイリッシュなスリムベゼルなど実用性においても妥協のないプロダクトになっているので、実際に使ってみた感想も含めレビューしていきます。
Mac向け4Kモニター「BenQ MA270U」の特徴
BenQでは「ゲーム」「プロフェッショナル」「プログラミング」など用途毎に特徴を持ったシリーズ展開をしていますが、今回新たに登場するMAモデルはMacユーザーのために作られた同社初のMac専用シリーズ。
このブログでも以前紹介したデザイナーモニター「PD2706UA」にも「M-bookモード」というMacBookに近い色味のカラーモードが用意されていましたが、このモニターではその精度が更に上がっている印象。
使い勝手に関してもMacBookとの同期により、周囲の明るさに合わせて自動的に2つのモニターの明るさを調整したり、カラーモードを連動させるといった操作の一元化が可能※になっています。
※「Display Pilot 2」アプリのインストールが必要です
2つのディスプレイを同時にキーボードから操作できるのもポイント。
- 4K / 27インチの使いやすい作業領域
- Display P3 95%の広い色域
- Macと連動性に優れ一貫性のある色味
- 最大5Gbpsのデータ転送が可能なUSBマルチハブ機能
- 柔軟な角度調整ができる4Dスタンド
- 豊富な機能を持つDisplay Pilot 2アプリ
その他主なスペックは以下の通り。(31.5インチのMA320Uも併記しています)
型式 | MA270U | MA320U |
---|---|---|
商品画像 | ||
画面サイズ | 27インチワイド | 31.5インチワイド |
液晶パネル | IPS | |
アスペクト比 | 16:9 | |
解像度 | 4K(3840 x 2160) | |
画面仕上げ | ナノマットコート | |
最大輝度 | 400 cd/㎡ (HDR時400cd/m²) | 550 cd/㎡ (HDR時600cd/m²) |
表示色 | 約10.7億色 | |
色域 | Display P3 95% sRGB 99% | Display P3 97% sRGB 99% |
応答速度 | 5 ms(GtG) | |
入出力端子 | HDMI 2.0 x 2 USB Type-C(90W給電) x 1 | |
USB端子 | USB3.2 Gen1 Type-A x 2 USB3.2 Gen1 Type-C x 1 | |
スピーカー | 3W x 2 | |
価格 | ¥87,000 | ¥108,000 |
Check | Check |
「MA270U」と「MA320U」の違いとして、画面サイズの他に色域や輝度にも若干の差があります。
価格差を許容できるのであれば、より広大な作業領域を持つ「MA320U」を選ぶ選択肢もありますね。
BenQ MA270U の外観
デスクに置くアイテムの中でも一際存在感の大きい外部モニターだけに見た目も大事にしたいところ。さっそく「MA270U」の外観をチェックしていきましょう。
シルバー基調のシンプルなデザイン
まずは全体の印象ですが、飾り気のないシンプルなデザインでミニマルな雰囲気。
シルバーを基調としたスタイリッシュな意匠は、確かにApple製品をイメージさせます。
ベゼルも今時っぽくスリムに設計されていて画面への没入感を邪魔しません。下部のみ約23mmと少し厚みがありますが、中間辺りから斜めにカットされていることで割とすっきりしています。
背面デザインも実にシンプル。ロゴすらなく高級感があります。
円柱型のスタンドはこう見えて機能性は結構高め。前後方向にこそ動かせませんが、上下左右、高さ、傾きを自由に調整できます。
高さ調整幅:115mm
スウィーベル:左右に15°
ティルト:上下に-5°〜20°
ピボット:±90°に回転
台座にはお洒落なラバーパットを装備。
モニター下を有効に使うためのちょっとした工夫ですが、小物をキズの心配なく置いておけるのは嬉しいですよね。
なお、モニター本体とスタンドはボタンひとつで簡単に脱着できます。
100×100mmのVESA規格に対応しているので、モニターアームを使いたい人にもおすすめ。
インターフェースは背面に集中配置
各種ポート類は背面にまとめられています。
USBハブとして使える端子はUSB-CとAで合計3ポート。外部端子が少ないMacBookには嬉しいポイントです。
- USB3.2 Gen1 Type-A x 2
- USB3.2 Gen1 Type-C x 1
- HDMI 2.0 x 2
- USB Type-C(90W給電) x 1
- 3.5mmステレオイヤホンジャック
- 電源ポート
電源ボタンやコントローラーはモニター下に配置。正面からでもアクセスしやすく使い勝手も良好。
- 電源ボタン(通電インジケータ付き)
- 5ウェイコントローラー
背面カバーなどは装着できず、常にケーブルや端子が丸見えなところは個人的にちょっと残念かも。「見せない配線」には少し工夫が必要です。
BenQ MA270U レビュー
ここからは僕が実際に「MA270U」をメインモニターとして使ってみた感想と、「実際どうなの?」という部分を忖度なく解説していきます。
MacBookと一貫性のある色味
まず色味に関して、改めてMacBookとかなり近い色表現であることに疑う余地はありません。
家電量販店などで実際に並んだモニターを見てもらうとたぶん分かるのですが、本来モニターの色味ってメーカーやモデルによって違うのが一般的なんです。
それなのに「MA270U」は、MacBookと並べて比較しても「ちょっと緑っぽい」とか「発色が悪い」といった色の違和感がほぼ無いんですよね。※M-bookモードで比較
MacBookとMA270Uの色比較
この「色の再現性」は数値でも裏付けられていて、 Appleが定義する色域規格「Display P3」に対し95%という高いカバー率を誇っています。
そのおかげで、MacBookと外部モニターという異なる表示領域でも、クリエイティブワークをそのまま引き継ぐことができるのは大きなメリットだと感じました。
高い連動性を実現する”Display Pilot 2″アプリ
Macとの親和性を高めるもうひとつの特徴が、専用アプリ「Display Pilot 2」によるモニター間の連動機能。
例えば、MacBookや「MA270U」に内蔵されている照度センサーを使ってディスプレイの明るさを自動調整したり、キーボードで直接モニターの輝度や音量を調節することが可能。
外部モニターを使う上で手間のかかる個別の調整作業を軽減してくれます。
その他にも、モニターの状態に合わせて画面を自動回転させたり、複数のアプリを決められたレイアウトに整頓して配置できる「デスクトップパーテーション」など、ユーザー目線で使いやすい機能も充実。
Display Pilot 2のインターフェース
初めてでも直感的に使えるくらいUIの完成度が高いのもポイントですね。
Macとの接続はケーブル1本で完結
そんな「MA270U」ですが、MacBookとの接続は付属のUSB-Cケーブル一本で完結。
映像やオーディオ出力と同時に最大90Wの給電もできるので、別途MacBookに充電器を接続する必要がないのもいいですね。
※16インチのMacBook Proを除く
無駄なケーブルがないからデスクをすっきり使えるし、何よりセットアップが楽なので、家と外出先を頻繁に往復するような場面でも便利です。
ステレオスピーカーも内蔵
オーディオについては出力3Wのスピーカーを2基内蔵。ステレオ再生もできるので、音質にこだわらないのであればモニターだけで映像コンテンツの視聴も可能です。
とはいえ、音のいいMacBookがあるのにあえてモニター側から音を出すメリットは少ないかも。
音楽や映像コンテンツを楽しみたいなら、やはりそれなりのイヤホンやスピーカーの準備をおすすめします。
BenQ MA270U の良かったところ
これまでに紹介した基本性能以外にも、いくつか「これは良い」と感じるところがあったので紹介します。
- Macとの高い親和性
- 目に優しく高精細な4Kディスプレイ
- USBハブ機能はやっぱり便利
Macとの高い親和性
“Macユーザーのための専用モニター”と言うだけあって、忖度なしにMacBookとの親和性は抜群です。
これは見た目も然りで、スタンドや台座に使われている素材の質感や一枚板を切り出したようなスタイリッシュなデザインは、Apple製品によく合います。
もちろん前述の色の一貫性だったり、2つのモニターがシームレスに連動して色味や輝度を調整できるなど、作業性においても「MA270U」の優位性は充分に感じられます。
「MacBook用のモニターが欲しい」という人には、自信を持っておすすめできるプロダクトに仕上がっていると思います。
目に優しく高精細な4Kディスプレイ
シンプルな描写力においても「MA270U」の4Kディスプレイはとても高精細で発色もよく、MacBook ProのLiquid Retina XDRディスプレイと並べてみても遜色はありません。
- 4K UHD解像度(3840×2160)のIPSパネルを採用
- ネイティブコントラスト比1200:1
- VESA DisplayHDR 400/HDR10対応
- 10ビットカラーによる10億7000万色の表現力
- Display P3 95%、sRGB 99%カバー
視野角も広く、どの角度から見ても色や明るさに変化はなし。
ディスプレイの表面に施してあるナノマットコートのおかげで映り込みが少ないのもポイント。モニターに映る自分の姿を気にせず映像に没頭できるのは本当にありがたいですよね。
BenQらしいアイケア機能も健在で、眼精疲労の軽減効果にも期待できます。
USBハブ機能はやっぱり便利
MacBookでは何かと不足しがちな外部接続ボートを補う意味でも、「MA270U」のUSBハブ機能はとても便利。
背面やモニター下部に用意された4つのUSBポートにポータブルSSDを繋いで転送速度を測ってみましたが、実測で約400MB/s(約3.2Gbps)と実用性充分。
実際に「ScreenBar Halo」と「Stream Deck +」といったデバイスを接続してみましたが、問題なく使えますし、iPadやiPhoneの充電にも便利です。
個別にUSBハブを置くより省スペースだし、モニターライトやWebカメラなどの周辺デバイスはここから繋いだほうが合理的。
BenQ MA270U の気になったところ
デメリットというほどではありませんが、個人的にちょっと気になった部分にも触れておきます。
- 配線を隠しにくい
- 下部ベゼルの出っ張りが気になる
配線を隠しにくい
これまで僕が使っていたデザイナーモニター「PD2706UA」のように、BenQではインターフェースをカバーで覆う仕様のモデルが多いのですが、「MA270U」には採用されていません。
またケーブルをスタンドの中を通すという機構にもなっていないので、僕のようにケーブルを少しでも隠したいという人には気になるかも知れません。
ただリング状のケーブルアタッチメントを活用すれば少なくとも正面からは見えないよう配線はできますし、カバーがない分接続ポートにアクセスしやすいというメリットもあるので、何を優先するのかによって賛否は分かれそうですね。
下部ベゼルの厚みが気になる
もうひとつ気になった点は、下部ベゼルの厚み。
ここ数年4辺ベゼルレスのモニターも増えてきた印象ですが、残念ながら「MA270U」は3辺に留まっています。
せめてディスプレイに対してフラットだと良かったのですが、少し前方にも張り出しているので余計に目立つんですよね。
実用面では何の不便もないけど、全体的な完成度が高いぶん気になっちゃいます。
まとめ
「MA270U」はMacBook用として使うことを前提に、色の一貫性や連動性を追求したコンセプトモデルですが、広く正確な色域は写真や動画編集にも充分に使える高い性能を持ったモニターでした。
今回僕は縁あって発売前にレビューさせて頂きましたが、これからMac用の外部モニターを購入する人にとっても、かなり有力な選択肢になるのではないでしょうか。
8万円という価格設計ですが、それに見合うだけの品質や機能性は充分に備わっていますよ!
「本当はApple純正のStudio Displayが欲しいけどさすがにそこまでは…」という人も是非チェックしてみてください。
以上、カナちひ(@kana_chihi)でした。
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